園長ブログ

運動会 7

2015/10/09

子どもたちの発達のステップのひとつであること、子どもたちの発達を保護者の皆様に理解していただくことを目的として行っている運動会。そのなかで子どもの普段の姿や、今興味を持っていることを知っていただければと考えています。

園庭に出ると、落ちている木の枝を持って戦いごっこが始まってしまい、そこから喧嘩になってしまうことが多いのを見た先生が、木の枝を使って他のことができないものかと子どもたちに相談したそうです。そうしたら、いろいろな意見が出たようですが、その中に「太鼓をたたく。」というのがあったので、木の枝でいろいろなものを叩いて音を出してみることしたようです。何をたたくかによって音が違ったり、たたく強さによって音の大きさがかわることに、子どもたちが注意を払うことが出来るようなことばがけも先生は忘れません。そうやって、物と物がぶつかることで音が出る。ということを子どもたちが経験し、「なぜだろう?」と思ったり、「これをたたいたらどうなるだろう?」と試してみることが、大切だと思います。

子どもたちが木の枝で何かをたたくことによっていろいろな音が出る経験を通して「音」に興味を持ち、遊びの中で存分に体験してゆく。そんな子どもの姿から先生たちは、子どもたちの「音」経験を深めるために、次はどんな環境を用意すると良いのだろう?と考えます。子どもの興味は、音が出るのはたたいたときだけか?こすったときはどうか?ということに広がるかもしれませんし、音の大きさや高低かもしれません。みんなでいろいろなものをたたいたときのリズムかもしれません。

今、子どもたちが持っている興味関心を深め広げ発展させるためには、どのような環境を用意したら良いのか、先生たちは考え、アイデアを出しながら、環境を用意してみます。子どもたちの興味をひくこともあれば、全く興味を示さないこともあります。そこはトライアンドエラーです。そうやって、今の子どもから考えて、どんな環境を用意すれば子どもたちの遊びを広げ深められるのかを考えるからこそ、子どもたちの学びが広がり深まるのです。

乳幼児が学びや発達には、大人の都合や思い込みによって、一斉画一的に何かを教え込む事や、やらせることではなく、子どもの興味関心に沿って遊びが広がり深まり発展してゆくように環境を構成してゆくことが大切です。

保育所保育指針には、子どもの発達について次のように書かれています。

子どもは、様々な環境との相互作用により発達していく。すなわち、子どもの発達は、子どもがそれまでの体験を基にして、環境に働きかけ、環境との相互作用を通して、豊かな心情、意欲及び態度を身に付け、新たな能力を獲得していく過程である。(保育所保育指針 第2章 子どもの発達)

子どもたちが自ら働きかけ相互作用をしたくなるような環境を整えたいですね。

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