2015年 10月

草木染め教室 4

2015/10/21

紙漉きで、もうひとつ忘れてはならないのが、自然の草花を模様に使うことです。花そのものや花びら、葉っぱや茎を漉き込むこともできます。子どもたちは、近くに咲いている花や、葉っぱなどを摘んできては、流したばかりの紙の上に列べて、模様を作っていました。

自然の草花の色が秋の日の光に照らされて、輝くような美しさを見せています。白い原料の上に列べられた、色とりどりの花びらや葉っぱは、あざやかさが引き立ちます。もちろん、着色した紙をあしらうのもステキですし、白を使わないという選択肢もあるでしょう。

身近な自然の色の美しさ!それを何とかして生活に取り入れたい!そんな願いから染めは生まれたのかもしれません。子どもたちが摘んできた草花の美しさを見ていたら、そんなことを思いました。

思わずとっておきたくなるような美しい色合いの草花を用いて、思い思いの模様を描く子どもたちの姿もとても美しく感じました。

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草木染め教室 3

2015/10/20

子どもの頃、よく見かけた草が茜で、その根を使うと、赤く染められるなんて、全然知りませんでした。体験と知識がつながると、体験の意味が広がり深まります。ですから、子どもたちが興味を持ったものやことを、より深く広くいろいろな体験できるような環境を用意する。必要なことは伝える、導くなどして、子どもが自分の興味をさらに広げてゆくようなことを考えると良いのでしょうね。

もうひとつ知らないことがありました。二ノ瀬は「茜の里」と言われるくらい茜がたくさんあるそうです。身近なことなのに知らないことがいっぱいです。

青、赤、黄色に染めた紙の原料と、染めていない白いままの原料をそれぞれ水に溶いたものが大きな桶に入れてありました。今回の紙漉は、これを柄杓ですくって枠をつけた金網の上に流すだけです。これなら、園児にもできそうだなと思いました。

小学生たちは、ひとり一つずつ枠付きの金網を貸してもらって、早速チャレンジしていました。まずは、ベースとなる紙を作るのに、全体に薄く原料を伸ばします。もちろんここで、赤、青、黄色に染められた原料を使ってもかまいません。色で模様をつけたり、少し色の調子を変えたいといったときには、色のついた材料を使うといいのでしょう。

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草木染め教室 2

2015/10/19

草木染め教室で、紙漉を体験した鞍馬小学校の子どもたちは、紙は何からできているのか。植物をどのように加工すると紙の原材料になるのかについて学びました。

そうやってできた原材料を使って紙を漉くのですが、それでは白い紙ができあがるだけです。草木染め教室ですから、染めの要素、色を加えることはないのかなと思っていると、ちゃんと用意されていて、先生は、赤、青、黄色に色づけされた紙の原料を見せてくださいました。

木の皮を加工して作った白い原材料に色をつけるにはどうすれば良いか。というのが先生の次の質問です。「絵の具」と答えていた子どももいましたが、昨年草木染めを体験した子どもたちは、どんな草木を使えば、赤、青、黄色に染まるのかを知っているはずです。恥ずかしいのか忘れてしまったのか、積極的に答える子は多くありませんでした。先生が説明してくださったのは、野の草を使うと黄色に染まること。青には藍を、赤には茜を使うということです。染織家の方が育てていらっしゃる藍を子どもたちに見せながら話してくださいました。低学年は小さなピンク色の花をつけたただの草なのにどうしてこの草を使って青色をだすのだろう?といわんばかりの不思議そうな顔をしていました。以前は、よく藍の生葉を使って、園児たちと藍染めをしていたのを思い出しました。かなり手間がかかりますが、とても楽し買ったのを思い出し、またやってみたくなりました。

藍については少し知っていたのですが、茜のことはほとんど知りませんでした。昨年この草木染め教室で、赤は茜の音を使って染めるということは聞いていましたが、茜がどんな植物で、根はどんな形なのかはよくわかっていませんでした。先生は、茜を1本子どもたちに見せてくださいました。「茜の特徴はどこだと思う?」先生の質問に、子どもたちは、「茎が四角い!」と答えていました。

あとで見せてもらうと、なるほど四角い茎をしています。茎には少しトゲのような物が付いていて、よく手に引っかかります。このトゲを他の植物に引っかけて蔓のように茎を伸ばしてゆくのだそうです。
子どもの頃山の中を走り回っていたら、よく見たような気がします。「あー!これが茜だったのか!」そう思うと同時に、知らないって怖いというか、残念というか、逆に言うと、知るって楽しいなと思います。

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草木染め教室 1

2015/10/18

たくさんの方がとても楽しそうにそれぞれの時間を過ごしていらした二ノ瀬町 草木染めまつりですが、毎年、鞍馬小学校の児童を対象に、スペシャルメニューがあります。昨年は、叩き染めを体験し、それぞれハンカチを染めましたし、大きな布をみんなで染め上げる共同製作にも取り組んでいました。藍の生葉はもちろん、いろいろな草花を摘んできては、石板の上でたたいて染めていました。今年のスペシャルメニューは紙漉体験です。紙漉と聞いて、よく目にするような漉槽に入った原料を漉桁ですくい、ゆらして作るような方法で作るのかと思っていましたが、実際はちがいました。

子どもたちに指導してくださる講師の先生は、三千院や寂光院で有名な大原にある、大原工房の方でした。大原工房では、綿を育て、紡ぎ、草木で染め、織るを実践していらして、そういった体験ができます。そういえば、長男が小学1年生の時、国語の教科書に「たぬきの糸車」というおはなしがあり、糸を紡ぐとはどういうことなのか体験してみようと、小学校の先生が子どもたちをこの大原工房に連れて行ってくださったことがあったのを思い出しました。

講師の先生のお話しは、まず子どもたちに「紙は何からできていると思う」という質問から始まりました。子どもたちは草だとか木だとかいろいろと答えます。紙を作るのによく使われるのは楮(こうぞ)、三椏(みつまた)、雁皮(がんぴ)といった植物なのだそうです。山に入って探せば見つかるとおっしゃっていました。先生から子どもたちへの次の質問は、紙を作るには、木のどの部分を使うか、その部分をどう加工すると紙の原料になるのかです。子どもたちは考えて答えを出します。最初から全部説明してしまうのではなく、質問をする形で子どもたちに考えるチャンスを作ってくださるのが、良いと思いました。植物の皮の部分を、蒸す煮るなどしてから水にさらして白くする。たたいて繊維をほぐすといった工程を経て、紙の原材料ができることを子どもたちは学びました。

二ノ瀬 草木染めまつり

2015/10/17

二ノ瀬地区の皆様を中心に開催していらっしゃる「鞍馬二ノ瀬町 草木染めまつり」というイベントの一環で行われています。今年で4回目を数える草木染めまつりは、地域の染色家の方を中心にして、一般の方々に草木染めの楽しさを味わっていただこうという企画で、藍や杉の葉、玉ねぎの皮、茜などを使った染物を体験するというものです。

一般の参加者の方々は、スカーフやハンカチなど、染める布地を購入して、思い思いの染め方で染めていらっしゃいました。藍の生葉を布にのせ、軽くたたいて模様をつけてから染める叩き染めも楽しそうですし、杉の葉で染めて、媒染剤に鉄を使うと美しく深みのあるグレーに仕上がるのが意外でした。布を輪ゴムや糸などで縛って模様をつける絞り染めを、思い思いの染料を使って楽しむこともできます。絞り染めはいつも園で子どもたちと行っていますが、いろいろな染料を使っていろいろな方法で染めることがわかって、園で子どもたちとやってみたいなと思うこともたくさんありました。保育の材料はいろいろなところで見つけられます。山道を歩いていても、どこかに出かけたときでも、お茶を飲んでいても、どんなところにも、どんなときにもヒントはあります。

楽しめるのは、草木染めだけではありません。やきそば、焼いたサンマ、豚汁、コーヒー、手作りアイスクリームなどなど、いろいろな模擬店が出ていて、味の楽しみもあります。焼きそばも、サンマも、豚汁も、コーヒーもおいしかったのですが、手作りアイスクリームのイチジク味をいただいたら、ヨーグルトのような酸味とイチジクの甘みのバランスがとてもおいしくておどろきました。

会場となった二ノ瀬のお堂前広場には大勢の方が来場され、秋晴れの清々しお天気のもと、やわらかな日差しを浴びながら、自然からの色の贈り物を満喫されていました。昨年も参加しましたが、年々来場される方が多くなり、とても盛況です。地域の皆様も模擬店の店員さんとして、イキイキと活躍されている姿がとても印象的でした。来場される方はもちろん、運営スタッフも楽しくイキイキとできる場になっていることが感じられ、ステキだなと思いました。

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運動会 14

2015/10/16

子どもたちの興味関心に気づき、その興味関心から、様々なものごとに深く関わろうとする子どもたちの意欲を高め、自ら行動を起こせるように環境を整える。保育者がそのことをしっかりと意識して環境を整える事に力を注げば、子どもたちは自らいろいろなことに挑戦してゆきますし、繰り返し挑戦する努力も惜しみません。運動会前の子どもたちは、まさにそうでした。ダンス、とびばこ、鉄棒、のぼり棒・・・どんなことにも意欲的に取り組む子どもたちの姿がありました。自ら「やってみたい!」という意欲をもって自ら取り組む子どもたちのエネルギーには驚かされますし、自ら「やってみたい!」と思って取り組んでいる子どもたちの姿は、すばらしく、崇高ささえ感じます。

そんなプロセスを経て迎えた運動会、年長児たちが1人ずつ自分のやりたいことを選んで行うプログラムでは、それぞれにステキな姿を見せてくれました。それぞれの目標としてきたことに向かって、十分に努力を重ねてきた子どもたちの姿は本当にステキです。3段のとびばこをようやく飛び越せた子も、6段を軽々と跳び越す子も、それができたときの子どもたちの満足げな表情はもっとステキです。2mを超えるのぼり棒に登って、得意げにポールダンスを思わせるポーズをとる子どもにははらはらさせられましたが・・・

先生たちが子どもが興味関心を持てるように環境を構成し、それを広げ深め、子どもたちが意欲を持って自ら取り組む事ができるよう子どもに寄り添い、子どもを丸ごと信じて見守ってくれたことで、子どもたちが力を発揮できたのだと思います。

運動会が無事に行えたのは、子どもたちの力ですし、それが発揮できるようにしてくれた先生方の力でもあります。しかし、それが可能だったのは、保護者の皆様が全力で支えてくださったからこそです。準備や片付けといった直接的なお手伝いはもちろん、普段から、園の考えに共感して、子どもを信じて見守るを自ら実践してくださっているからです。そして、今年は鞍馬小学校の校庭を使わせていただくという初めての取り組みににも関わらず、スムーズに進めることができたのは鞍馬小学校の先生方のお力添えがあったからこそです。多くの皆様に支えられたからこそ、運動会を開催することができたのです。心から感謝感謝です。ありがとうございました。

運動会 13

2015/10/15

子どもたちがやりたいことが思う存分できるようにするにはどうすれば良いのか、知恵を絞り、考えを巡らせ、子どもたちの「やりたい!」を応援することが大切です。

その前に子どもたちの興味を促し、「やってみたい!」と思えるような環境を用意したり、子どもたちが取り組みたくなるようなことばがけが必要です。いろいろな物や事に子どもたちが興味を持てるよう、子どもたちと環境をつなぐことが必要です。もちろん、思わず遊びたくなるような環境を用意することは当然のことですが、ただ、あるだけでは子どもと環境の相互作用が生まれにくいこともあります。

当園は自然豊かな恵まれた環境にありますし、様々な自然に子どもが興味を持つチャンスはたくさんあります。ところが、自然環境が豊かなだけでは、関わるチャンスが多いだけで、すぐにそれが子どもの学びにつながるかといえば、そうではありません。もちろん好奇心旺盛な子どもたちは、様々なことを見つけ興味を持ち関わろうとします。そういうチャンスを見逃さず、そこから子どもの興味関心を広げたり、より深く関わるためにはどうすれば良いのかと考えを巡らせる努力が保育者には必要です。また、移り変わってゆく自然の美しさや、いのちの営みの不思議さなど、何気なく過ごしていると気づかない様々な事象に、子どもたちの興味関心を結びつけることを保育者がしないと、豊かな自然環境が子どもたちの発達や学びには繋がりにくいと思うのです。たとえ自然環境がそれほど豊かではない都会の園でも、保育者が意識して、子どもたちが自然に接することができる環境を整え、子どもたちが興味が持てるようにすれば、子どもたちは深く自然と関わる事ができるのです。
普段、身のまわりにあるものはついついあたりまえになりがちですが、その中にある美しさや不思議さを見つける感性を養い、先ず保育者自身が美しいと感動したり、なぜだろうと不思議がったりすることが大切なのだと思います。

子どもたちの興味関心を広げ深める。もちろんそれは自然との関わりだけに限ったことではありません。生活の全てにおいて常にそのことを心に留めておく必要があります。とびばこ、鉄棒、のぼり棒といった運動に関することもそうです。いかに子どもたちの興味関心を高め、やってみよう!できるようになりたい!という意欲を喚起し、行動に結びつけるか!先生たちは職域に関わらず、常にそのことを意識しています。

運動会 12

2015/10/14

運動会では子どもたちの一所懸命な顔、うれしそうな顔、真剣な顔、時には緊張したり、ちょっと不安げな顔もありましたが、それぞれに運動会を楽しんでいたと思います。
毎年、年長児が鉄棒、とびばこ、のぼり棒の中から2種類を選んで挑戦するというプログラムがあります。年長児たちは「出来るようになりたい!がんばる!」という思いを持って、普段の保育の中で一所懸命に取り組んできたことを「お父さんやお母さんに見てもらう!」「みんなに見てもらう!」という思いをもって披露してくれます。出番を待つ子どもたちは緊張感と意欲が入り交じった複雑な表情をしていますが、ひとりずつ自分の決めた目標に向かってチャレンジする姿は、とても凛々しく、大きく見えます。

みんなが同じように同じことをするのではなく、自分で目標を持って取り組むことが大切だと思います。おなじとびばこでも3段をとぶ子、6段をとぶ子それぞれです。3段をとべるようになりたいと思って練習しているうちに、4段5段ととべるようになることもあります。結果は違っても、決めた目標に向かって努力することは同じです。子どもたちは自分で決めた目標ですから、自らやり遂げようと努力します。運動会前に何度も何度も練習している姿を目にしました。みんなとても意欲的にとりくんでいましたし、「今日はとびばこやらないの?」「やろうよ!」と先生に催促していることもありました。

そんなときに子どもの「やりたい!」ができるようにしてあげることが大切です。子どもたちの「やりたい!」をできるだけかなえてあげる。どうすれば、様々な制約を乗り越えて、それをかなえてあげることができるのかを考えてゆきたいと思います。

運動会 11

2015/10/13

運動会で見せてくれた子どもたちのイキイキした表情の背景にあるそれぞれの物語や、運動会に至までのプロセスに思いを馳せていただきたい。そんな気持ちを一番強く持っているのは、日々子どもたちと関わっている先生方です。

運動会の会場で、それぞれの子どもたちの物語を伝える事はとうていできません。ですから、先生方は日々保護者と話す中で、子どもたちの姿をできるだけ伝えようとしています。それは子どもたちそれぞれの表情や態度から心の動きを想像し、ほめたり、励ましたり、時には厳しいことばをかけたり、できる限り子どもたちに寄り添うことで見えてくる子どもたちの姿に感動し、子どもたちの思いの深さや、素直さ、偉大さに心を動かされ、ひとりひとりを尊敬しているからです。まさに、子どもたちひとりひとりを一人の人格としてとらえているのです。「○○ちゃんってすごいんですよ!」先生たちからよく聞くことばですが、そんな気持ちの表れなのだと思います。

一見、些細なことのように見えても、その奥にある子どもたちの気持ち、そこに至るプロセスを知っているからこそ、心を動かされるのです。そんなステキな子どもたちの様子を見たら、うれしくて、うれしくて、そのことを誰かに伝えたくなりますし、その歓びを保護者と共有したいと思うのは当然です。

それでも、全てを伝えきれるものではないのですが、先生方が心から感動し、伝えたい!と思って伝えていることなので、保護者の皆様も共感してくださることが多いのではないかと思っています。

子どもたちひとりひとりに寄り添うことで見えてくる、子どもたちの思いの深さ、素直さ、偉大さ、崇高さに感動し、尊敬できるってすばらしいと思います。

運動会 10

2015/10/12

運動会も開会式が終わって、子どもたちは様々なプログラムに取り組んでゆきました。乳児さんのなかには、慣れない場所で不安そうな姿もありましたが、2歳児以上は、みんなイキイキとしていて、楽しい感じが伝わってきました。年齢が上がるほど、子どもたちのわくわく感がたくさん感じられました。もちろん、どの子も真剣です。

この、子どもたちの真剣さ、楽しそうにキラキラした表情。よし!がんばるぞ!という意欲。そういった子どもたちの姿こそ、保護者の皆様にご覧いただきたいのです。ついつい、出来る出来ない、早い遅いなどの結果をはじめ、目に見えることに注目してしまいがちですが、それだけではなくて、子どもたちのイキイキした表情や、意欲あふれる態度に注目していただくよう、開会式の挨拶で保護者の皆様におねがいしました。

子どもたちのイキイキとした表情やあふれる意欲、一所懸命に取り組む姿勢の背景には、日々の生活の中で経験する子どもたちの物語があります。
どんなことにもチャレンジしたい!やってみたい!挑戦しよう!と思い、実際に挑戦してみることで、いろいろなことが出来るようになってくる歓び。昨日まで軽々と飛び越えられていたとびばこが、一度の失敗から怖くなっててしまって、突然飛び越えられなくなるというショック、そしてそれを乗り越えようと努力してきたこと。仲間と力を合わせたり、みんなのために力を尽くす歓び。などなど、数え上げればキリがないくらいの笑いと涙、感動の物語が、ひとりひとりの子どもの中にあるあるのです。

保護者の皆様には、子どもたちのイキイキした表情の背景にあるそれぞれの物語や、今日に至るまでの様々なプロセスに、少しでも思いを馳せ、想像していただきたいと思うのです。

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