2015年 12月

劇 5

2015/12/20

子どもたちで試行錯誤を繰り返し、様々な演出をつけて、作り上げてきた劇の発表。思い入れが深い分だけ、緊張も高まるのでしょうか。本番はずいぶん緊張していたようです。それでも、とても楽しそうに、イキイキと演じていました。

100人を超える人たちが見ている前で演じるわけですから、緊張しないわけはありません。大人だって緊張します。そんな中でも、楽しくイキイキと演じられる子どもたちって、なんてすばらしいのでしょう!心から尊敬してしまいます。

そうやって、子どもたちがイキイキと演じることができるのは、自分たちで作り上げてきたからだと思います。大人が教え込んで、やらせていてはこうはならないと思います。どんどん教え込めば、どんどんできるようになります。それだけ、子どもたちの力はすごいのです。しかし、心から楽しい!演じたい!みんなに見てほしい!と思って演じられるのは、自ら、みんなで、心と力を合わせて取り組んできたからこそだと思います。

そんな子どもたちの姿を見ていたら、胸が熱くなりました。心の底から大きな拍手を挙げたくなりました。

劇 4

2015/12/19

年長児達が自分たちで工夫しながら劇を作り上げてゆく過程を知ることはとても楽しいものでした。毎日子どもたちと過ごしている保育士の先生方はもっと楽しいんだろうなーとも思いますが、楽しいが大きいということは、その奥にある先生方の努力も大きいということです。

年長児たちは、劇の練習を何度も何度も繰り返して行っていました。それは練習と言うよりは、表現を楽しんでいる。こうしたらもっと良くなるかな?と楽しい試行錯誤を繰り返しているという感じでした。でも、いくら楽しくても、あまり何度も何度も練習すると、少しは飽きてきたり、気が抜けてきたりするものです。あるとき少しおふざけが過ぎてしまった練習がありました。保育士の先生は子どもたちの気持ちが少したるんできたと、思ったのか、そんな態度じゃ見てくださる皆さんに失礼だと思う。どうすれば良いかみんなで相談して欲しい。と子どもたちにいいました。すると子どもたちは舞台の上で車座になって、話し合い始めました。一人が、「せっかくみんなで、ここまで作り上げてきたんだから、発表会でお父さんやお母さんに見てもらえる劇にしようよ。それに魔女さんにだって、ステキな劇を見せてあげたいし」と切り出すと、「でも、あんまり練習ばかりじゃ疲れるよ。」という声もあがります。そうやって子どもたちで何か話し合って、見る人たちが喜べるように、もう少しがんばってみようという結論に達したようでした。
そんな風に自分たちで話し合って自分たちで方向性を決める。みんなが納得して進めるように考えられるって、すごいと思います。大人だって、大人だからこそかもしれませんが、簡単にできる事ではありません。子どもたちってすごいな!って感心した瞬間でした。

劇 3

2015/12/18

今年の5歳児の子どもたちは、劇の題材を選ぶに当たって話し合ったそうです。せっかくなら、魔女の出てくるお話を劇にしたい!そんな意見が多く、題材に選んだのは『オズの魔法使い』でした。ちょっと難しいお話ですが、子どもたちと相談しながら、先生が台本を書き、みんなで話し合って役を決めました。ストーリーは子どもたちの中に入っているので、台詞は一応決まっていますが、各場面をどう表現するかは、子どもたちが考えて、演出をつけていました。例えばドロシー役の子はどうすればかわいらしくできるのかな?と考えて、スカートの裾を持ち上げてお辞儀をしてみたりして、これ、かわいく見える?と友だちに意見を求めるなど、工夫をしていました。練習する中で、細かなところにアドリブが入ることがあります。自分たちで相談していろいろと試していたようです。もちろんアドリブによって、全体の流れに大きく影響するようなことはありません。おさえるところはちゃんとおさえているのです。そんな風に自分たちで劇を作り上げてゆく様子を、ところどころ見るだけでも、ワクワクしてきます。

劇 2

2015/12/17

発表会で、ことばを中心とした表現に取り組んだ、3・4・5歳の子どもたち、保護者の皆様には、表現やことばの発達の過程をご覧いただけたのではないかと思います。劇での表現は発達によって異なります。3歳児は役は決まっていますが、台詞をきっちり決めて、しっかり練習しておぼえて発表すると言うより、自分の思うように絵本を表現します。ですから見ている人にとっては、少しわかりにくいとこもあるのかもしれません。できるだけ子どもたちそれぞれの表現したい気持ちを引き出し、それぞれに表現して欲しいという理由からそうしています。バラバラのように見えても、よく聞いていると子どもたちは絵本のことばを正確に表現していることが多いのです。

4歳児くらいになると、台詞も役もはっきりしていますし、ストーリーも表現してくれます。舞台の上では緊張のあまり声が小さくなったりしてしまうこともありますが、少しまとまって、劇らしくなってきます。

そして、5歳児では自ら進んで表現しようとします。そして、その表現がどう見えるのか、どのように見てもらえるのかを考えて表現するようになります。表現している自分が観客からはどのように見えるのかを考えるようになるのではないでしょうか。そういった視点も持ちながら、劇をするので、台詞に感情がこもったり、立振舞もいろいろと考えます。

そこに共通しているものは、子どもがどれだけそのお話に親しみ、心を動かされているかということです。それはただ、単に長い期間お話しの読み聞かせすればよいというものでもなさそうな気がします。

2015/12/16

発表会で、幼児クラスの子どもたちは、クラス(学校でいう学年)ごとに絵本を題材にした劇を行います。普段、保育の中でよく読んで、子どもたちが大好きな絵本というのが必ずあります。子どもたちは絵本を何度も読んでもらって、絵本が好きになるとどんどんその絵本の世界に入ってゆく事ができます。3歳児でも5歳児でもそれぞれの子どもの心に絵本の世界が展開されるようです。子どもたちは絵本の登場人物(動物)になりきって、絵本のお話しをそれぞれのやり方で再現しています。おまつりの場面を再現するのに、みんなでおみこしを作って、園庭でおまつりを始めます。おみこしを担ぐ役であったり、うちわで扇ぐ役であったり、屋台で食べ物を売る役であったり、様々な登場人物をみんながいろいろと経験して思いっきりその絵本の世界を表現して遊びます。そうやって、様々な登場人物になって遊び、その子なりにその登場人物を表現するのです。何度も絵本を読んでもらっていますし、ごっこ遊びを繰り返すので、子どもたちは絵本に書いてあることをよく覚えています。そうやって普段遊んでいることを、発表会では舞台のうえに持って来て皆さんにご覧いただいています。

子どもたちは心に染みこんだもの、取り入れたことを自分なりにアウトプットしようとします。それが表現なのだと思います。心に深く入ったもの、こころのなかで大きな一を占めたものほど、表現しようとする力も大きくなるのだと思います。ただ、子どもの発達によって、表現の仕方が異なってくるのです。

発表会

2015/12/15

先日、当園では生活発表会が行われました。最近、「生活発表会」という呼び名に少し違和感を感じる事があります。「生活を発表する会」なので子どもの生活を保護者の皆さんにご覧いただくということでしょうけれど、それなら、普段保育園でゆっくりすごしていただいたり、保育者体験に参加していただければ、子どもたちの生活の様子をゆっくりとご覧いただく事ができます。子どもたちの生活は「遊び」が中心なので、子どもたちの遊びをご覧いただけば、生活発表会になります。

ところが、主に、劇ごっこや劇遊び、そして劇、歌や、合奏などを披露します。遊びの中でも、表現や、言葉という面が主になっています。もちろん生活全般のあらゆる要素も含まれてはいますが、何か良い呼び名はないものでしょうか。

呼び名は、また考えることにしましょう。では、「生活発表会は何のために行うのか?」よく、職員みんなが問いかけ合っています。もちろん、行事の経験を通して子どもたちがより成長するということがあります。それに加えて、子どもたちの発達、特に言語や表現面での発達を保護者の皆様に知っていただくということもあります。0・1歳児は普段の「朝の会」の様子であったり、2歳児は、ごっこ遊びをする中で言葉のやりとりを楽しむこと。興味を持ったことを保育者と一緒に言ったり、歌ったりなど様々に表現して遊ぶ、3歳児の姿。4歳児は絵本を楽しみ、その面白さ、不思議さ、美しさ、自然や人間の世界のそれぞれの姿からイメージを膨らませ、表現すること。絵本のなかにあるおもしろさや不思議さを感じ取り、想像を広げていく楽しさを味わい、それを自分なりに表現しようとする5歳児たち。

そんな、子どもの様子、発達による違いを感じていただけたらと思いながら、行事に取り組んでいます。

空想の世界 9

2015/12/14

子どもたちの中には、その子の魔女さんがしっかりといるのですね!こうやって、ファンタジーの世界で思いっきり遊べるのは子どもの特権だと思います。今しかできないこの体験を思う存分して欲しいと思います。そのためにも、保育者は、ただ子どもの好きなように遊ばせておくのではなく、子どもがドキドキワクワクできる様々な環境を用意する努力が必要です。

運動会の最後には、年長児が、登り棒、鉄棒、跳び箱の3っつのうちから2つを選んで挑戦していました。のぼりぼうのてっぺんには、小さな魔女の帽子がしっかりとくくりつけてあって、子どもたちはそれにタッチすることを目指して登ります。簡単に登れる子は、さっさと登って、帽子にタッチしたかと思ったら、足だけで体を支えて両手を話してみたり、登り棒を持ったまま、逆立ちのように頭をしたにしてみたりしていました。下で見ている私はハラハラ、ヒヤヒヤでしたが、子どもたちは得意満面。きっと魔女さんに見せていたのだと思います。

魔女さんと之交流はまだまだ続きます。

空想の世界 8

2015/12/13

魔女さんからのプレゼントに小さな魔女の帽子をもらった子どもたち、もらったのは帽子だけではありませんでした。勇気をもらって登り棒に登ることができるようになった子もいたのです。

さて、運動会当日、魔女さんは鞍馬小学校の校庭まで見に来てくれたのでしょうか。今年は鞍馬小学校の校庭をお借りして運動会を行いました。じつは鞍馬小学校の校庭にはとても立派なムクノキがあるのです。校庭にもムクノキがあると聞いていた子どもたちは、「学校のムクノキも魔女さんのともだちかな?」「魔女さんが来たら、ムクノキの上から見ていてくれるのかな?」と校庭のムクノキを気にしていた子どもたちは、当日校庭に来ると、ムクノキに近づいて、しげしげと眺めていました。魔女さんが来ているかどうか確かめたかったのかもしれません。

そのうち、だれかがムクノキの枝に、なにやら巻物のようなものがぶら下がっているのを見つけました。ました。「あー!何かぶら下がってる!」「先生、とってー」と口々に叫ぶ子どもたち、先生にとってもらったのは、魔女からの手紙でした。魔女さんは緊張している子どもたちが、本来持っている力を思う存分発揮できるよう手紙をくれたようでした。

魔女さんから手紙をもらって勇気いっぱいの子どもたち、魔女さんからのプレゼントの小さな魔女帽子を頭につけて、やる気いっぱい、元気にダンスしていました。

空想の世界 7

2015/12/12

魔女からのプレゼントが、ムクノキの枝につり下げられていました。それも、つい先日設置されたばかりの登り棒の真上に!雨よけのビニールまで被せられて!

子どもたちは、早くとりたいけれど、すぐに手が届くわけではありません。プレゼントの小さな魔女の帽子を手に入れるには登り棒を登らなくてはならないのです。多くの子はたやすく登ることがきるので、順に登っては、片手で棒を支えてもう一方の手で帽子を取ります。中には足だけで登り棒をはさんで体を支える子もいて、見ている私はヒヤヒヤです。

Aちゃんは少しは登れるのですが、いつも途中で諦めてしまうので、てっぺんまで行くことができませんでした。ところがこの日、Aちゃんは少し苦労しながらも、みごとにてっぺんまで登り切って帽子を取ってきたのです。まわりで一生懸命声援を送っていた友達は、みごとAちゃんが登り切ったときにはみんなで大喜びしていました。きっと子どもたちも、「勇気を持って少しがんばればできるのに!」と思っていたに違いありません。笑顔で下りてきたAちゃんを囲んで喜んでいました。Aちゃんの満足そうな顔はとてもステキでした。

のぼりぼうのてっぺんまで登れるようになりたくて、何をおいても登り棒に走り寄って、一所懸命に練習していたBちゃんも、登ることができるようになっていました。

きっと魔女さんが、子どもたちの背中を押してくれたのでしょうね。

空想の世界 6

2015/12/11

運動会に向けての取り組みを行っている頃、実際に運動会で使う登り棒に子どもたちが慣れることができると良いとの思いから、園庭のムクノキの近くに登り棒が立てられました。運動会の会場で使う登り棒は、普段園庭で使っている固定遊具とは違って、外径40ミリほどの鉄パイプで、少し滑りやすく登りにくいかもしれないので、運動会当日に初めて登るより、あらかじめ使うことができればという先生たちの配慮で立てられたのでした。新しく登場した登り棒を使って子どもたちはよく遊んでいました。

ある日の朝、新たに設置された登り棒のまわりで、子どもたちが騒いでいました。何事かと思って近づいてみると、子どもたちが、「登り棒の上になにかある!」と口々に言います。見上げると、黒い物がたくさんぶら下がっていました。誰かが「あれは小さな魔女の帽子だ!」といいだし、「ホントだ、いっぱいある。たくさんあるからゆりぐみ(年長児)のみんなへの魔女さんからのプレゼントだよ。きっと!魔女さんがくれたんだよ!」と誰かが言い出し「そうだね!きっと!早く欲しいなー!」となりました。

よく見ると、登り棒の上の方にフープがつり下げてあり、そのフープに黒い小さな帽子がたくさんぶら下がっています。雨が降っても大丈夫なように、全体を覆う傘のようにビニールまでかけてあります。それを作ることもかなりの手間だと思いましたし、登り棒の上まで登って取り付けるのも、結構大変なのだろうと思います。先生方の思い入れの深さが伝わってきました。

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