2011年 9月

もうすぐ運動会

2011/09/10

運動会が近づくと園舎から少し離れた運動場に行く事も多くなります。
今年も夏の初めから何度も子ども達が草抜きをしてくれました。
お寺の職員の方も運動場のまわりの草を抜いてくださったり、運動場に土を入れ、固めて整備もしてくださいました。
そしてテントをはり、道具も運び、運動会の雰囲気が出てきた時に台風12号が大暴れ…
次の日には運動場一面、折れた木の枝や葉っぱだらけになってしまいました。
落ち葉を掃除しながら、何度も手を休めては空を見上げ思いました。
「本当にお山の中にいるんだなぁ。木々に囲まれているんだなぁ…」と。
子ども達がかけっこをしていた時に急に走るのをやめた事がありました。その先にはセミがいたんです。
コオロギがピョンピョン跳んできて、一緒に追いかけっこした事もありました。

いろんな方の協力や支えがあって運動場もスタンバイオッケーになりました!

さあ、子ども達のキラキラした笑顔やがんばり、保護者の方の熱い応援がこだまして、楽しい運動会になりますように!

ナラ枯れ 3

2011/09/09

ナラ枯れには決め手となる有効な対策がないというのが現状ですが、カシナガがあけた穴を爪楊枝で塞いだカシの木の何本かは幹のあちこちから新芽を出していました。どうやら木全体がすぐに枯れてしまったわけではなかったようです。

爪楊枝の効果のほどはよくわかりませんが、カシナガが入ったからといって全ての木がすぐに枯れてしまうわけではないということです。人間でも何かの感染症に感染しても、症状が出る人と出ない人がいるのと似ているのかもしれません。

同じようにカシナガガ入っても、樹齢や生えている場所、入ったカシナガの数、人間がとった対策などなど、何がどう影響するのかは良くわかりませんが、すぐに枯れてしまう木もあれば、また、新芽を出す木もあるのですね。原因(因)がひとつであったとしても、様々な要素、条件(縁)が加わることによって、結果(果)は様々なのです。

ナラ枯れ対策にはいろいろな考え方があります。一つは直接的な原因を取り除くという考え方。ナラ枯れ対策でいえば、カシナガが入った木は伐採して薬剤でくん蒸し、ビニールで密封するという方法。これは、カシナガが他の木に移らないようにするという点では最もわかりやすく効果的でしょう。もう一方で自然に任せるという考え方もあります。その最たるものは、全くなにもしないことでしょう。

前者からは自然と人間が対峙し合っているイメージ、後者からは人間が自然から離れてしまっているイメージを受け、両方とも違和感を感じます。

大きな自然の働きからすれば、人間も他の生き物も生き物以外のものも、同様に自然の構成要素であって、優劣などはなく、同列に様々に繋がり合っているという視点、いわば「自然の一部としての人間」という視点から考えたいと思います。「自然保護」とか「地球に優しく」はどこか、人間が別の所にいる上から目線の感じがしてしまうのです。

カシの木に爪楊枝を差し込む作業をしていた担当者と話をしていたら、「木の力を信じたい。」といっていました。木は一本一本違うのです。カシナガが入ったからといって一律に何かをするというのは、どこかちがうのです。木と話しをすることができるなら「どうすれば良い?」と一本一本に聞いてみたいと思いました。

こんな風に木のことを考えていて思ったことがあります。

子どもだって一人ひとり違うのだから、一斉に一律に何かをさせるのはやっぱり不自然だし、一人ひとりにとって何が必要なのか、何が大切なのかをしっかりととらえ、その子に一番必要な環境を用意する。いわば一人ひとりを大切にすることが一番だと思い直しました。もちろん、子ども一人ひとりを、丸ごと信じ切ることが前提です。

新しい芽がたくさん出ました

爪楊枝の脇から新芽が・・・

ガキ大将

2011/09/09

園庭で年長の男の子が年少の男の子達を連れて走り回っている。「よ~しついて来い」、「ここで~~するぞ」。リーダーシップをとるガキ大将のような姿が、しっかりと板についている。いろんな遊びに興味が移りやすい彼らをまとめて、場所を変えては遊びを展開していた。

しばらくして、賑やかだった一行が遠くの木の下でしゃがみこんでいる。今度は何してるのかな?と思って近づくと、死んだ虫を木の根元に埋めて、手を合わせ、目を閉じてお参りをしていた。「はんにゃ~はらみ~た~・・・」。

いつかどこかで見たようなこの光景。ごっこ遊びを通して、子どもから子どもへ伝わっていく何か大切なもの。

一通りのかたちを終えて、振り返った彼はこちらに気付き、にやっと微笑んでから、8ビートくらいのテンポで、照れ隠しの般若心経の替え歌?を歌い始めました^^

たまにはシリアスなのも良いけど、やっぱりガキ大将はこれでなくっちゃ!と思ってしまいました。

ナラ枯れ 2

2011/09/08

カシノナガキクイムシ(以下カシナガと略します)が、幼虫のために木の中でナラ菌を栽培しているなんて、どこか不思議な気がします。しかし、関心ばかりはしていられません。木がどんどん枯れてしまうのです。防除策はいろいろ考えられているようですが、決め手になるものはないようです。

1. カシナガが穴をあける前の木には、幹にビニールを巻いたり、薬剤を塗ってカシナガが入らないようにする。

2. 幹の中に殺菌剤を注入し、ナラ菌の増殖を抑える

3. カシナガが孵化する前に木を伐採し、中にいるカシナガが出てこないように殺虫剤ででくん蒸して、ビニールフィルムで密封する。

4. 早い時期にカシナガのあけた穴を爪楊枝などで塞いで、出てこられないようにする。

私の聞いた限りではこのくらいです。

1. のビニールを巻いたり、薬剤を塗布する作戦はすべての木に施すことは不可能ですし、現実的ではない。

2. 3. の殺菌殺虫剤作戦は、薬剤の成分が土壌や他の生物に与える影響がわからない。

ということで行いませんでした。

唯一試してみたのが、4. の爪楊枝作戦でした。それも爪楊枝をあらかじめ木酢に浸しておいてから使いました。この方法もすべての穴を塞ぐことができるわけではありませんし、ビニール同様すべてのナラやカシに行うことはできません。でも実験的に試すのなら爪楊枝作戦ということで、爪楊枝で穴を塞ぐことのできる範囲には実際にやってみました。いざやってみるととてもたくさんの穴があるので大変ですし、高いところなどは届きません。できる限り爪楊枝を差し込んでいったら、幹から爪楊枝がたくさん突き出たハリネズミのような異様な姿になってしまい、参拝者から「何かのおまじないですか?」としばしば訪ねられました。

そんな苦労をして爪楊枝作戦を実行したのですが、大きな変化もなく、冬を迎えました。

カシノナガキクイムシ

カシノナガキクイムシがあけた穴

ナラ枯れ 1

2011/09/07

鞍馬周辺の山林では昨年に引き続き今年もナラ枯れが広がっています。

葉が茶色に枯れてしまったカシ

ナラ枯れは、ナラやカシの木の葉が急に茶色になって枯れてしまうのです。紅葉が始まったのかと間違えるくらいです。昨年あたりから鞍馬でもこのナラ枯れが増え始め、たくさんの被害が出ました。樹齢何百年もありそうなカシの木が枯れてしまった例もあり、今年もたくさんの木が枯れかかっています。

ナラ枯れの被害に遭っている木は、葉が枯れる前でも近くに行くとすぐにわかります。木の根元に、のこぎりで木を切ったときに出るような木くずがたくさん落ちているからです。

ナラ枯れは、体長5ミリメートルほどのカシノナガキクイムシという甲虫が引き起こすことがわかっています。カシノナガキクイムシが木の幹に穴を開けて侵入し、幹の中に縦横無尽に穴を掘ります。以前はそれが直接原因だと考えられていたのですが、直接の原因はカシノナガキクイムシが運ぶナラ菌が幹の中で増殖して、木が根から水を吸い上げることができなくなることだそうです。

根元に積もった木くず

まず、カシノナガキクイムシの雄が幹に穴を掘り、集合フェロモンという物質を出して雌を呼びます。雌が穴の中に卵を産み付けると同時に、背中に乗せて運んできたナラ菌を穴の中に植え付けます。これは卵から孵化した幼虫の餌にするためです。そうすると、ナラ菌が幹の中で繁殖して水の通り道を塞いでしまい、木が枯れてしまうというものです。

木が枯れてしまうのは大変困ったことですが、この虫の生態を知ったときには「なんとうまい仕組みを考えるのだろう」と感心してしまいました。

 

変化

2011/09/07

いつも手にゴムも持ったまま、ウロウロしている女の子がいます。

「髪をくくってあげようか?」と言っても、「いいー!」と断られてばかりだったのが、

ある日、私にゴムを手渡し、ニヤッとしながらくくってと言って来ました。

その変化に何の意味があったのかな・・・と考えながら、毎日楽しくドキドキしながらすごしています。

 

オクラ

2011/09/06

3歳児がオクラを育てています。夏前に種をまいてみんなでせっせと水をやってかわいがっていたので、8月の初めには芙蓉に似たかわいらしい花が咲きました。

オクラの花

それから次々と実がなったので、初物はお供えをして、その後はみんなで食べました。給食に入れてもらおうと調理室に持ってゆくのですが、1日に2つか3つくらいしか実ができないので、調理員は苦労していたようです。おかずや汁物に入っているのもおいしいのですが、オクラだけを自分たちでゆでて食べてみようということになったらしく、何本かまとめて収穫して一人半分ずつくらい食べていました。何度も味わった後からもどんどん実が成ってきます。ちょっと変わったスターオブデイビッドという種類も育てていました。

ずんぐりむっくりなスターオブデイビッド

こちらは少し遅れて花が咲き実が実るのですが、ちょっとずんぐりむっくりの大きな実の形がおもしろかったので、普通のオクラとあわせてスタンピングに使おう、ということになったようです。せっかくなら紙ではなくTシャツを作ってみんなで運動会に着よう、と話しが膨らんだようで、オクラの星形の断面にアクリル絵の具をつけてTシャツにペタペタ。一人ひとり個性的な作品ができあがりました。

ステキなTシャツができました

種から大切に育てる楽しみ、咲いた花の美しさ、収穫するうれしさ、味わったときのおいしさ、そしてスタンピングのおもしろさと、オクラを楽しみ尽くした夏でした。

3歳児のある保護者から「このあいだスーパーに行ったら、子どもが野菜売り場からオクラとピーマンをとってきてカゴに入れるんですよ。ほんとに食べるのかなと思ったのですが、夕食に出したら喜んで食べていました。」と話していらしたそうです。自分で育てて収穫し、味わったのがうれしかったのでしょう。その子はオクラが大好きになったようです。

ちなみに、ピーマンは運動会で踊るダンスに出てくるようです。

ピーマンは苦みがあるので、苦手な子どもたちが多いようです。苦みを避けるのは毒を食べないように、酸味を避けるのは腐ったものを食べないようにという理由からもともと人間に備わっている自己防衛能力なので、子どもたちが嫌がるのは当然なのです。誰かがおいしそうに食べているのを見ることで、苦いものや酸っぱいものを食べられるようになってくるそうです。そういえば、子どもの時は大人が飲んでいるビールをおいしそうだからと飲んでも、何でおとなはこんなに苦いものを飲むのだろう 、と思いますが、大人になると「暑い日は風呂上がりのビールに限る」なんていって飲んでいますものね。

少し苦手な食べ物でも、一緒に食事する誰かがおいしそうに食べているのを見ることで、食べられるようになる。みんなで「おいしいね!」と言い合って楽しく食べることが大切なのだと思います。特に子どもどうしで楽しみながら食べることが大切です。

オクラのいのちも、子どもたちも輝いた夏でした。

草引き

2011/09/06

まだまだ暑い日は続きますが、鞍馬山保育園ではもうすぐ運動会。
その準備として子ども達と一緒に運動場の草引きに行きました。「ホンマや〜、草いっぱいやなぁ」と口々に言って、大きいのを引っ張るときは繋がって「うんとこしょ、どっこいしょ」とおおきなかぶごっこをしたり、誰の袋がたくさん集まるかとたくさん集めるのを競争すると、「あっちは今、虫に夢中やし今のうちに頑張ろう」と作戦を考えてみたりと子ども達の楽しみながら草引きをしている姿を見ることが出来ました。
そして草の下からは色々な虫も登場!「大きいミミズがいる〜!」と観察したり、毛虫が出てくると枝でツンツンしてみたり・・・。さらに何かの卵(子どもたちはアリの卵と言ってましたが)を発見して触ってみたりと虫観察も楽しんでいました。
そんなこんなをしているとあっとゆうまに時間が過ぎ、袋にいっぱいの草をつめて園に帰ってきました。

保育園の役割

2011/09/05

待機児童対策ということが盛んに言われ、新しく保育園が作られたり、既存の保育園が増築されたり、定員が弾力化されています。しかし、待機児童対策として一人でも多くの子どもが保育園に入れるように努力しても、またすぐに待機児が増えてしまうということが起こっているようです。

当園でもここ数年、定員を少し超えて子どもたちを受け入れています。当園の園児のほとんどが4㎞以上離れたところから、電車や自家用車の送迎で通ってきています。毎日のことなので保護者の皆様は大変だろうと思いますが、こんな山奥まで通っていただき感謝しています。

少子化といわれているのにどうして待機児童が増えるのでしょう。様々な原因があると思います。もちろん両親の就労ということが一番大きな原因でしょうが、あるお母さんから「私も仕事をしたいし、子どもも家にいても一緒に遊ぶ友達もいないので…」ということばを聞いたことがあります。これも子どもを保育園に行かせたい理由の一つではないでしょうか。地域で子どもが集団を作って遊ぶことができなくなってきていて、保護者はそれを不自然に感じていらっしゃるのかもしれません。

少子化対策が語られる中で、違和感を覚えることがあります。子どもをまるで荷物か何かのように預けるというニュアンスを感じてしまうことがあるからです。保育園の役割はただ子どもを預かるだけではありません。子どもをしっかりと育てることです。その意味で、子どもの集団があるということはとても重要なことです。

しかし、ただ単に子どもがたくさんいるだけでは意味がありません。そこで、子どもがお互いに意見を交換し、力を合わせて共に何かに取り組むという子どもどうしの関係と、その関係を通して子どもが主体的に遊びや生活を創造してゆくことができる環境が必要なのです。

だからこそ、私たち保育者は様々なことが、できるだけ子どもの中で、子どもどうしの関係で創造したり解決できるようにする。子どもが自ら遊びや生活を作ってゆける。そういう環境を整えることに力を注ぎたいと考えています。

子どもたちが大人になったときに、自ら進んで人と意見を交換し合い、共に力を合わせて、みんなが幸せになれる社会を築いてほしいと願うからです。

すべてのいのちが輝く

2011/09/05

園庭には大きな椋の木の丸太が2本あります。子どもたちはその丸太の上からジャンプしてみたり、見ててな〜!と丸太から丸太へ飛び移ったりして楽しんでいたのですが、最近、あまり遊んでいる様子が見られず・・・

そして、先日お寺の方達にも手伝っていただき、車でひっぱられ移動することに。「こんな立派な丸太の行方は??」と気になり聞いてみると、「最近こどもたちもあまり遊んでないから、いのちが輝いてないね。」と園長先生。

鞍馬山保育園では食事の前に「いっぱいのお水を大切に、一粒のご飯を大切に、、、」とお祈りをしてから食事をいただきます。水のいのち、お米のいのち。たくさんのいのちをいただいていかされているんだな〜と改めて感謝です。最後の一粒をいただき、お米のいのちは輝いたかな?と・・・

園庭の椋の木は一度移動し、製材して机に?椅子に??と検討中です。椋の木のいのちがどう輝いていくのか楽しみです。

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