2015年 10月

運動会 9

2015/10/11

年長児は入場のパフォーマンスを『魔法使いサリー』の曲に乗って披露してくれました。魔法使いサリーと言えば、子どもの頃にアニメを見ていたのを思い出しますし、主題歌も耳に残っています。でも、今回年長児たちがパフォーマンスに使っていた曲は、アンジュルムというアイドルグループの歌っている『魔法使いサリー』でした。なぜこの曲なのかというのは、長いストーリーがあるので改めて紹介しようと思いますが、年長児の中で「魔女」がブームになっているのです。

この年長児たちのダンスの大まかな振り付けは保育士の先生が考えたそうですが、ディテールは子どもたちが相談して形作っていったようです。「ここはこうした方がいいね、「肩にタッチしたのを合図に交替しよう」などとみんなでどんどん意見を出し合って決めていったようです。結構動きが複雑なうえに、いつも全員が一斉に同じ動きをするのではなく、グループ毎に違う動きをしたり、1人ずつ動いたり、少しずつ時間差で動いたりするので、全体のことを知りつつ、今自分はどう動いたら良いのかを知っておかなくてはなりません。

ずいぶん練習したのだろうと思います。でも、保育士の先生に聞いたら、練習を嫌がる子はいなかったそうです。それよりも、ダンスがしたくてしたくてしょうがない子が多かったと聞きました。それは、先生が全ての振りを考え、子どもたちがそれに従い覚え込むのではなく、自分たちで話し合って振り付けを考えたからだと思いました。やはり、誰かにやらされるよりも、自分からやろう!と思って取り組む事の方が、ずっとやる気が出ます。ですから、少しでも子どもたちが自分たちが行う事には自分たちで考えること、自分で考え、自分で決め、自らやりたいと思って取り組む事が大切なのだと思います。

運動会 8

2015/10/10

今の子どもの姿、興味関心から出発して、どのような環境を構成すれば、子どもたちの興味関心が深まるのか広がるのか考え、試行錯誤しながら環境を構成してゆくのが保育者の仕事だと思います。言い換えれば、先生が前に出て主役になって一斉画一的に教え込むのではなく、主役はあくまでも子どもです。保育者は主役である子どもたちの今をしっかりとらえて、ひとりひとりが、いかに深く環境と関われるのか知恵を絞るのです。もちろん環境を構成するにあたっては、保育者の意図もあります。こんな力をつけて欲しい、こんな経験をして欲しい。今だからこそみんなで協力し合う遊びが発展して欲しい。などなど先生方の意図があってしかるべきなのです。

例えば、夏前からは運動遊びがたくさんできるような環境がたくさん用意されて、子どもたちが、いつもよりも運動遊びに取り組みやすくなります。そこで、興味を持ちやってみたい!出来るようになりたい!と意欲をかきたてられて挑戦することで、とび箱が跳べるようになった。登り棒が登れるようになった。といった達成感や満足感を味わうことができます。そんな歓びが運動会で発揮されるのです。

さて、園庭で木の枝を振り回すことで、戦いごっこばかりしていた子どもたちですが、先生が枝を他のことに使えないかと提案することで、戦いごっこが、打楽器遊びに発展しました。戦いごっこが一概にダメとは言いませんが、そればかりではなく、他の使い方を提案することで、子どもたちの遊びが新たな展開を見せます。もしかしたら、気持ちも戦いの「対立」から共に音を楽しむ「協力」「協調」へと変わるかもしれません。「棒は戦うためだけにあるのではないよ。こんな遊びも楽しいよ。」と子どもたちに知って欲しいという保育者の意図の表れだと思います。

そんな活動の中から、ペットボトルをたたいて踊ることを運動会で披露しようと、子どもたちと話し合って決めたそうです。

運動会 7

2015/10/09

子どもたちの発達のステップのひとつであること、子どもたちの発達を保護者の皆様に理解していただくことを目的として行っている運動会。そのなかで子どもの普段の姿や、今興味を持っていることを知っていただければと考えています。

園庭に出ると、落ちている木の枝を持って戦いごっこが始まってしまい、そこから喧嘩になってしまうことが多いのを見た先生が、木の枝を使って他のことができないものかと子どもたちに相談したそうです。そうしたら、いろいろな意見が出たようですが、その中に「太鼓をたたく。」というのがあったので、木の枝でいろいろなものを叩いて音を出してみることしたようです。何をたたくかによって音が違ったり、たたく強さによって音の大きさがかわることに、子どもたちが注意を払うことが出来るようなことばがけも先生は忘れません。そうやって、物と物がぶつかることで音が出る。ということを子どもたちが経験し、「なぜだろう?」と思ったり、「これをたたいたらどうなるだろう?」と試してみることが、大切だと思います。

子どもたちが木の枝で何かをたたくことによっていろいろな音が出る経験を通して「音」に興味を持ち、遊びの中で存分に体験してゆく。そんな子どもの姿から先生たちは、子どもたちの「音」経験を深めるために、次はどんな環境を用意すると良いのだろう?と考えます。子どもの興味は、音が出るのはたたいたときだけか?こすったときはどうか?ということに広がるかもしれませんし、音の大きさや高低かもしれません。みんなでいろいろなものをたたいたときのリズムかもしれません。

今、子どもたちが持っている興味関心を深め広げ発展させるためには、どのような環境を用意したら良いのか、先生たちは考え、アイデアを出しながら、環境を用意してみます。子どもたちの興味をひくこともあれば、全く興味を示さないこともあります。そこはトライアンドエラーです。そうやって、今の子どもから考えて、どんな環境を用意すれば子どもたちの遊びを広げ深められるのかを考えるからこそ、子どもたちの学びが広がり深まるのです。

乳幼児が学びや発達には、大人の都合や思い込みによって、一斉画一的に何かを教え込む事や、やらせることではなく、子どもの興味関心に沿って遊びが広がり深まり発展してゆくように環境を構成してゆくことが大切です。

保育所保育指針には、子どもの発達について次のように書かれています。

子どもは、様々な環境との相互作用により発達していく。すなわち、子どもの発達は、子どもがそれまでの体験を基にして、環境に働きかけ、環境との相互作用を通して、豊かな心情、意欲及び態度を身に付け、新たな能力を獲得していく過程である。(保育所保育指針 第2章 子どもの発達)

子どもたちが自ら働きかけ相互作用をしたくなるような環境を整えたいですね。

運動会 6

2015/10/08

すばらしい秋晴れに恵まれた運動会当日、職員みんなで、7時過ぎに鞍馬小学校へ行って準備を始めました。寒いといってもいいくらいの気温です。前日から立てて置いたテントには夜露がいっぱいです。会議用の机を列べて、きれいに拭きましたが、なかなか乾きません。というよりも、どんどん結露していきます。テントからは雨だれのように水滴がポツポツと落ちてきます。朝露が校庭を潤して、朝日が届き始める頃には準備はすっかり整いました。

園児たちも保護者の皆様もそろって、鞍馬小学校の校長先生はもちろん来賓の皆様もお越しくださり、いよいよ開会です。当園では、例年運動会の開会式には乳児(0・1・2歳児)クラスから順にクラス毎に入場します。乳児(0・1・2歳児)クラスはみんなで音楽に合わせて体操をしながら入場、いつもと違う雰囲気に泣き出したり、固まってしまう子もいますが、楽しそうに身体を動かす子もいて、それぞれの姿が見られます。3歳児以上はそれぞれクラス毎に考えたパフォーマンスをしながら、入場します。それは、子どもたちが園での普段の姿や、それぞれの発達を保護者の皆様にご覧いただき、知っていただくということを運動会の大きな目標としているからです。その中には今子どもたちの中でブームになっていることや、興味を持っていることも含まれています。もちろん子どもたちが運動会を経験する事で、より一層発達することが目的なのは言うまでもありません。

いつも、何かをするときには、「これって何のために行うの?」を自分自身に問いかけることを心掛けるようにしていますし、先生方にもよくたずねています。「運動会って何のためにやるんだろう?」今回もずいぶん口にしたことばでした。

0歳児から5歳児まで順に入場する子どもたちの様子をご覧になっていた来賓のお一人が「子どもたちの成長がよくわかりますね。」と仰ってくださり、園で意図していることがご覧いただいている皆様に伝わっていたので、うれしくなりました。

運動会 5

2015/10/07

初めて鞍馬小学校で行った運動会、協力してくださったのは、小学校の先生だけではありません。保護者の皆様もとても協力的で、様々な場面で、園のためみんなのために、それぞれにできることで、協力してくださいました。

駐車スペースが少ないので、できる限り公共交通機関でご来場くださるようにお願いしたところ、ご協力くださった方も多くいらっしゃいました。お父さんが車に家族を乗せて来場されて、家族だけ降ろして車を置きにご自宅に戻り、電車やバイクで来てくださる方もありました。そんなご協力のおかげで駐車場での混乱もなく、スムーズに駐車していただく事ができました。これも、そもそも土地の所有者の方が、駐車場に利用して良いと仰ってくださったからこそです。ありがとうございます。

また、当日の朝に準備することが多かったので、可能な方はお手伝いをお願いします。とお声がけさせていただいたら、7時半に出勤する職員と変わらない時間に会場にいらしていただいて、最初から準備を手伝ってくださった方もいらっしゃいましたし、8時過ぎには大勢の方が集まってくださり、小学校から借りる椅子を出したり、机を拭いたり、物を運んだりしてくださいました。

小学校の教頭先生も、土曜日なのに朝早くから出勤してくださって、私たちの準備を手伝ってくださるので、恐縮してしまいました。

そうやって、皆様のお力でずいぶん早く、準備をする事ができました。お陰様で、余裕を持って開会時間を迎えることが出来ました。

保護者の皆様に感謝せずにはいられません。ありがとうございました。

運動会 4

2015/10/06

運動会を鞍馬小学校の校庭をお借りして行う事になり、初めて練習に行こうと予定していた日は、あいにくの雨でした。そこで、小学校に無理をお願いして、2回目の予定を調整させていただきました。園児達にできるだけ実際の場所で練習させてあげたいと思うのですが、園児達が校庭を占領してしまって、小学生の活動に支障があっては、小学生達に申し訳ありません。

2回目の練習を予定していた日はどうにか晴れたので、2・3・4・5歳児は叡山電車で小学校へ。その前に担当の先生方は学校に行って準備です。私も次の予定が迫っていましたが、少しでも手伝えればと思って、小学校へ行きました。

校庭にラインを引くなどしていて、気づいたのですが、私たちが使わせていただく部分は落ち葉がなく、ブラシをかけた後がありました。小学校の先生が、私たちが使う前に校庭を掃除してブラシ掛けまでしてくださっていたのです。なんてありがたいことなんでしょう。授業や休み時間を調整していただいて、校庭を使わせていただくだけでもありがたいことなのに、掃除やブラシ掛けまでしてくださって、恐縮してしまいました。

その日の練習を終え、園に戻ってふり返りをして、保育士の先生達は、もう一度小学校に行って、子どもたちに広さや距離感をつかんで欲しいと思ったようです。無理は承知で小学校にお願いして、日程を調整していただき、もう一度練習にお借りすることになりました。今回は短い時間なので、小学生達が休み時間に校庭で遊ぶのを邪魔しなくてすみそうです。それでも、授業の予定を調整してくださったかもしれません。ありがたいことです。

その日も、早めに準備に行ったら、校庭をお掃除してくださっていたようです。前々日に激しい風雨があったので、落ち葉がたくさんあったのかもしれません。小学校の先生方はただでさえお忙しいのに、たくさん落ちた落ち葉を掃き集めたり、ブラシ掛けをしてくださったのですね。

お心づかいをいただいていることが、ただただうれしく、思いました。鞍馬小学校の先生方、ありがとうございました。

運動会 3

2015/10/05

運動会を鞍馬小学校で行うにあたって、会場や準備物については、よく考えて一つずつ決めてゆけば、何とかなるのですが、主役の子どもたちの動きについては、少し難しいのです。

こどもたちが、いろいろなことを練習するのは、保育室か園庭しかありません。去年までは、運動会を行う場所を使って練習をしていたので、子どもたちも広さや距離感なども自然とわかっていたのですが、今年は狭い室内での練習がほとんどだったので、他のことはできても、実際の距離感や広さを感じることがむずかしかったのです。

それを感じたのは、初めて鞍馬小学校に練習に行ったときでした。並んでも会場を大きく使う事をせずに、いつもの保育室程度にしか広がれないなど、戸惑う子どもの姿がありました。先生たちは、できるだけ本番と同じ広さで練習した方が良いと思ったといいます。そこで、園庭で同じくらいの広さを確保できないものか、工夫したようです。園庭をいっぱいに使ってラインを引き、子どもたちが実際の広さを感じられるようにしていました。

子どもたちが、戸惑うことなく思う存分自分たちの力を発揮できるように!そのためには努力は惜しまない姿勢をうれしく思いました。

運動会 2

2015/10/04

手探り状態で始めた今年の運動会、担当の先生方が、着実に形にして言ってくれるので、とても頼もしく助かりました。

鞍馬小学校の校庭に登り棒を立てるにはどうすれば良いか?
難問かと思いましたが、担当の先生は簡単に解決してくれました。校庭にはテニスコートのネットを張る事ができるようになっています。ネットの支柱を立てる穴を利用して、登り棒を立てると良いという考えにたどり着いたようです。そうしてテニスコートのネットの支柱の穴を利用して登り棒を立てることが決まり、それを基準にトラックをレイアウトしてくれました。

レイアウトにあたっての条件は、できる限り例年通りの形を踏襲するということでした。広さや配置が極端に変わると、子どもも、大人も迷ってしまうのではないかという配慮からです。広い校庭を少し狭く使うので、もったいないような気もしますが、初めてのことが多すぎると、みんな戸惑ってしまって良くないという考えから、そのようにしました。

そうやって、レイアウトが決まったら、基本的に必要な物品は何か、その中で小学校から借りることができるもの、園から持って行くものを考えます。大きなテントや、保護者席の椅子、来賓席の机など、かさばるもの数が多いものはできるだけ学校のものを借りることにしました。

そんな形で着実に準備が進みました。

運動会 1

2015/10/03

今年も運動会の季節がやってきました。といっても、当園にしては遅い運動会です。例年なら9月中に運動会を終えているのですが、今年はいろいろな事情で、開催が遅れてしまいました。

例年と異なったのは、時期だけではありません。運動会を行う会場も例年とは違いました。いつも使わせていただいている場所が、今年は使えなくなったので、鞍馬小学校の校庭を使わせていただいたのです。しかし、私たちにとっては初めての試みなので、戸惑うことばかりです。校庭をどのように使うと良いのか、様々な準備はどのようにすれば良いのか、子どもたちの練習はどうすれば良いのか、数えあげたらきりがありません。まさに手探り状態で進めました。

そんな状況でも、職員のみんなは、担当の先生方を中心に、ひとつひとつ丁寧に問題や疑問を解決して、形にしていってくれました。解決しないといけない問題はたくさんありますが、考えたり工夫したり、知恵を出し合ったりしながら、一歩一歩進んで行けば良いのです。実際に先生たちは、校庭をどう使うかのレイアウト、登り棒を立てるにはどうすれば良いか。小学校にお願いして借りるもの、園から持って行くものの仕分け、そして、小学校との相談など、たくさんしなくてはならないことを一つずつ、着実に行ってくれました。

ただ、一番の問題は、子どもたちが実際に運動会を行う会場で練習する機会が極端に少なくなるということでした。叡山電車で一駅とはいえ、そう頻繁に小学校に練習しに行くわけにもいきません。なによりも、授業など小学生の活動の妨げになるわけにはいきません。

考えないといけないことは山積みです。

思い切る

2015/10/02

華道のお稽古をしていて、いつも思うことがあります。それは、「思いきり!」です。この花をだいたいこの位置に活けたいなと思って、長すぎる茎を切って適当な長さにしますが、このあたりだろうと見当をつけて、ハサミを入れて活けてみると、まだ長くてもう少し切ります。活けてみると、まだ長くてまた切る。ということを繰り返してしまうことがよくあります。最初から最適な長さが見極められると良いのですが、ついつい控えめに切ってしまいます。

一度で切る長さを決めれば、切り落とす部分も、「途中切り」として再利用できることがあるのに、ついつい使う部分を長めに切ってしまうのは、「切りすぎて短くなりすぎたらどうしよう・・・」という戸惑いがあるからだと思います。

先生は「思い切って、ここと思ったところにハサミを入れなさい。」とおっしゃいますが、ついつい、長めになってしまいます。そんなことを何度も繰り返していたら、「ここと思ったところに思い切ってハサミを入れれば、いいの、もし短すぎたら、その時はその時で考えれば良いんだから!」とアドバイスをいただきました。

まさにその通りだと思います。一度決めたら、すぐにそのようにやってみる。もしそれがダメだったら、そこから次の方法を考える。そうしないで、いつまでも躊躇していると、無駄が発生したり、迷うことによって、使えるものも使えなくなったりしてしまいます。
失敗を恐れず、思い切って実行する。やってみて、ちょっと違ったなと思ったら、またそこから考えて、新たな方法を探る。そうしていかないと前には進めませんし、いつも迷ってばかりになってしまいます。そうならないよう、思い切って、決める!が出来るといいな!そう思います。

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