園長ブログ

草木染め教室 1

2015/10/18

たくさんの方がとても楽しそうにそれぞれの時間を過ごしていらした二ノ瀬町 草木染めまつりですが、毎年、鞍馬小学校の児童を対象に、スペシャルメニューがあります。昨年は、叩き染めを体験し、それぞれハンカチを染めましたし、大きな布をみんなで染め上げる共同製作にも取り組んでいました。藍の生葉はもちろん、いろいろな草花を摘んできては、石板の上でたたいて染めていました。今年のスペシャルメニューは紙漉体験です。紙漉と聞いて、よく目にするような漉槽に入った原料を漉桁ですくい、ゆらして作るような方法で作るのかと思っていましたが、実際はちがいました。

子どもたちに指導してくださる講師の先生は、三千院や寂光院で有名な大原にある、大原工房の方でした。大原工房では、綿を育て、紡ぎ、草木で染め、織るを実践していらして、そういった体験ができます。そういえば、長男が小学1年生の時、国語の教科書に「たぬきの糸車」というおはなしがあり、糸を紡ぐとはどういうことなのか体験してみようと、小学校の先生が子どもたちをこの大原工房に連れて行ってくださったことがあったのを思い出しました。

講師の先生のお話しは、まず子どもたちに「紙は何からできていると思う」という質問から始まりました。子どもたちは草だとか木だとかいろいろと答えます。紙を作るのによく使われるのは楮(こうぞ)、三椏(みつまた)、雁皮(がんぴ)といった植物なのだそうです。山に入って探せば見つかるとおっしゃっていました。先生から子どもたちへの次の質問は、紙を作るには、木のどの部分を使うか、その部分をどう加工すると紙の原料になるのかです。子どもたちは考えて答えを出します。最初から全部説明してしまうのではなく、質問をする形で子どもたちに考えるチャンスを作ってくださるのが、良いと思いました。植物の皮の部分を、蒸す煮るなどしてから水にさらして白くする。たたいて繊維をほぐすといった工程を経て、紙の原材料ができることを子どもたちは学びました。

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