園長ブログ

ホントの仲間

2011/12/08

世界で一番ステキなクラスをめざす子どもたちの様子を紹介してきました。子どもたちが自分の力を発揮して自ら考え、相談して決め活動できる環境を用意し、子どもたちを信じてまかせ、それを支えていてあげれば、子どもたちはここまでできるのです。あかねもいよいよ6年1組の仲間になれたと実感します。

行事:合唱コンクールが迫ったある日、ソプラノを担当したあかねはどうしても歌えません。あかねは自分がオンチだから大きな声を出さない方がいいという思いもあって「わたし一人ぐらい声が小さくたって、みんなががんばれば平気でしょ!?」と言ってしまいます。それに対して「それは違うと思う。」「それじゃあかねのいる意味がなくなる。」「わたしたちにはあかねの声が必要。そうでないとこのクラスの歌声にならない。」「みんなのこと信じて思いっきり歌おう。結果より一人ひとりが全力を出すことの方が大事。」と友達が口々に言い出します。あかねはうれしさのあまり涙がこぼれそうになります。コンクール当日、午後の発表の前にあかねには最後にみんなでもう一回練習したいという思いが募りますが、授業中にそんなことを言い出す勇気もなく、迷っていたのですが、みんなで練習してきたことを思い出したら、思わず「先生、最後に練習の時間をください!」と叫んでいました。「そう言ってくれるの待ってたぞー」の先生の声にみんなから歓声が上がります。みんなもそう思っていたけど言い出せなかったのです。みおの「ありがとう」にあかねは「みんなのおかげ、これでホントに仲間になれた気がする」

みんながいろいろなことを自分のこととして全力で取り組むからこそ仲間になれる。と子どもたちが心から思っていることがわかります。クラス全員が「最高のクラスをつくる」という目標に向かって、それぞれにできることを全力で行う。そのことを大切にしている子どもたちの姿があるのです。

どうですか?私はとてもすばらしいと思います。こんな、仲間と力を合わせることの楽しさ、すばらしさを経験して育つ子が増えれば、もっとステキなクラスが増え、社会がもっとステキになると思います。子どもたちには幼児期からこのような経験をたくさんして欲しいと思います。固定概念に縛られ、何でも人のせいにして、人の悪いところばかり指摘し、文句ばかり言っている大人こそが見習わなくてはと思って自分をふりかえると、少し恥ずかしくなりました。

担任の先生が「ある日の…帰りの会 担任より」として後書きを書いていらっしゃいます。その中でこの本の成り立ちも紹介されていて、それにも心を動かされました。

とっても心に響く、そして勇気をもらえる1冊でした。

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