園長ブログ

子どもの力

2011/12/07

『最高のクラスのつくりかた』から「こんな先生がイイ !!」をとりあげたのは、ここで子どもたちが「イイ」という先生像は、私たち鞍馬山保育園の職員がめざしている職員像にとても近いからです。そして子どもたちの姿や活動についても、こんなだと良いと思うのです。小学校6年生と乳幼児では違うでしょう。という声が聞こえてきそうですが、具体的な活動内容は発達に応じて異なっていても、子どもの心の持ち方(気持ち)や意欲、姿勢は共通だと思うのです。

トイレ掃除:子どもたちは「どうせやらなくてはいけないなら楽しい方がいいでしょ。」という考え方で、掃除をはじめとした様々なプロジェクトに取り組んでいます。掃除でいえば「掃除プロ制」掃除のプロを目指し、どうすればきれいになるか、楽しんでできるかを考え、自分たちでアイデアを出し合い工夫して楽しんでいるのです。例えば、テレビで見たミカンの皮からつくる洗剤を、先生に頼んで費用を出してもらって自分たちで作って使うとか、掃除道具を工夫して自作するとかしているのです。そのうえ、掃除が終わったら毎日良かったところ、改善した方が良いところを探して、みんなで振り返るというのです。子どもたちが、いきいきとトイレ掃除をする姿が目に浮かびます。

トラブル発生:転校してきたばかりのあかねは、このクラスのみんなは最初から仲が良かったのかな、と思ってももこに聞いてみました。ももこは自分のことを例にあげて話します。ももこは自分の髪型をしつこくからうのぼるに怒ります。のぼるは謝ったけど、ももこは無視し続けました。3日ほどして、みおの「誰かこのケンカの解決役になってくれない」の声がけに、けんたとひとみが解決役を買って出て当事者の話をじっくり聞いたあと「許せないなら許せなくても仕方ないと思う。でも許せるなら許してあげたらどうかな。」と提案してくれたおかげで、ももこは謝る人を無視し続ける自分も大人げないと思って許した。というエピソードです。いろいろな人がいればトラブルが起こるのは当たり前、それを少しでも減らせるように、みんないっしょに成長してゆけると良い。トラブルは人とどうやっていい関係をつくるかを学ぶ機会だと子どもたちがとらえているのです。ここで解決役を買って出たけんたが「許せないなら許せなくても仕方ない」とももこの気持ちを受けて止めた上で「許せるなら許したあげたらどうかな」と提案しています。当園で目指している相手の思いを受けとめ、自分の思いを伝えると同じです。大人だって、なかなかこうはいかないと思います。ついつい自分の考えだけが正しくてそれを相手に押し付けようとしてしまい、あの人はダメだと決めつけてしまいがちです。

環境さえ整えてあげれば、子どもたちは自分の力でここまでできるのです。それも、自らそうしようと思って主体的に取り組んでいます。決してやらされるのではない、自分のこととして取り組むからこそ楽しめるのですね。

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