2012年 3月

卒園式を前にして

2012/03/21

今年の卒園式は3月21日です。それに先だち、子どもたちは練習をしていました。全園児が参加しての練習です。練習とはいえ、卒園児たちは緊張していたようです。

卒園児が園生活の思い出をことばにして伝える、「卒園のことば」というのがあり、みんなで声をそろえて言う部分と卒園児が一人ひとことずつ、自分が楽しかった思い出を言う部分があります。大人でもそうですが、話しをするのが得意な人と、そうではない人がいます。特に大勢の人の前ではそれが顕著になります。

普段は元気でしっかりしているのに、みんなの前ではことばが出なくなってしまう子もいます。「卒園のことば」でその子の順番が回ってきたのですが、どうしてもことばがでません。一旦ためらうと、最初の音を出すことさえできなくなってしまいます。そうすると沈黙が流れてますますことばがでにくくなるのです。「緊張を乗り越えて声を出して!」そう念じていましたが、壁は高いようです。こんな時は子どもどうしの力が解決の糸口だと思い、近くの友達が励ましたり、手伝うように促してみてと保育士に伝えようとしたら、別の保育士が、その場で緊張している子の両隣の子に、手を繋いで「せーの!」と声をかけてあげて!と促していました。両隣の子がそうしたら、それがきっかけで、声を出せなかった子はなんとか自分のことばを言うことができました。やはり子どもどうしの力はすごいものです。その場でとっさに声をかけた保育士の判断も良かったと思います。

みんなが力を合わせることで、困難を乗り越えられる。そんな経験をたくさんしてきたと思いますが、最後にも経験できました。困っている友達をみんなで支える。支えてくれる仲間がいる。そのことがうれしい。そのうれしさをたくさん持って卒園してくれることを願います。

やきいも 2

2012/03/20

 早く焼けないかなー!

5歳児の子どもたちとやきいもをするのに、虫眼鏡を使って太陽光を集めて着火しようとしたのですが、なかなか火がつきません。それでも根気よくやっていると焦げて穴のあいた部分が大きくなってきました。そこでフーフーと息を吹きかけてみると、ポッと炎が上がると同時に、子どもたちからも「ついた!」と歓声が上がります。その火種を他の紙に移して大きくし、薪にも火がつくようにします。すぐに安定して燃えるようになったので、子どもたちに薪を足してもらいました。

虫眼鏡で太陽光を集めていて気がついたのですが、紙の色によって煙が出始める時間が全く違うのです。黒っぽい色が熱を吸収しやすいことは知識として知っていますが、実際に黒い部分と白い部分で比べてみると差がわかります。

     おいしいね!

子どもたちには、サツマイモをアルミホイルで包む仕事をしてもらいました。非常勤の調理員さんが手伝ってくれたので、子どもたちもうまくできました。まずサツマイモを濡れた新聞紙でくるんでから、アルミホイルを巻き付けます。そうすることにより、焦げにくく蒸し焼き状態になるのです。非常勤の調理員さんは少し年配の方で子どもたちにとてもわかりやすいように丁寧に教えてくださっていました。決してやらせようとせず、子どもたちが自分で考えられるようにじっくりと待ちながら教えてくださっていました。

火の勢いも強くなってきて、ありったけの薪を入れるとさらに火力が上がります。

   あー!おいも落とした!

それまで、火に近づいては薪を投げ入れていた子どもたちも、だんだんと近寄れなくなります。

保育士の一人が『やきいも』という絵本を持ってきて読んでくれました。絵本が終わる頃には炎も小さくなってきて代わりに炭のようになった部分ができてきたので、いよいよサツマイモを火の中に入れます。下火になったとはいえ、近づくとかなり熱いので子どもたちはおっかなびっくり、サツマイモが入ったら上からおがくずをかぶせて、焼けるのを待ちました。そのあいだ子どもたちは思い思いに園庭で遊んでいます。

たき火にあたりながら非常勤の調理員さんと少し話をしました。いつも私の想いを理解して支えてくださる存在だったので、今月で退職されるのが残念です。早いもので11年になります。とても前向きな方で、当園に勤めだしてから自分で勉強して調理師の資格を取り、様々なボランティアもして、今はパソコンに挑戦中だそうです。
柔らかい日差しと、たき火の暖かさを感じながら子どもたちの遊ぶ姿を見ていると、ひととき忙しさを忘れてとても幸せな気分になることができました。

ボクにも少し分けて。いいよ。


30分ほどして、どうやら焼けたようなので、包んでいたアルミホイルを外してみました。中の新聞紙は焦げているところもあれば、乾いていないところもあります。焼けてるかなー?と思いながら新聞紙を外すときれいな色になったサツマイモが顔を出しました。割ってみるとちょうどいい具合に焼けていました。失敗しなくてやれやれです。
早速みんなでいただきました。とってもおいしく焼けています。他の職員にもお裾分けしておいしく頂きました。ごちそうさまでした。

やきいも 1

2012/03/19

当園では5歳児は秋からお昼寝をしなくなって、午後の保育があります。全ての保育士が交代で午後の保育を担当します。普段は乳児の担任で5歳児と関わる機会が少ない保育士は5歳児と過ごす時間を楽しみにしています。もちろん園長にもその機会は与えられます。園長が望めば何日でも与えられるのです。毎日だって午後保育できます。でも実際にはそれは無理です。そこで一日だけ午後の保育を担当させていただくことになりました。

何をしようかと考えましたが、ここ何年かは子どもたちとやきいもをしているので、今年もやきいもをすることにしました。私がなかなか時間がとれないこともあって卒園直前になってしまいました。日程が決まったら早速、保育士が子どもたちに知らせたようです。普段はおとなしい女の子が、私に話しかけてきました。「明日、楽しみ!」なぜと聞くと、「だって園長先生とやきいもするんやろ?」そんなに期待してくれているとは思ってなかったので、とてもうれしく思ったのと同時にうまく焼けなかったらどうしようと不安にもなりました。

さて、当日は少し肌寒かったのですが日差しも届き、寒すぎず暖かすぎず、やきいも日和になりました。やきいもといっても、薪を燃やしてアルミホイルで包んだサツマイモを焼くだけの簡単なことなので、何か楽しめないかと思い、火のつけ方を工夫してみました。ライターやマッチではなく虫眼鏡で太陽の光を集めて火をつけることにしました。

子どもたちにライターやマッチを使わずに火をつけるにはどうすればいいかな?と聞いてみると「木と木をこすり合わせる」「虫眼鏡で光を集める」と答えてくれました。実際に虫眼鏡を使って日光を集めてみると、意外と早く煙が出て紙に穴があきますが、なかなか炎が出るまでにはなりません。炎が出るまでと思って一生懸命になっていたら、「空が紙の上に!」と子どもの一人が言います。一瞬何のことかよくわかりませんでしたが、よく見ると太陽の光が集まって煙が立ち上っている周囲に空の雲が写っていました。光を集めるということは焦点を合わせるということなので、当然と言えば当然です。紙の上に凝縮された空がモノクロ写真のようで美しかったことと、子どもがそれに気付いてくれたことがうれしく思いました。

見えないつながり

2012/03/18

日本の希少淡水魚の現状を少し知って、無秩序放流、密放流など、人間の行動が原因となって起こっている問題が多い、というより、ほとんどが人間の行動に起因することに気付かされました。

釣りを楽しみたいために他の魚を食べる外来魚を放流してしまう。漁業目的でアユなどを他の地域に放流してしまう。善意ではあるけれども、産地のわからない魚を無秩序に放流してしまう。そういったことによって、起こっている問題がたくさんあるのです。この魚を今この水域に放流するとどうなるのか。それを知らずに、それを考えずに、考えようとせずに、そんな視点に気付くことなく、安易に放流してしまう。そんな私たち人間の無知が問題を引き起こしているのですね。しかし、人間がわかる範囲は限られているので、全てのことがわかるわけではありません。

全てのことには原因があり、様々な要因が作用して結果が生まれます。全てのものやことがお互いに直接的な原因や間接的な要因になり結果が生まれ、またそれが原因になるなど相互に関連しています。いいかえれば、見えないところでみんなつながっているのです。先に紹介した食べる、食べられる、食害などは比較的わかりやすいと思いますが、次のような例は何がどう関連するかわかりにくいと思います。展示から紹介します。

その問題は「競争」です。私たちの身の回りの自然は、同じ生息場所において「争い」が生じた場合、何十万年何百万年という長い年月をかけて、繁殖時期や餌、住む場所を変えることで問題を解決し共存してきました。しかし、無秩序な放流により、日本の水辺には思いもよらないやっかいな「競争」が数多く発生しています。生息場所や餌をめぐる競争、繁殖をめぐる競争などがあるそうですが、生き物の競争はどちらか一方が衰退するまで続くので、競争に敗れた方が絶滅してしまうこともあるというものです。

人間が環境に与える影響の大きさを認識しておく必要がありそうです。

パネルにはこんなことばが書かれていました。
「生態系を破壊しているのは私たちではなく、勝手に私たちを連れてきた人間じゃないの?」オオクチバスやブルーギルはそう嘆いているかもしれません。
「私たちに競争を押し付けているのは誰」そんな声がメダカやタナゴから聞こえてきそうです。

全てはわからなくても、みんなが繋がっていることを念頭に、同じ地球に生きる仲間のことを誠意をもって考える姿勢は必要なのだと思います。

知らない世界

2012/03/17

何気なく、もしくは悪意ではなく善意ででも魚を放流することが与える影響の大きさを知り、考えさせられました。琵琶湖博物館の企画展「明日へつなぐ日本の自然-よみがえれ、日本の希少淡水魚-」の話しです。希少淡水魚を通じて、自然環境保全の重要性について考える機会を提供する展示です。

「喰い荒らされる日本の財産」というタイトルで訴えられていたのは、外来魚が引き起こす食害の問題です。オオクチバス(ブラックバス)やブルーギルなど魚食性の強い外来魚の放流が、昔からそこで生息していた日本固有の在来魚を食べてしまうために、在来魚が減少絶滅の危機に瀕している問題です。この問題は、ある意味わかりやすく、報道でも取り上げられることが多いので知っていました。

しかし、在来魚が減ってきている理由は食害によるものだけではないそうです。遺伝子の攪乱が引き起こす問題も深刻です。つまり、近縁種による交雑で雑種に置き換わったり、昨日のブログで紹介した同じ種類でも違う地域の魚が入ってくることで起こる遺伝子の攪乱が問題になっています。パネル展示で取り上げられていたのは、滋賀県米原市の地蔵川に住むハリヨの例です。ハリヨの鱗は通常5枚〜10枚ですが、地蔵川に住むハリヨには2008年頃から同じトゲウオの仲間のイトヨと同じ20枚〜30枚の鱗を持つ個体がみつかるようになり、遺伝子を調べてみるとほぼ全ての個体がイトヨと交雑をして雑種化が進んでいたのです。これにより、地蔵川のハリヨはほぼ全滅状態にあると考えられています。幸い別の支流で純粋なハリヨが生息していることがわかり絶滅は免れました。
本来北日本などに生息するイトヨが滋賀県で見つかったこの例は、同じ国内の淡水魚でも異なる別の地域に入ることで、そこにいる貴重な生物を滅ぼしてしまう危険性があることを私たちに教えてくれています。という内容でした。

変化は常に起こっているので、変わってゆくことはしょうがないことですが、その原因が人間の無知や不注意によるのだとしたら・・・それも一つの姿なのでしょうか?どうなのでしょう?考えさせられました。

魚の世界

2012/03/16

琵琶湖博物館の水族展示室に「よみがえれ!日本の淡水魚」というコーナーがあり、既に滅んでしまったミナミトミヨやクニマスの標本が展示されています。

クニマスと言えば、一昨年くらいだったでしょうか、絶滅したとされていたのに発見されたというニュースが流れていました。クニマスは秋田県の田沢湖にしかいなかった固有種で、水質の悪化などにより絶滅したといわれていたのが、富士五湖の一つ西湖で発見されたというものです。魚に対する豊富な知識を活かしてテレビなどで活躍しているさかなクンが再発見に貢献したという報道が印象的だったのを覚えています。

「よみがえれ!日本の淡水魚」コーナーで「明日へつなぐ日本の自然-よみがえれ,日本の希少淡水魚-」という企画展がされていました。興味深い内容だったので、パネル展示の内容を要約して紹介させて頂きます。

環境省の2007年版「絶滅のおそれのある野生生物の種のリスト」(レッドリスト)には、日本にいる約400種類の淡水魚のうちの144種類が絶滅の恐れがあるとされています。その背景には、乱獲や水質の悪化など様々な要因がありますが、最近問題になっているのが、無秩序な放流です。釣りの愛好家がオオクチバスなどを密放流することだけではなく、ペットショップで買ったメダカなどをなにげなく近所の池や川に放してしまうことも問題です。

淡水魚は同じ種であっても生息する場所によって独自の進化をとげているので、長い時間をかけて獲得したその地域の魚にしかない遺伝的特性があります。例えば、メダカは大きく北日本の集団と南日本の集団にわかれていますが、最近の研究で約1800万年前に共通の祖先から別れたことがわかっています。同じメダカでも地域の特性を無視して放流してしまうと、1800万年かけて獲得してきたその地域のメダカの遺伝的特性が一瞬にして混ざってしまうのです。

漁業目的で、アユやコイなどを他の地域の河川に放流することも、地域の分布を超えて全国に広がってしまう原因となりますし、ビオトープなどに産地のわからない魚を放流することも問題なのです。

善意で行われることが多い放流ですが、一方で困ったことも起こっています。自然を守ってゆくためには、まず起きている問題を正しく認識し、望ましいことは何なのかを考えてゆく必要があるのです。(文責筆者)

こういったことがパネルで展示されていました。私たちは、つい一方的な見方でものごとを判断しがちですが、本当に大切なことは何なのかよくよく考える必要があると思います。

お別れ遠足 3

2012/03/15

     広い芝生でかけっこ

琵琶湖博物館を訪れた5歳児たちは、お弁当を食べたあと芝生広場でしばらく遊びました。定番のバナナ氷鬼をしたいと子どもたちは言っていましたが、芝生が広すぎていつものルールだと終わらないのは目に見えていたので、少しだけルールを変えて大人がおにになって子ども全員を捕まえる鬼ごっこや、かけっこをして思いっきり遊びました。でも、余り遊んでいると時間がなくなるので午後の見学のため、もう一度入館。2階の展示室を見学しました。

地質学や考古学の研究を通して琵琶湖の成り立ちを知ったり、化石の調査方法を知るために、研究室を再現した展示があります。また、湖底遺跡、湖上交通や漁業などを通じて琵琶湖と人間とのかかわりの歴史を知ることを目的とした展示や「湖と人間」というテーマに基づいて湖の環境と人々の暮らしについて知ることのできる展示など、とてもたくさんの展示があります。なかなかじっくりと見ることは難しいのですが、子どもたちにとっては、それぞれの興味のある部分を選んで見ることができるよう選択肢は多い方が良いので、大まかなセクションを区切り、その範囲で自由に見学しました。

こんな展示がありました。牛乳パックは紙でできているので、その原料となるパルプを作るのには木材が必要。だから森林を守るために、紙パックの使用をひかえて牛乳瓶を使いましょう。という考え方がある一方で、牛乳瓶は紙パックに比べてとても重いので、同じ量の牛乳を運搬するなら、軽い紙パックを使った方が、輸送のために使う燃料を節約でき、排気ガスで空気を汚すことも少ない。という考え方もあります。
このような問題提起がなされており、ただ、一方的にメッセージを発信するだけではなく、このような展示をとおして、環境とはなにか、望ましい環境とはなにかということを考えさせる展示になっていました。

ここでも子どもたちは自分の興味のある展示をとても集中してじっくりと見ていたので、あっという間に帰る時間が来てしまいました。まだまだ見たいところはたくさんあったので、残念でした。

個人的には、企画展として行われていた、「民具を科学する―明治の絵図と現代の実測図から見た近江の民具―」を見てみたかったのですが・・・

お別れ遠足 2

2012/03/14

  おさかなは見ないのですか?

琵琶湖博物館を訪れた5歳児たち。ディスカバリールームで楽しく遊んだ後は水族展示室を見学しました。水族展示には琵琶湖を中心とした日本の淡水の生物、世界の代表的な湖の魚類が展示されています。海の魚たちのように色とりどりというわけではなく、どちらかというと水槽の中は地味な感じなので、子どもたちはそんなに見ないかもしれないと思っていたのですが、みんなじっくりと見ていました。

トンネル水槽では頭の上を泳いで行く魚に感激していましたし、琵琶湖大ナマズの水槽では大きなナマズが泳いでいるのが見られました。

ビワマスが回遊するように泳ぐ姿が見られる水槽では、係の方が水槽の内側を掃除していらっしゃるのが気になって、魚よりも水槽掃除の様子ばかり見ていました。

巣を作る「トウヨシノボリ」や音を出す「ギギ」などおもしろい習性の魚もいて、よく見るとおもしろい姿をしているので、子どもたちは結構集中してい見ていました。

    ナマズをくすぐる!

ナマズの産卵を説明する展示水槽にナマズがいたのですが、たまたまガラスの近くを泳いでいたナマズを見ていた女の子が、くすぐるような手振りをすると、ガラスの向こうのナマズが身体をくねらせ、まるでくすぐったがっているような動きをするのが不思議でした。女の子はその動きがおもしろいので何度もやってみます。ナマズも何度もガラス近くを泳ぎながらくすぐったそうに身体をくねらせています。一度だけなら偶然だと思うのですが、何度もそんなことをしていたので、子どもと一緒に遊んでいるかのように見えて、不思議な感じがしました。

     何がいるのですか?

他の水槽では、隠れていたオオサンショウウオを見つけてうわー大きい!目がかわいい!足の指は何本あるかな?などと興味を持っていました。古代魚コーナーのチョウザメの大きさに驚いた後は、体験コーナーで魚を優しく触ったり、ザリガニをつかむことができます。ザリガニは園で飼っているので、みんな平気かと思っていましたが、結構緊張しながらつかんでいました。

楽しく魚を見ていたら、あっという間にお昼になって、おべんとうです。

     いただきます!

この日はお天気も良く、暖かい日だったので、駐車場近くの芝生広場で食べることにしました。琵琶湖の対岸には雪を頂いた比良山系が美しく、穏やかな青空がひろがり、なんだかとってもゆったりとした気分になりました。

お別れ遠足 1

2012/03/13

5歳児たちがおべんとうを持って園外保育に出かけました。卒園も近づき、みんなで行く最後の園外保育なので「おわかれ遠足」と呼んでいます。

ここ何年かは、滋賀県草津市にある、滋賀県立琵琶湖博物館に行っています。琵琶湖博物館は日本最大の湖、琵琶湖について、湖と人との関係を過去にさかのぼって研究・調査し、資料を収集・整理し、その成果をもとに県民とともに考え、今後の望ましいありかたを探るために設置されました。その基本理念は、

○ 「湖と人間」というテーマにそって、未知の世界を研究し、成長・発展する博物館。
○ 魅力ある地域への入口として、フィールドへの誘いの場となる博物館。
○ 多くの人びとによる幅広い利活用と交流を大切にする博物館。

というものです。
当園は、山に囲まれた場所にあるので、琵琶湖のような広い水環境や水生生物に触れて知る機会が少ないので、ここに来ています。

今年は2台の車に分乗して園を出発。大はしゃぎするこどもたちを乗せ、50分ほどで到着です。入館して最初にディスカバリールームという展示室を訪れました。この展示室は全ての展示が子どもたちが自分で触れて体験する展示です。一番目を引くのが大きなザリガニで、頭の部分に子どもが入り、ザリガニになった気分で獲物を捕まえることができます。ディスカバリールームには、文字による説明がほとんどなく、子どもたちが自ら好奇心を持って、自主的に何かを発見することを目的とした展示がなされています。

園児たちは、様々な展示に自ら触れて楽しんでいましたが、最終的には囲炉裏のある民家を再現したスペースで、ままごと遊びに興じていました。体験できる展示がたくさんあってとても楽しいのですが、ある程度遊んだ後で、水族展示室を見学に行きました。

顕微鏡で何が見えるのかな?

保育園とは違う道具でおままごと

地域紹介

2012/03/12

「6年生が、地域のことについていろいろと調べ、自分なりにまとめたので、一般の人に見て頂きたいと思っています。どこかに展示して頂けませんか。」と鞍馬小学校の先生から依頼がありました。保育園の中に展示しても保護者にしか見て頂けないので、お寺の建物のどれかに展示すると良いと思い、いろいろと考えた末にケーブルの駅を兼ねている普明殿という建物に展示させて頂けることになりました。

6年生の力作を展示するコーナーは、「鞍馬ビジターセンター」(鞍馬の自然と文化紹介コーナー)で、鞍馬を訪れる方々に様々な切り口で鞍馬を紹介しようというコンセプトです。鞍馬といえば、火祭り。というくらいお祭りは鞍馬の人々にとって重要な意味を持っています。そんな火祭りをテーマにした作品。鞍馬寺の行事とそこに込められた人々の思いを調べた作品。川を中心として、そこに関わる人や生き物の関係について調べた作品。鞍馬にいる様々な動物のつながりや関係性の一部を紹介したものもありました。それぞれによく調べ、わかりやすくまとめられています。

火祭り紹介では、お祭りの歴史や特徴ある衣装、それを支える人たちのことを紹介すると共に、鞍馬で生まれ育った自分たちがそれを受け継いでゆくということ、少子化でお祀りを受け継ぐ若い人や子どもが少ないことを課題として紹介していました。

鞍馬寺の行事紹介は毎月の行事を紹介しその中から節分追儺式と竹伐り会式を詳しく取り上げてそこに込められた人々お思いや、地域の人々のつながりを紹介しています。

川を軸としたつながりです。ホタルの住む川とその川を守ることの大切さ、そして川という自然環境を活かして涼をとる、貴船の「川床」の紹介です。

鞍馬山と動物のつながりの紹介は、樹木とそれを食べたり巣として利用する動物、その動物を食べる動物など複雑なつながりを紹介し、人間もその中の一員であることを意識することの大切さを紹介しています。

これらとは別に、山で見つけたエビフライ(リスがかじった後の松ぼっくり)やムササビが食べ刺した葉っぱや、鞍馬のことについてまとめた冊子も置いてあります。
どの作品もとても丁寧に作ってあって感激しました。
展示が終わり、6年生が帰ってしばらくして、見に行ってみると、来山者が何名か展示をご覧になっていたので、うれしくなりました。

スクロール