2013年 12月

冬休み 3

2013/12/31

冬休みに入った小学生達が毎日やってきて、楽しく活動しています。注連飾りづくりの他に迎春にちなんだ活動として、おもちつきに参加しました。お寺では毎年12月28日にお正月用のお餅をついてお供えします。その時に当園の園児達も参加して、おもちをついたり、まるめたり、味わったりさせていただいています。

餅米を蒸したものを臼に入れて杵でついてゆくうちにおもちになってゆくのを見るのもおもしろいですし、蒸し上がった餅米から立ち上る湯気と甘い香りを楽しむこともできます。子ども用の杵でお餅をつくと力加減やその感触も感じることもできます。つき上がったお餅を小さくちぎってまるめる時には、おもちのやわらかさやあたたかさ、香りも感じます。甘い香りに、思わず口に入れたらほんのり甘いお米の味が口いっぱいに広がります。五感をフルに使ってお餅を体験する機会です。20名近くの小学生もこのもちつきに参加しておもちつきを楽しんでいました。

小学生のためのお楽しみイベント、もう一つは、映画鑑賞会です。夏と同様、用意された3本の映画の中から自分の見たい1本を選び、みんなで話し合ってどれを見るのか決めます。鑑賞会の数日前からスタッフ手作りの3種類の映画のビラが貼り出されますが、このビラには映画のタイトルがありません。子どもたちは紹介文を読みながらどんな映画なのかを想像して、自分の見たいものを決めなくてはならないのです。難しそうですが、子どもたちは紹介文を読んで、「なんの映画かな」と話し合っていました。きっとこの映画だと想像をつけて、自分の見たい映画を選びますが、当然違う映画を選ぶ子もいます。そこで、同じ映画を見たい子どもたちがチームを作って、なぜその映画を見たいのか、どこがおもしろそうなのかをプレゼンテーションして、同じ映画をみたい仲間を増やします。しかし、プレゼンテーションの時に自分がこれだと思った映画のタイトルを言わないことになっているので、プレゼンもかなり難しいと思います。

夏は子どもも大人も慣れていなかったのですが、今回、子どもたちは2分という制限時間をうまく使って、とてもしっかりとプレゼンしていました。卒園児の女の子が1分足らずの短い時間ながら、とても理路整然と丁寧な口調で、はっきりとわかりやすく話していたのには驚きました。私のイメージの中では、園児だった頃の彼女は、内気であまり人前で話をする子ではなかったからです。その子がとても堂々と話している姿に心を動かされました。結局その子がプレゼンした映画は選ばれませんでしたが、プレゼンはとてもステキでした。別の映画をプレゼンをした男の子も、緊張しながらもとても詳しく、わかりやすく伝えてくれました。しかも、タイトルはもちろん、登場人物の名前やその作品と特定できることばを使わずにです。

コミュニケーション能力というと、プレゼンのように伝えること、話す事が重要視されがちです。しかし、もっと大切なのは聞く能力だと言われています。人の話を耳を傾け心を傾けて聞く力が必要なのです。子どもたちは、みんなプレゼンしている子の話をしっかりと聞いている様子でした。

学童保育に来ている子どもたちの冬休みの活動は、興味深いことばかりでした。

     プレゼン中です

冬休み 2

2013/12/30

強い寒気がやってきて、27日、28日は雪になりました。積雪量はそれほど多くはありませんが、気温が低い状態が続いているので、なかなか雪がとけません。日が落ちると気温はすぐに氷点下になります。今までが少し暖かかっただけに、余計に寒く感じます。お正月は少し暖かくなると良いのですが。

   注連飾りを作る子どもたち

冬休みに学童保育に来ている子どもたちの様子をお伝えしています。クリスマスケーキ作りの次は、お正月に向けての注連飾りづくりです。毎日同じメンバーが集まるわけではないので、余裕を持って3日間の日程で行いました。子どもたちも楽しみにしていましたし、保護者にも子どもたちが作る注連飾りを楽しみにしていらっしゃいます。地域のボランティアの方にお願いして、作り方を教えていただきました。最初は、わらの不要な部分を取り除いて、わらをうつことから始めるので時間がかかります。そして、数種類の注連飾りのなかから自分の作りたい形を選んで、教えてもらいながら作ってゆきます。太い縄状につくる種類などはかなり難しいと思いますが、みんな一所懸命に取り組んでいました。子どもたちは、今日はどんな活動なのか、予定表で見て参加しているので、基本的には自分のやりたいと思うことがある日に来ている子が多いので、みんな意欲を持って向き合っているのだと思います。

注連縄は、神聖な場所を表す結界で、家は年神様を迎える神聖な場所であることを示すために年の初めに玄関に飾ります。秋に収穫した新しいわらで作り、縁起物の紙垂、裏白、橙、ゆずり葉などを飾ります。紙垂は稲妻の形をしていて邪悪なものを払うとか、稲穂が垂れた姿をあらわすといわれ、裏白は白髪になるまで長生きするとか裏が白いので裏表のない清らかな心をあらわすといわれます。また、橙は、果実が熟しても木から落ちないことから家が代々繁栄するようにという意味があり、ゆずりはも新芽が出てから古い葉が落ちるので、親が子を育てて家が代々続いてゆくようにという意味があるようです。

私が様子を見に行くと、それぞれにできあがった注連飾りを見せてくれました。家族にも見せて、家族の会話の話題になれば嬉しいですし、子どもたちの手作りの注連飾りを飾って年神様を迎え、すばらしいお正月にしていただければと願います。

冬休み 1

2013/12/29

小学校が冬休みになって、学童保育にたくさんの小学生たちがやってきました。普段の土曜日は10人くらいですが、冬休み中は多いときで20名近くの子どもたちがやってきて楽しい時を過ごしました。子どもたちが自由にのんびりと過ごすのが基本ですが、今年の冬休みは、昨年の経験から様々な企画が盛りだくさんでした。先ずはクリスマス会、「みんなでクリスマスケーキをつくろう!」という企画でした。冬至も近いので、カボチャケーキにしようというアイデアをスタッフが出し、試作をしてくれました。

オーブンがないので、あまり本格的なことはできないのですが、ホットケーキミックスを使って、炊飯器で焼くという方法があるようで、それに挑戦していました。私は詳しいレシピは知らないのですが、カボチャとタマゴをたっぷりと使うことで、とてもリッチな味に仕上がっていました。子どもたちが作っているところには参加できませんでしたが、炊飯器に入れて焼き始めるところと、焼き上がって食べるところには居合わせたので、「園長先生は食べるときになるとやってくる。」と子どもたちにひやかされました。
食べるときには、切り分けたケーキにフルーツ、ホイップクリーム、チョコレートなどをトッピングして、思い思いの飾り付けをしてから食べていました。ホイップクリームがリッチなケーキの味をまろやかにしてくれて、とてもおいしくできていました。

後でスタッフから聞いたのですが、カボチャが嫌いだった子が、とてもおいしく食べられたようで、家でも作りたいのでレシピを教えてほしいと言っていたそうです。これをきっかけにカボチャが食べられるようになると良いなと思いましたし、家で作って家族と一緒に食べようと思ってくれていることが嬉しいと思います。他にレシピがほしい子はいないかと尋ねてみたら、参加者全員がほしいと言ったので、配布したそうです。

冬至にカボチャを食べると、風邪をひかないなどと言われますが、野菜の少ない冬にカロチンやビタミンの多く含まれるかぼちゃを食べ、風邪などへの抵抗力をつけるという意味があるようです。なぜ、冬至にカボチャを食べるのかという、子どもの疑問から、子どもたちとそれを調べてゆくうちに、どうやらクリスマスも元々は冬至と関係があるらしいことがわかったそうです。

いろいろな意味で美味しいクリスマスケーキ作りになりました。スタッフの企画力と子どもの疑問をうまく拾って形にしてくれたおかげです。

とても美味しくできたカボチャのケーキ

クリスマスプレゼント

2013/12/28

子どもたちが家にサンタクロースが来た話をたくさん聞かせてくれましたが、当園にもサンタクロースがやってきます。当園に来るサンタクロースは少々あわてんぼうで、クリスマスの少し前にやってきて、子どもたちとクリスマスソングを歌う、子どもの質問に答えるなど楽しい時間をプレゼントしてくれます。そして、お菓子の入った小さなブーツも忘れてはいません。子どもたちは1人ずつサンタクロースの前に進み「メーリークリスマス」「ありがとう」などといって嬉しそうにプレゼントを受け取っています。今年は0歳児や1歳児の子どもたちも少々緊張していたものの、泣いてしまうことなくプレゼントをもらっていました。

幼児クラスに歩くことが苦手な子がいます。最近ではもう少しで介助なしで歩くことが出来そうだったのですが、自ら一歩を踏み出すことができずにいる様子でした。ところがサンタクロースが来た日、サンタからプレゼントをもらう順番が回ってきたら、自分でスッと立ち上がってスタスタとサンタの前に歩いて行ったのです。あまりにも自然だったので最初は気づかないくらいでしたが、すぐに驚きから大きな喜びへと私の心は動きました。その場に居合わせた職員ひとり1人のうれしさはことばでは表せないものだっただろうと思います。何よりも本人が一番嬉しく、心の中に自信が生まれたのではないかと思います。その子は今では走るのも速くなりましたし、笑顔も増えていろいろなことに意欲的に取り組むようになったと感じています。

この大きな喜びを通して、やはり子どもの心の中に生まれる「やりたい!」という意欲がとっても大切だということを思い直しました。いくら、ああでもないこうでもないと言い聞かせたり、叱ったりしてやらせても本当にその子が「やろう!」「やりたい!」という意識、意欲を持たないことには、本当の意味でいろいろなことができるわけではないと思います。大人に動かされてやっても、やらされても、それはその子のものにはならないのです。ですから、保育って子どもを操ることではないのです。おとなの言うとおりに動く「よい子」を育てることが目的ではないからです。子どもが自らの人生を積極的に幸せに生き、より良い社会の実現に貢献する。そのことが本人の幸せである。そういう人に育ってもらうことが目的だからです。子どもの意欲を高めるためにも、子ども主体の保育を進める必要があることを感じました。

サンタクロースのくれた大きな大きなクリスマスプレゼントでした。

楽しみ力

2013/12/27

今年のクリスマスは終わってしまいましたが、子どもたちにクリスマスってなんの日?と聞くと「サンタさんからプレゼントをもらう日!」ほとんどの子がそう答えます。その中で、年長の女の子に、「誰かの誕生日なんやけど、誰やったかなー?」「あっ!キリスト様やったわ!」と言っている子がいました。前に話したことを覚えていてくれたのかもしれません。

クリスマスの日、子どもたちはサンタクロースからもらったプレゼントの話で持ちきりでした。やっぱり子どもたちには、クリスマスと言えばサンタクロースなんですね。子どもたちの家ではサンタがいろいろな登場の仕方をしたそうです。窓を開けてプレゼントを投げ込んでいったサンタクロース、よほど慌てていたようで赤い帽子が少し見えただけで、行ってしまったそうです。ママがサンタクロースを見たといっている子もいました。♪ I sow my mammy kissing Santa Claus ♪といった感じでしょうか。子どもだけではなく、お父さんにもお母さんにもプレゼントがあったご家庭もありました。サンタクロースも家によって訪れ方をいろいろと変えているようですね。子どもも大人もとっても楽しんでいらっしゃるご家庭の様子が感じられて嬉しくなりました。

いろいろなことをするときに「遊び心」ってとても大切だと思います。ことばを変えれば、楽しむということです。一つのことをやるにしても、「どうすれば楽しめるかな?」「こんなことしたら、子どもたちが興味を持つかな。」「きっと、子どもたちが驚くだろうなー!」なんて考えながらやれば、わくわくしてきます。少しくらい手間のかかることでもその手間が苦にならず楽しみになります。そして楽しく取り組むことができれば、良いことがたくさん生まれてきます。嫌々取り組んでもできることはできますが、あまり良いことになるようには思えません。いろいろなことを楽しむ力、楽しみに変える心の力、「楽しみ力」といってもいいかもしれません。これがあるとないとでは、その人の幸せ度も違ってきます。私たちは感情をもっていて、この感情というフィルターを通してものごとをとらえていますし、感情と共にいろいろなことを行っています。ものごとをとらえるときでも行うときでも、うれしさや楽しさ、ありがたさといった感情とともに行った方が、怒りや憎しみ悲しみ不平不満といった感情とともに行うよりずっと良いと思います。そういった感情がその場を雰囲気を作るからです。一人の懐く感情が波のように広がってゆくのかもしれません。ですから、いつもうれしさや楽しさ、ありがたさという波を出していたいと思います。

しかし、うれしさ楽しさとはいっても、あまりそればかりにとらわれるのも良くないかもしれません。できれば淡々と自分の感情が今どうなっているのか、しっかりと向き合って、うれしさや楽しさにも怒りや悲しみにも大きく振れすぎないように、感情にとらわれて流されてしまわないようにするのが良いのかもしれません。

ステンドグラス 7

2013/12/26

子どもたちが楽しんで作ったステンドグラスが鞍馬駅に飾られました。飾り付けは叡山電鉄の方が担当してくださいましたが、5歳児たちは飾り付けの様子を駅に見学に行ったようです。自分たちの作品が駅の天井からつり下げられるのを見て、嬉しかったことでしょう。45個近い作品を作りましたが、天井からつり下げると、それほどボリュームはありません。ひとり2つずつ作るか、作りたいという子どもは2つでも3つでも作ってもらえば良かったと思いました。

子どもたちはどう考えるのかわかりませんが、いつも乗り降りする駅だから、きれいにいしたいな!飾ってみたいな!という気持ちになってくれるといいのですが・・・そんなところから、こうやって飾るとおもしろい。こんな駅になるといいのにな。なんて思って、形に出来ると楽しそうです。

そうなるかならないかは、私(保育者)が子どもたちにどうやって提示するかにもよると思います。どうすれば子どもたちが自ら興味を持って、主体的に取り組みたくなるなるのかを考え、どんな環境を用意できるのかが大きな要素になって来ます。もちろんよく考えて、充分に環境を用意したとしても、子どもの興味が、保育者が思うように広がるとは限りません。そんなときには子どもの興味関心を優先し、それに沿った活動が展開できるように援助する必要があります。指導計画を立てて、計画通りに進めないといけないと思いがちですが、子どもの姿から始めて、それがどう展開するかを予測したり、子どもの心の声を聴きながら、臨機応変に対応してゆくことが大切になってくるのです。

今回は発表会の直前に取り組んだということもあり、充分に展開するには至っていませんが、少なくとも子どもたちはステンドグラス作りを楽しんでくれたと思います。まだまだできる事はありそうなので、取り組んでゆけると良いと思います。

ステンドグラス 6

2013/12/25

その子の興味と関心にぴったり合えば、逆に言うとその子の興味と関心、意欲を引き出す環境を用意すれば、その子は今持てる力を最大限に発揮するのだと思います。ステンドグラスの製作を通じて、特にそのことを感じました。ですから、3歳児だからこれ、4歳児だからといったいわゆるクラスだけで分けるのは適当ではないように思います。

保育所保育指針、第2章子どもの発達の2. 発達過程には、「子どもの発達過程は、おおむね次に示す8つの区分としてとらえられる。ただし、この区分は、同年齢の子どもの均一的な発達の基準ではなく、一人一人の子どもの発達過程としてとらえるべきものである。また、様々な条件により、子どもに発達上の課題や保育所の生活になじみにくいなどの状態が見られても、保育士等は、子ども自身の力を十分に認め、一人一人の発達過程や心身の状態に応じた適切な援助及び環境構成を行うことが重要である。」とあり、(1)おおむね6か月未満 (2)おおむね6か月から1歳3か月未満 (3)おおむね1歳3か月から2歳未満 (4)おおむね2歳 (5)おおむね3歳 (6)おおむね4歳 (7)おおむね5歳 (8)おおむね6歳という発達過程が示されています。発達段階ではなく発達過程です。発達は連続しているので段階ではないのです。

指針の解説には「ただし、この区分は、同年齢の子どもの均一的な発達の基準ではありません。」とあります。おおむね3歳の項に書かれている発達が3歳になってできないから遅れているという基準として考えるのではないということが、書かれているのです。にもかかわらず、基準だと勘違いしてしまう人がいるそうです。4歳になってこんな事もできないと評価するものではないのです。「特に保育士は、子どもの発達の順序性や連続性を踏まえ、長期的な視野を持って見通し、子どもが、今、楽しんでしていることを共に喜び、それを繰り返しながら子どもの発達を援助することが大切です。 」ともあります。 思い込みにとらわれていないか、もう一度基本を踏まえた上で、自分自身をふりかえる必要がありそうです。

ステンドグラス 5

2013/12/24

子どもたちが、とても興味と意欲を持って取り組んでくれたステンドグラス作り、子どもたち思い思いの作品ができあがりました。少し特別なケアが必要な子もその子に合わせた方法で取り組めるように先生方が工夫して考えてくれたので、とても楽しんで作品を作っていたようです。ひとり1人がやりたいことをやりたい方法でできるように環境を整えてあげることが、最も大切なことです。私たちの仕事は、子どもたちがやりたいことをどうしたら実現することができるのか、どんな環境が必要か、どんな条件を整えると良いのか全力で考えてやってみることです。今回のステンドグラスのように同じことに取り組むのであれば、その中で選択肢を用意して、子どもが自分で選べるようにします。決して大人が用意した一つのことを全員に同じように一斉にやらせるのではありません。

そんなことをして子どもがやりたいことばかりやっていては、やらなくてはならないことをやらなくなってしまうのではないかと思ってしまいがちですが、決してそうではないと思います。やりたいことを思う存分できるからこそ、困難なことにも取り組めるのです。自分がやりたいことを成し遂げるためには、困難を乗り越える努力をします。そこで達成感や充実感を感じられる。そういう経験が多ければ多いほど、困難に立ち向かう力が培われるのだと思います。もちろん子どもに好き放題させると言っているのではありません。その子の発達を最大限保障するために、子どもが意欲的に取り組めるような方法を考えるのです。その際、何歳児という枠にとらわれすぎない方が良いのです。もちろん、年齢が高い方がいろいろなことはできますが、その子に合った環境さえ用意し、その子が興味を持ち意欲的に取り組むことができれば、30分以上も集中してステンドグラス作りに取り組んで、すばらし作品を作り上げた3歳児のように、年齢に関係なく力を発揮するのです。

ステンドグラス 4

2013/12/23

興味を持った子どもから順に取り組み始めたステンドグラス作りでしたが、友だちが楽しそうに作っている姿や、できあがった作品を見て、ぼくもやりたい、わたしもやりたいとやってみたくなった子がたくさんになりました。しかし、絵の具の数や場所の関係から一度にできるのは多くて4人から5人が限度です。ランチルームは昼食で使うので、昼食時には会場を2階に移し、昼食が終わったら、2階でお昼寝をするのでまたランチルームに移動するなど、何度も引っ越しをしながら、数人ずつ取り組みました。

年齢に関係なく、下絵を描いて丁寧に進めて行く子、画面にいろいろな色を大胆においてゆく子、同系色の水玉模様を作る子、幾何学模様に挑戦する子、「マヨネーズみたい!」と細く絞り出せるマヨネーズをかけているかのように描く子、本当にひとり1人違っていてその違いがとても興味深く、楽しい時間を子どもたちと過ごしました。

中でも3歳児の女の子が、画面を端から少しずつ埋めてゆくようにたっぷりとガラス絵の具をおいていたのには感心しました。違う色を重ねると色が混じってしまいますし、絵の具の層が厚くなると透明感が出にくくなるので、それを伝えようとしましたが、あまりにも真剣なその子の顔を見たら、ことばをかけられなくなりました。余計なことはいわない方が良いのです。1色置いたら、すき間ができないように丁寧に別の色を置いてゆきます。それには集中力がいりますし、手指の力加減やコントロールも難しいと思うのですが、その女の子は30分以上も時間をかけて、じっくりと取り組んでいました。見ているこちらが思わず息を止めてしまうくらいです。こんなにステキな子どもの顔が見られるのなら、もっと思う存分できるようにしてあげたくなりました。できあがったその子の作品は、いろいろな色が不思議な模様を描く海のようでもあり、意志を持った液体が何かを形作る過程のようにも見えます。私は心の中で「命の海」と名付けました。

その後も、いろいろな子が「やりたい!やりたい!」と集まってきて大人気です。一度やった子ももう一度やりたいといいます。月曜日からも引き続き行う事にしました。全員の作品ができたら、やりたい子が自由にできる場を設けられると良いのですが・・・

ステンドグラス 3

2013/12/22

   試しに作ってみました

この鞍馬駅を飾るステンドグラスプロジェクトの企画がやってきたのは発表会直前だったので、先生達はみんな忙しく、子どもたちと一緒にプロジェクトに取り組むのは私と主任の先生が担当することになりました。最初どうやって子どもたちに提示しようか、いろいろ考えましたが、クラスごとに一斉にやらせることだけはしないようにしました。どうすれば子どもたちが興味をもってくれるか、やってみたくなるのかと考えましたが、もっとも目立たず自然な方法でアプローチすることにしました。

             

     楽しく作れます

最初に始めたのが土曜日の朝だったので、登園している子どもの数も平日よりも少なめです。園庭で遊んでいる子どもたちを見ながらランチルームに机を出して道具や材料を用意し、試作したものを見本がわりに並べていたら、5歳児の女の子が3人くらい集まってきて「先生なにしてんの?」と聞くので「楽しいことしようかなーって思てんねん。」といいながら試作品を見せ「こんなん作ってみたい?」と尋ねると、「うん!やるやる!」と答えが返ってきました。その子達に何をするのかを説明し、難しいやり方と、あまり難しくないやり方、そして簡単なやり方があることと、それがどんなことなのかを説明した後に、子どもたちにどれをやりたいのか選んでもらいました。その子達は下絵を描いて輪郭を描き、最後に色を入れるという難しいやり方を選んで取り組んでいました。いつもはおしゃべりが大好きな子たちですが、おしゃべりもせず、真剣なまなざしで黙々と取り組んでいる姿が印象的でした。通りかかった何人かがそんな様子を見て「なにしてんの?」と興味をもってくれたので、「あとでやってみる?」と誘うとみんな「うん!」と嬉しそうに返事してくれました。

派手に始めるのも一つの方法ですが、地味にやっていても、子どもが見つけて興味を示してやってくるものです。今回は、3・4・5歳児全員が最低一つは作品を作りたいという大人の都合もあったので、みんなが興味を持ってくれるのか少し心配ではありましたが、だれかが楽しそうにやっている姿を見たり、ステキな作品を作っているのを見たりすると、やってみたくなるようです。

スクロール