2012年 12月

ミニ発表会

2012/12/11

土曜日に生活発表会が無事に終わって、職員のみんなは、ホッとしたと同時に充実感を感じています。子どもたちはといえば、多くの子が発表会をとても楽しんでいたようです。

発表会の後、子どもに「楽しかったね!」と話しかけたら、「月曜日もまた本番やで!楽しみやなー!」と答えてくれました。そういえば週明けには、地域の皆さんをお招きして、子どもたちがミニ発表会を行う予定になっていたのです。たった今、発表会が終わったばかりなのに、もう月曜日のことを楽しみにしている子どもたちの気持ちに少し驚くと同時に、発表することをそれほどまでに楽しみにしていることに心を動かされました。もし、発表会のために子どもが嫌になってしまうような練習をしていたら、こんなに子どもたちが発表すること、表現することを楽しみにはしていなかったと思います。

これは、職員がみんなで話し合って決めた、発表会で大切にすること「子どもたちが楽しむ」「子どもたちが自ら行う気持ちを持つ」「子どもの心の中のイメージを表現する」「普段の姿を発表する」を常に心がけ、それを目指して心を一つにして取り組んだ成果だと思います。

子どもたちはとても柔軟に伸びる力、すごい力をもともと持っているので、環境を整えれば、どんどんその力を発揮してゆきます。保育者がすることは、一人一人の子どもの今をとらえて、どうすれば子どもたちの力が最大限に発揮できる環境を整えられるかを考えて形にすることだと思います。もちろん信頼関係があることが前提ですが、子どもたちをしっかり見て、その子が今を最も良く生きられるよう配慮すること、子どもたちが自ら取り組むことができる環境を整えることが、また信頼関係の構築にもつながるのだと思います。

子どもたちの、発表したい!表現したい!が広がるような環境を整え、働きかけをしたいと思います。

2012/12/10

天気予報が、しきりに冬型が強まって大雪が降る可能性があると報じていました。8日土曜日の発表会が終わったくらいから雪がちらつきだし、9日日曜日も降ったり止んだりしていましたが積もるほどではありませんでした。

日曜日の夜は空気が澄んでいたせいか、星がとてもきれいに見えました。東の山の上にオリオン座、そのうえにおうし座とプレアデス星団(すばる)が輝いています。これなら天の川も見えるかもしれないと目を凝らしてみましたが、残念ながらそれは無理でした。空気の澄んだ夜に周りが暗い山の上などに行けば天の川が見えることもあります。

星の光が痛いくらいにスッキリと澄んだ空です。大雪の予報が信じられませんでした。

今朝、起きてすぐに窓の曇りをぬぐってみると、外は真っ白な世界でした。早くも積雪です。大雪と言うほどではなかったので少し安心しましたが、3センチくらいは積もっています。気温は氷点下3度細かい粉雪が降り続き、まるでスキー場のようです。

早速、雪かきをしました。これくらいのつもり方と雪質なら、箒でササッと掃くことができます。もちろん雪かき用のスコップや、用具を使って除雪することもできます。積雪がもっと少ないと箒が適当ですし、これより深いと除雪用具を使った方が楽です。鉄ののスコップは重いし、雪がくっつくので使い物になりません。ただの雪かきですが、どの用具を選ぶかで、効率と疲れ具合が全く異なってくるのです。それぞれの用具の良いところとあまり良くないところを知り、それぞれの道具がしっかり役割を果たせるような使い方をしてあげるのが、良いと思います。

今日は1日中雪が降っていました。子どもたちは大喜び。キャッキャいいながら、園庭で雪合戦に興じていまます。私と言えば見ているだけで寒くなったので、早々に事務仕事にもどりました。

相変わらず粉雪が強い風に乗っています。まだまだ寒さは続きそうです。

発表会

2012/12/09

とっても寒くなりました。今朝の気温は氷点下2度。大雪という天気予報も出ています。滝の水しぶきがかかるところには、氷の華が咲いていました。

昨日、当園では生活発表会を行いました。寒い中たくさんの保護者の皆様もご来場いただき、子どもたちが普段の生活の中で経験してきたことをそれぞれ劇や歌などで表現していました。

今回も発表会に向けて、「発表会とは何だろう?何のために行うのだろう?」ということを職員で話し合いました。みんな活発に意見を出してくれましたが、一番多かったのが「子どもたちの普段の生活のなかでの経験を様々な方法で発表する」というものでした。他には「子どもたちが表現したいことを表現できる喜びを味わう」「子ども同士が自分たちのイメージを共有して作ってゆく過程を楽しんでほしい」「子どもたちが、みんなで取り組むこと、協力することの楽しさを味わう機会にしたい」「保護者に家では見られない子どもたちの成長を感じていただく」「保護者とともに子どもの成長を楽しむ」といった意見が出されました。それらの意見を集約して

・子どもたちが楽しむ
・子どもたちが自ら行う気持ちを持つ
・子どもの心の中のイメージを表現
・普段の姿を発表する

というポイントにまとめ、これらのことを大切にしながら発表会にとりくむことにしました。

職員みんなが、そのように心がけて、子どもたちが主体になって発表会を作り上げるように心がけたからでしょう。発表会当日、子どもたちはとても自然体で、いきいきとそれぞれの発表をしていました。その姿は、そこで発表するのが嬉しくてしょうがないといった様子でした。

接近

2012/12/08

突然現れた猿が、12月に入って随分この辺りの環境に慣れてきたようで、以前よりも積極的に人に近づいて来るようになりました。平気で飛びついてきますし、少しくらい脅しても怯まなくなりました。

一番困るのは、猿が子ども好きだと言うことです。子どもを見ると、どうにかして近づこうとします。近くに大人がいても隙を見つけて子どものところに行こうとするので、子どもにとっては、かなりの恐怖です。すごいスピードで迫ってくることもあるので、怖いと思います。

猿がなぜ子どもに近づいてゆくのかよくわかりませんが、子どもの体格が小さいので自分の遊び友だちだと思っているのかもしれません。でも、噛みつかれたり引っかかれたりして、子どもが怪我をしては大変です。

先日も猿当番をしていたときに、少し離れたところにいらっしゃった2組の親子の1組の保護者と話しながら歩いていたら、ちょっとしたすきに、もう1組の親子の子どもに向かって猿が突進して行き、もう少しで飛びつかれるところでしたが、保護者が威嚇してくださって無事でした。でも、追いかけられた子は怖くて泣き出してしまいました。また別の日には、お母さんに抱っこされた2歳の子どもを追っかけて、猿は電車の車内に乗り込んだそうです。

猿当番だけでは、効果が薄くなってきています。先月よりも身体も少し大きくなったようですし、力もかなりあります。何よりも人間を全く恐れません。私が棒を持って追いはらってもすぐに戻ってきます。「こんなところにいないで、山に帰りなさい。」と言い聞かせてもわかってくれるはずもなく、目の前に差し出した棒にじゃれついてくる始末です。このままでは危険なので、何とかしなくてはと思っていましたが、決定的な方策はなかなか見つかりません。区役所に猿を保護していただくようにお願いはしましたが、とりあえずは、子どもが怪我をしないよう自衛するしかありません。

そんな話をしていたら、職員の一人から「もし猿がつかまったらどうなるのですか?インターネットで調べてみたら、猿ばかり飼っているところもあるみたいですが、そんなところで引き取ってもらえないのでしょうか。」と尋ねられました。彼女は猿が処分されたりしないかと心配していたようです。私は、その言葉を聞いて、ちょっと猿の相手をするのに閉口していた自分自身が、とにかく連れて行ってもらうことばかりを優先的に考えていたかもしれないと、我に返りました。

優しい気持ちもった職員と一緒に仕事ができることを、嬉しく思います。

猿当番

2012/12/07

今日は二十四節季の大雪です。霜や氷、雪も身近になり、いよいよ本格的な冬の到来といったところでしょうか。今朝はこの冬一番の冷え込みとなったところも多いようです。鞍馬は、雪こそ降っていませんが気温はマイナス2度まで下がっていました。

今朝、園に行ったら、年長の女の子が、私のところに駆け寄ってきて、「せんせ、氷見つけたで!きのうバケツに水入れといたら、氷が張ってた!」と興奮気味に伝えてくれました。子どもたちは環境の変化には敏感に反応します。この旺盛な探求心がもっともっと発揮できるよう、わくわくするような環境を用意したいと思います。

もう氷の季節です。明日は雪の予報も出ています。季節の移り変わり、時の流れは早いものです。だからこそ、1日1日を丁寧に生きる必要があるのでしょう。反省することばかりです。

最近、新たな仕事が増えました。「猿当番」です。何をしているかというと、朝夕1時間ずつ園児達の登降園の時間帯に猿が悪さをしに来ないように見張る役です。

猿の話題は何度か取り上げましたが、11月中旬頃から園の近くに一頭の猿が出没しています。ニホンザルだと思います。まだ小さいので、子猿のようです。

あまりにも人間に近づいて来るので、猿の研究をしていらっしゃる方に相談して見ていただいたら、1歳半から2歳半の雄ではないかとおっしゃていました。まだ子どもなのだと思います。人間だったら何歳くらいなのだろうと思って調べてみたら、ニホンザルの2歳は人間の10歳くらいにあたるそうです。研究者の方に伺うと、これくらいの子猿が群れからはぐれることは考えにくいので、人間に飼われていた可能性も高いというお話しでした。飼っていた人が放したのでしょうか。はきりとはわかりませんが、今では園の周辺に頻繁に出没します。11月は、お寺への参拝客や観光客が多いので、餌をもらっていたのかもしれません。最近人間に近寄ってくることが多くなりました。

歩いていると足下に絡みついてきたり、背中に乗ってきたりします。きっと餌が欲しいのと遊んで欲しいのだと思います。猿も攻撃ではなく、じゃれついてきます。登りついたり甘噛みしたりしますが、時には痛いこともあります。ただ、出血するような怪我になると感染症が心配なので、あまり近づかない方が良いのでしょう。
そうはいっても猿の方から近づいて来るので、始末が悪いのです。特に子どもが好きなのか、同世代の遊び相手だと思っているのか、園児に近づきます。園児も保護者も怖がるし、もし怪我をしては大変なので、猿当番の出番というわけです。

おひるね 3

2012/12/06

おひるねは、休息を取るために必要です。しかし、どの程度の休息が必要なのかは子どもによっても、その時の子どもの体調によって異なります。保育所保育指針の解説には、「積極的に家庭との情報交換を行いながら、24時間を見据えた子どもの生活時間を考慮し、子どもの食事、睡眠、休息、遊びなどが無理なく営まれるようにしていきます。そして、一人一人の生活に合わせ、時には柔軟な対応をとりながら、家庭と協力して子どもの生活や発達過程にふさわしい生活リズムが作られるようにしていきます。 」とあります。

しかし、それは大人が毎日子どもの1日の生活スケジュールを立てて、子どもにその通りにさせることではありません。

最も理想的だと考えるのは、子どもが自分で自分のことをよくわかり、「僕は今日は疲れているから、しっかり寝よう。」「私はあまり疲れていないから、寝なくても大丈夫。」と自分で判断して、決められると良いと思います。身体を休めることはとても大切なことだと子どもが理解できるような取り組みを普段から行います。そして、それがわかった上で、身体を休める方法はそれぞれの子どもが自分の体調に合わせて選ぶことができると良いのだと思います。また、他の人のことを考えるという意味で、寝ない子は寝ている子の邪魔をしないように静かにしていることは必要です。自分のこと、友だちのことなどを考え合わせて自分がどうするかを決める力をつけて欲しいと思うのです。

こう言うと、「そんなことをしていたら子どもが好き勝手なことばかりして、わがままになってしまう。」「生活のリズムが乱れてしまう」という声が聞こえてきそうです。生活のリズムについては、子どもの生活24時間を視野に入れれば、子どもによって休息の仕方が違うべきであることは、自明のことです。

はたして、子どもは好き勝手をしてわがままになるでしょうか?そういうこともあるかもしれませんし、そんなことはないともいえます。実際にこどもが自分で休息の方法を選ぶという方法で保育していらっしゃる保育園もあります。子どもはちゃんとその能力を持っているのです。そんな子どもの力を信じて見守ることが大切なのだと思います。

子どもが自立して、自分をわかったうえで自分で考え、主体的に生きてゆくことができるためには、私たちは何をすべきなのか?原点に戻って考えたいと思います。
子どもが自分の人生の主人公になるために、自立して欲しいからです。

おひるね 2

2012/12/05

以前、ある保護者から、「保育園でお昼寝をすると家で寝るのが遅くなるから、お昼寝の時間を短くするか寝ないようにして欲しい。」というご意見をいただいたことがあります。こうなってしまっては、何のためのお昼寝かわからなくなってしまいます。

0歳や1歳の子は、もちろんおひるねが必要ですが、前日の家で何時に寝たのか、夜中ぐっすり眠れたのか眠れなかったのかなどによって、その日のおひるねの仕方は変わるはずです。子どもたちの生活24時間を視野に入れて考える必要があるのです。また、例えば3歳児の何パーセントかは、おひるねの必要がない子がいますし、5歳児の何パーセントかはおひるねが必要な子がいるはずです。その日の体調や運動量などでも異なります。子どもひとり一人のその日の状況を把握してその子の今に対応してあげることができれば一番良いと思います。

保育所保育指針の「生命の保持」の「内容」には 「家庭と協力しながら、子どもの発達過程等に応じた適切な生活リズムが作られていくようにする。」「子どもの発達過程等に応じて、適度な運動と休息を取ることができるようにする。」とありますし、「情緒の安定」の「内容」にも「一人一人の子どもの生活リズム、発達過程、保育時間などに応じて、活動内容のバランスや調和を図りながら、適切な食事や休息が取れるようにする。」とあります。

子どもが、活発に活動する時間と、ゆったりと休息する時間が必要です。おひるねは休息を取るためのひとつの方法です。とても疲れているときは、ぐっすり眠る必要があるでしょうし、それほど疲れていないときは、横になって静かにしている。ゆったり本を読む。など体調や疲労度によって様々な休息の方法があるはずです。

指針の解説には「午睡は、子どもの年齢や発達過程、家庭での生活や保育時間などを考慮して、必要に応じて取れるようにしていきます。子どもの家庭での就寝時間に配慮し、午睡の時間や時間帯を工夫し、柔軟に対応します。」とあります。何としても必ず寝かしつけないといけないわけではありません。

時間を決めて一斉におひるねをさせるのではなく、「必要に応じて」「柔軟に対応」することが大切なのですね。

おひるね

2012/12/04

冷たい北風が木の葉を吹き飛ばして過ぎていきます。木々はすっかり冬の装いになりました。昨日の朝は霜が降りていましたし、水玉が氷になっていました。天気予報によれば、今日から冬型が強まり、向こう1週間はかなり寒くなりそうです。そろそろ本格的な雪かもしれません。

ひょんなご縁で知り合った安井素子先生。愛知県の保育園の園長先生です。安井先生の著書『子どもが教えてくれました本当の本のおもしろさ』の中に共感できるコラムがありました。

お昼寝っていろいろと考えてしまいます。人の身体には、夜になると眠り、朝目が覚めるという一日単位の一定のリズム、サーカディアンリズムが備わっています。そしてサーカセメディアンリズムというのもあります。これは半日のなかにある活動時間と休息時間のリズムです。このリズムにより午後に眠くなるのです。ですからお昼寝は、自然なことです。海外には昼はしっかりと休む習慣がある国もあります。

しかし、睡眠時間や、生活のリズムには個人差がありますし、ひとりの子どもでも(もちろん大人でも)その日によってお昼寝が必要かどうかは違ってきます。それなのに保育園のおひるねは一定の時間寝なければなりません。この「寝なければならない」というのが、どうも納得がいきません。

安井先生も「保育園のお昼寝をどう考えるかは難しい。一人一人の子の生活リズムが違うのに、同じ時間にいっせいに昼寝をすることには、無理があると思う。」と書いていらっしゃったので、本を読みながら、思わ大きくずうなずいてしまいました。

確かに子どもたちのなかにはおひるねが嫌いな子が多いかもしれません。なんてもったいないと思って、おひるねが嫌だと言っている子に、「先生が代わりにおひるねしてあげるから、先生の代わりに仕事してくれる?」と聞いたら断られてしまいました。

がんばる?

2012/12/03

浦中こういちさんに紹介していただいて、愛知県にある保育園の園長先生とお話しをする機会がありました。安井素子先生とおっしゃる、とても気さくで楽しい方です。安井先生が保育のなかで子どもたちと読んだ絵本のことをまとめられた著者があったので、お目にかかる前にあらかじめ読ませていただきました。154冊の絵本を子どもたちのと思い出とともに語っていらっしゃる本で、様々なエピソードから安井先生が子どもに寄り添っていらっしゃる姿が伝わってきて、温かい気持ちになります。また、ところどころに、挿入されたコラムのも、共感できる部分が多く、読んでいて嬉しくなりました。

そんなコラムの中に「お昼の時間」というのがあります。保育園でのお昼ご飯の時間について書かれたものです。保育園で食べるお昼ご飯は給食と呼ばれ、みんなで楽しくいただきます。当園では子どもたちが自分の食べる量を申告して、自分で量を決めるセミバイキング方式を取り入れていますが、中にはなかなか食べられず、遅くなってしまう子がいます。そんな子に「頑張って食べようね!」と声をかけてしまうことがあります。それを聞くたびに「どうして食事をするのに頑張らなくてはならないのだろう」と思いますが、そういう自分も知らず知らずのうちに「頑張って食べたね」などと言ってしまっています。

安井先生のコラムにも、「がんばって食べてね」とか「がんばって食べられた」という会話が食事の時間にかわされているのは、たぶん保育園だけだろう。とあります。

食べたくないものを無理に食べさせられても「がんばったぞ」という満足感なんて絶対味わえないと思う。それなのについ「がんばって」と声をかけてしまう。それって結局時間内に食べおわってもらわないとこまる保育士の都合なんじゃないかなー

毎日の生活の中で、食事をする時間が子どもにとって苦痛だったり、保育園に行きたくない理由になるようなことはしたくない。何でもすききらいなく、時間内にぜんぶ食べられる子を理想として、そうじゃない子を「がんばれ、がんばれ」とはげましてしまい、それがこどもたちのためだ、という思いこみもしたくないなぁ。

とあります。

ほんとにそうだと思います。どうして無理矢理食べさせてしまったり、がんばれといってしまうのでしょうか。そのことで、子どもたちの何が育てたいのでしょうか。そもそも何のために、がんばって食べさせるのでしょうか?

基本にかえって考える必要がありそうです。

*本文で紹介した書籍『子どもが教えてくれました ほんとうの本のおもしろさ』安井素子著 偕成社刊

自立

2012/12/02

保育者は「この人がいてくれるから大丈夫!」子どもがそう思える、そんな安心感をもつことができる存在でいたいものです。子どもはある程度関係ができれば、保育者を全面的に信頼してくれます。ですから、保育者は子どもを丸ごと信じることができなければ、こどもの信頼に応えていないことになると思います。ここには相互に信頼し信じ合う関係ができます。この子は大丈夫と信じるからこそ、見守れるのです。信じられ、見守ってもらうからこそ、子どもはこの関係を起点として、どんどん外界に働きかけたり、子ども同士の関係を発展させて行けるのです。

ところが、いちいち大人が指示をしてやらせていては、いつも大人にお伺いを立てないと動けない子になってしまいます。そんな子を育てたいでしょうか?当園ではそうは考えていません。当園の目指す子ども像に「自分で考え自分で決め、自ら行動する」というのがあります。子どもが自立し、自分に自信を持って、他の人とのより良い関係を築いて行く力をつけて欲しいと思っています。

子どもが自立できるようにするためには、どうすれば良いのか?ということを常に基準ににして考えれば、子どもを丸ごと信じて見守るということが最適だと思います。

いろんなことをいっぱい教え、たくさんお世話をしてあげて、大人の指示通りに子どもを動かすことができる。それが良い保育者だと思っていると、それは保育者が子どもに依存していることになりかねないのではないでしょうか。子どもも大人も互いに依存し合うことにはなりたくないですね。

当園の保育士たちは、「子どもたちが自分で考え自分で決め自ら行動できるようになるには?」を考えて保育そしてくれています。

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