2013年 10月

おたのしみかい2013(3)

2013/10/31

園庭ではお父さん方が集まって、やきいもを焼いてくださいました。薪や落ち葉も用意して下さって、朝一番から盛大に薪を燃やし、どうしたらおいしく焼けるのか、ああでもないこうでもないと議論しながら、11時頃にはおいしいやきいもがたくさんできあがりました。さつまいも100本、じゃがいも12キログラムはかなりの量なので、一度に焼こうとすると火床も大きくなります。近寄るとかなり熱いのですが、お父さん方はがんばって焼いて下さいました。とてもおいしく焼けて、昼食を済ませた人からやきいもを楽しんでいただきました。お父さん方ありがとうございました。

今年はテーマがハロウィンパーティーだったので、子どもも保護者も思い思いに仮装して、来園してくださいました。全員が仮装したわけではありませんが、子どもたちはいつもと違う格好をして楽しそうでした。保護者にも仮装して下さる方もいらっしゃいましたが、極めつけはゲゲゲの鬼太郎になって来て下さったお父さんです。肩に目玉のおやじまでのっけて、最高に楽しい仮装でした。職員ももっと仮装すれば良かったと思いました。

夏に退園されたこどもさんとその保護者が遊びに来て下さって、ミニライブを行って下さいました。とっても盛り上がり更に楽しいひとときとなりました。

いろいろな方のご協力に感謝します。それと同時にみんなの力が集まればいろいろなことができることもとても嬉しいことです。

   保護者作

カボチャとスマートボール

    やきいも

    カボチャ

   光を楽しむ

    ふうせん

保護者のライブと鬼太郎

できあがったやきいも

おたのしみかい 2013(2)

2013/10/30

保護者の皆様と力を合わせて企画して形にしてきたおたのしみ会は、様々なコーナーを子どもと保護者がいっしょに巡って楽しみます。4・5歳児は交替で各コーナーのスタッフにもなります。

そんなコーナーの中で絶対に外せないのが食事コーナーです。主食はおにぎりを自宅で作って持ってきていただき、園では具だくさんの味噌汁を作って召し上がっていただくのは昨年と同じです。調理担当者が、味噌汁の具の一つに星形に型抜きしたカボチャを使っていました。スタッフになった子どもたちは、「いらっしゃいませ」といいながら、人数分の味噌汁を各テーブルまで運びます。開店時間から閉店時間の間の自由な時間に食事を楽しんでいただきます。天気が良ければ、園庭で召し上がっていただことができるととても気持ちよいのですが、台風27号の影響で天気が不安定だったので、今年は食事コーナーは2階に変更されました。

1階には、玉入れコーナー、スマートボールコーナーがあります。先生が知り合いのところから手作りのスマートボール台を2台借りてきてくれました。幅90センチ長さ180センチくらいの大きさで、ボールはゴルフボールでした。よく考えて作ってあります。
楽しそうだと思ったのは風船の部屋です。たくさんの風船が部屋いっぱいにあって、子どもたちは風船を放り上げたり、風船の海で転げ回ったりして思う存分楽しんでいました。

2階の廊下には、保護者の発案で暗幕が張られ、ブラックライトやプラネタリウムコーナーができていました。ちょうど直前に研修で訪問した保育園では、イタリアのレッジョエミリアに学び、子どもが光に興味を持ち、光と闇の不思議さを感じる事ができるようにとのねらいで作られた暗い部屋がありました。その部屋を見学させていただいて、とても興味を持ったところだったので、自園のこの場所がこうなるのかと、ある意味感心しました。保護者の皆様と先生達のチームプレイが生み出した発想なのでしょう。

いつも同じだとそれがあたりまえになってしまって、なかなか新しい発想が生まれてこないものですが、子どもたちの興味関心を高め、こどもが遊び込める環境作りという視点であらゆるところを見つめ直し、変化させ続ける必要性を感じました。

おたのしみかい 2013(1)

2013/10/29

当園では、子どもをまん中に保護者の皆様と職員が力を合わせ共に子育てをしてゆくパートナーでありたいと考えています。みんなが子どもの最善の利益という同じ方向を向いてそれぞれの役割を存分に果たすことで、子どもの育ちを、幸せをサポートする。そんな関係になれることをめざしています。

一緒に何かひとつのことに取り組むことで、一体感が高まることもあると思います。そんな機会の一つになれば良いと考えて始めた行事がお楽しみ会です。中心になって動いて下さる数名のスタッフを保護者から募集し、職員の担当者と一緒に企画から参加していただいてます。皆さんお仕事の合間を縫ったり勤務時間を調整したりしながら、何度か行った会議や準備に参加して下さいました。ただでさえお忙しくしていらっしゃる保護者の皆様ですから、全員が同じようにできるわけではありません。それぞれの保護者がそれぞれの立場で、できる範囲、やりたいと思って楽しめる範囲で無理をせずに関わっていただければ良いのです。もちろん当日の参加だけでも構いません。
企画会議の中で、今年はハロゥインパーティーをテーマにして園内の飾り付けや様々な催しをすることになりました。その一つに全保護者にお願いして各家庭で子どもと一緒に画用紙を使ったお化けカボチャを作ってきていただくというのもありました。一緒にカボチャをつくることで、家庭で子どもと過ごす時間を充実したものにしていただけるのではないか、というねらいがそこにはあったようです。それぞれに凝ったお化けカボチャが揃いました。

半日をどう過ごすのか、保護者の皆様のアイデアが炸裂です。基本的には、いろいろなコーナーができて、4歳児・5歳児が交替でスタッフになって、お客さんを迎えます。製作コーナー、ゲームコーナー、玉入れコーナー、風船の部屋、プラネタリウムなど、そして昼食コーナー、園庭ではお父さん方担当のやきいもコーナー、学童保育の子どもたちが運営する遊びコーナーもありました。

為すべきこと

2013/10/28

大病をしながらも、お医者様の力を借りながら、食べ物をはじめとした自分の生活を変えることで病気が軽快し、症状の進行を抑えて仕事もしている中学高校時代の友人が尋ねてきてくれる事になりました。大柄のスポーツマンで元気のかたまりのようだった友人がどれほど憔悴した姿になっているのか心配でしたが、お寺の山門前に現れた彼は、ずいぶん痩せてはいたものの、目は澄み、顔はすっきり涼やかな感じだったので、少し安心しました。薬の影響で朝起きたときにはとてもしんどかったけれども、頑張って行こう。と心に決めて新幹線に乗ったのだと話してくれました。

お寺の本殿にお参りしたあと話をしたのですが、病気の話を聞けば聞くほど、今ここにこうしていられるのが奇跡的という感じです。もちろん彼の病気は今も治ったわけではなく、いつまた病気が再発するかわからない状態です。そんな身体で新幹線に乗って尋ねてきてくれた事だけでも感激です。そして、病気の事を気にする様子もなく詳しく伝えてくれる彼の顔には全く屈託がなく、そんな大病をした事を感じさせないくらいです。それよりも澄みきった目で、ほほえみを湛えながら穏やかに話してくれる姿には、落ち着きが感じられました。

ちょうどこの日は秋晴れの清々しい天気だったこともあって、友人も山の気持ちよさを存分に味わってとても喜んでくれていました。楽しく話していると、彼がそんな病気をしたことを忘れてしまうくらいです。中高時代をふりかえって懐かしい話もたくさんしました。話している中でとても強く心に響いた友人のことばがあります。

自分は大きな病気をして、死んでいてもおかしくないところだった。もう死んでも仕方がないとまで思った。でもこうして今生きているということは、自分にまだ果たさなければいけない役割が残っているのだと思う。病気をするまでは仕事一筋でやってきたが、まだ生きていられるのなら、これからは何か人の役に立つことをしなくてはいけないと思う。今はまだそれが何かはわからないが、これからそれを探してゆこうと思う。

死の瀬戸際まで行って、心からこう言えるというのは並大抵のことではないと思います。澄んだ目で、話す友人のことばを聞いていたら、こちらが元気を頂きました。彼が神仏から与えられた役割を果たせることを祈らずにはいられません。

旧友

2013/10/27

先日園で事務仕事をしていたら、携帯電話が鳴りました。知らない電話番号からの着信だったので誰だろうと思いながら電話に出てみると、中学高校時代を共に過ごした同級生からでした。

20年くらい前に友人の結婚式で顔を合わせたきりになっていた友人からの電話に驚きながらも、嬉しく、懐かしく思い、「元気にしていますか?」と尋ねました。すぐに「うん!」と答えが返ってくると思っていたのですが、ちょっと間を置いて返ってきたのが「それが、病気しちゃってね・・・」という答えでした。

話を聞いてみると大変そうです。その友人は自分で立ち上げた会社を経営しているのですが、努力の甲斐あって、会社も順調に業績を伸ばしていました。友人は身体の不調を感じながらも忙しさもあって、なかなか病院に行けませんでした。そして、ようやく時間を作って診察を受けたときには、緊急入院、緊急手術だったそうです。何とか一命はとりとめたものの、生存率は10パーセントから30パーセントと診断されたのが2年ほど前の事です。それから自分でも食事や生活をすっかり変えた結果、病気は抱えながらも仕事ができるまでに良くなったということを話してくれました。それを聞いて、私には返すことばがありませんでした。

そうやって、お医者様の力を借りながら、自分で病気を治す努力を重ねて生活している中で、知り合った人から鞍馬に行ってみればと勧められたことがきっかけで私を思い出し、電話をくれたのでした。

この友人からの電話をうけて考えさせられました。自分自身だっていつ病気になるかわからないし、事故に遭うかもしれない。今こうして生きている事があたりまえのように思って、日々かけがえのない時間を無駄に過ごしてしまっていないだろうか。

時間はどんどん過ぎ去り、いのちは少しずつ、しかし着実に短くなってゆく。まるで少ない水に入れられた魚のように。それなのにどうしておもしろおかしく過ごせるものか。頭に火の粉が降りかかり、燃えそうになっているのに、どうしてそれを取り除く努力をしないのか。放逸でいる事なかれ。といった意味のお経の文句を思い出しました。

伝承する

2013/10/26

鞍馬の火まつりには、鞍馬の人々の熱い思いがこもっています。細かなことを言い出すと、私などにはとうていわからない古くから伝承されてきた決まり事やしきたりがたくさんあるのだと思います。そうやって伝承されてきた事を次の世代に引き継いでゆくことが大切です。ところが、鞍馬に住んでいる子どもがとても少なくなっているのです。あまり少なくなりすぎると、火まつりをはじめ、古くから伝わっていることを伝承してゆくことも難しくなって来るのではないかと心配です。

もちろん形や方法を教えてもらい、何度か繰り返す事で、いろいろなことができるようになるでしょう。それも伝承してゆく上ではとても大切な事です。しかし、毎日その土地で生活して、おじいさんおばあさんやお父さんお母さん、そして近所の人がが行っていることを小さな頃からいつも見聞きし、肌で感じる環境にいることで、表に現れた形の底に流れる心を含めて感じることにつながる気がします。このことが伝承するうえで大切なこという気がします。

目に見える形や姿もそうですが、そこに至るプロセスや、姿形の根底にある心を大切にすることを忘れないようにしたい思うのです。私はうっかりしていると、目に見える形ばかりに気がとられがちなので、目に見えない心やそこに至るプロセスを丸ごと感じることを心がけようと思います。

姿や形となって現れていることの底には何かしらの意味があるのです。ともするとその意味が見えなくなってしまうことがあります。毎日同じように行っている事などは特にそうです。毎日掃除をしていると、本来の目的であるまわりを美しく清める事を忘れて、同じ所を拭く事が目的になりがちです。そうすると、床は拭くけれども、棚の上にほこりがたまっていても気付かないといったことが起こりがちです。なぜそのことをしているのか、なんのためにしているのか、常に自分に問いかけていたいと思います。

鞍馬の火まつり2013 4

2013/10/25

火まつりでの女性の役割は、もちろん家の中だけではありません。おまつりの進行に女性が大切な役割を担っているところがたくさんあります。

おまつりが進んでゆくなか、要所要所で太鼓を打ち、鐘が鳴らされますが、この太鼓や鐘をならすのも今は女性が行っていらっしゃいます。元々は女性でもできる役だったのが、今は女性の役割になっているとも聞きました。太鼓にもいろいろあるそうで、太鼓の役割によっては男性しか打つ事ができないこともあるそうです。太鼓一つをとっても複雑なしきたりがあるようです。

そして、由岐社、八所社の二基の神輿が渡御する際には、綱方といって神輿の後ろについた綱を引く役割があります。これは、山の上から神輿を担いで降ろすときに、勢いがつきすぎないよう後ろから引くブレーキのような役割を果たしていたそうです。この綱方も女性が行い。綱方をして神輿の綱を引くと安産だといわれるそうです。

鞍馬の皆さんは男性も女性も火まつりにかける想いは特別なものああるようで、その想いの深さや熱さは私には想像できないくらいです。

そんな皆さんの熱い想いとともにおまつりが進み、山門前の石段に松明が立てられます。多少の火傷なんてなんのその。立てられた松明から振ってくる火の粉をものともせず、「サイレヤサイリョウ」の大合唱が夜空を焦がす炎と共に山間に響き渡り、熱い想いはますます熱く、おまつりはクライマックスへと向かってゆきます。

よくわかっていないのに勝手なことを書くなと、お叱りを受けそうですが、本当にすごいおまつりだと思います。

鞍馬の火まつり2013 3

2013/10/24

火まつりは、準備がいろいろと大変だということを紹介しました。私も自分が経験しているわけではないのであまり偉そうなことを言える立場ではないのですが、見聞きすることからそう思うのです。そして、松明を作ったりするのは男性の役割ですが、このおまつりは、女性の果たす役割が大きいと思います。

おまつりの時は、各家々で親戚や知人など、様々な方を招かれます。お客様をもてなすためにいろいろな料理を作るそうですが、おまつりの定番といえば、鯖寿司、栗赤飯、巻寿司でしょうか。これらを手作りされるお家も多いようです。お寺の職員さんにかなり高齢の女性がいらっしゃいますが、その方に聞いたところ、おまつりのために栗の入った赤飯を8升炊くとおっしゃっていました。

私も少しお裾分けをいただいたのですが、入っている栗がとても甘くておいしいのです。どうしたら栗が甘くなるのか聞いてみたら、栗を剥いてから天日で少し干すのだと教えてくださいました。栗は鬼皮も渋皮も剥くのが大変だろうと思ったので、8升のおこわ(赤飯)を作るのに、どれくらいの栗を使うのか聞いたところ、なんと10キログラムの栗を使うと教えてくださいました。更に驚くことに10キログラムの栗をすべて剥いて干したのだとおっしゃるのです。

私には想像もできない根気のいる仕事です。それくらい心を込めて作ってくださるのですから、おいしいはずです。また、鯖寿司は京都のおまつりでは定番ですが、これも鯖のしめかた、寿司飯の作り方など各家に伝わる味があるようです。それだけ聞いても大変そうなのに、おまつりのための準備はまだまだたくさんありそうです。

とても大変そうですが、鞍馬の女性の多くがこれは自分の役割だと自負を持って行っていらっしゃると思います。

料理を作るのは女性の役割だと決めつけているわけではありません。念のため。

鞍馬の火まつり2013 2

2013/10/23

いつも思うのですが、鞍馬の火まつりは大変なおまつりだと思います。どんなことでも準備が必要ですが、このおまつりはその年のお祭りが終わった次の日から翌年のお祭りの準備が始まると言われるくらいです。

火まつりで使われる松明ひとつとっても、まず材料を用意することが難しいのです。松明は、柴を束ねて、そのまん中に心棒になる丸太を打ち込んで形成し、表面を木羽とよばれる薄くはいだ板で覆ってその上から藤の蔓を巻き付けてし固定します。松明に使う材料の柴は必要量を集めるのが大変になってきているので、今はまとめて手に入れて必要分を各家に配っていらっしゃるそうです。

そして、柴よりも難しいのが、藤の蔓を入手するとだといいます。どんな藤の蔓でも良いわけではなく、やわらかくて粘りのある藤で、地中に埋まっている物のみを使うそうです。ですから、鞍馬の人は藤にはとても敏感です。特に花が咲く春の終わりから初夏にかけてはころにはどこに藤があるのかを見定めておいて、蔓を探しに行くと聞いたこともあります。滋賀県や丹波の方まで探しに行く人もあるそうです。この藤がないと松明が作れないのですから仕方ありません。

その年のまつりが終わった翌日から翌年の祭が始まっているというのは、決して大げさなことではないようです。

鞍馬の火まつり 2013 1

2013/10/22

今年も鞍馬の火まつりの季節がやってきました。10月22日、昼間は京都市内で時代祭が行われています。今年の火まつりはずいぶん暖かな日になりました。10月に入っても暑い日が続き、台風26号が通り過ぎてから急に気温が下がりましたが、まだまだ暖かい日が続いています。鞍馬では火まつりにはこたつを出すといわれているくらいですが、今のところそれほどでもありません。

午後6時まつりのはじまりを知らせる神事ぶれを合図に、各家の前に置かれたかがりに火が灯されて、まつりが始まります。最初は子どもたちの担ぐ小さな松明が「サイレヤサイリョウ」の声と共に鞍馬街道を練り歩き、次第に大きな松明に火が灯されます。使われる松明は500本を超えるそうです。鉾が山門前で出会った後、長さ3.5メートル重さ100キロ以上もある松明が階段に立ち並び全ての松明が燃えて、注連が切られた後、由岐社、八所社の二基の神輿が出て鞍馬街道を渡御し御旅所に入って一連の祭儀が終わるのは午前1時近くです。この10月22日の夜に行われている一般的に言われる「火まつり」は神幸祭といいますが、10月16日夜には宵宮祭、22日朝からは例祭が行われ、夜には神幸祭が行われるのです。そして、23日は朝から還幸祭が行われるのです。

とても勇壮で、鞍馬の人々の心意気というのか、熱い想いが伝わってくるおまつりです。そんなおまつりを一目見たいと見学に来た人は6,000人ほどで、昨年よりは少し少なかったようです。急峻な山にはさまれた狭い村にそれだけたくさんの人が集まれば、安全確保だけでも大変です。京都府警から300名あまりの警察官が警備にあたっておられましたし、火を使うおまつりなので、左京消防署からも40名近くの消防官が地元の消防団20名と警戒にあたっていらっしゃいました。多くの方々がおまつりのために力を尽くしていらっしゃるのです。

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