2014年 1月

たくあん漬け 5

2014/01/21

米ぬか・塩・渋柿の皮・昆布を混ぜます

たくあん漬けを作ってみたことを書いていたら、いつの間にか話題が発酵のことになってしまっていました。発酵はとても奥が深く、おもしろいと思います。詳しくわかっているわけではありませんが、おもしろいなと思ったり、不思議だなと思うことを、またの機会にお伝えできればと考えています。

さて、たくあん漬けですが、漬け物を置く場所を決めて、掃除をして清めたら、いよいよ樽に仕込んでゆきます。米ぬか、塩、柿の皮、昆布、くちなしなどをあらかじめ混ぜ合わせたものを、樽の底に薄く敷きます。

   大根を樽にならべます

その上に大根をできるだけすき間ができないように並べてゆきます。小さく細めで曲がりやすい大根を樽の縁に沿わせるように置き、何本かの大根を並べてゆくと、思ったより簡単に樽の曲線に沿ってきれいに並べることができます。大根を互い違いに入れると良いのかと思いましたが、そうするとかえって不自然にすき間ができてしまうので、同じ方向で並べました。大きなすき間ができてしまうときにはそれまで一緒に干していた大根の葉を詰め込むと、すき間が少なくなります。底にきれいに並べたら、ぬかに塩などを混ぜたものをふりかけ、また大根を並べてゆきます。それを何度か繰り返して大根が入りきったら上からぬかをふりかけて、その上に大根の葉を敷き詰めます。

最後にぬかをかけてから葉で覆います

最後に木のふたをしてその上から漬け物石2つで押さえました。大根から水が出てきて、蓋の上に水がかぶるくらいになれば、2つのせていた石を1つにして、少し軽くするつもりです。

こんな感じで、6〜7キログラムの大根を仕込んだ樽が2樽できました。これからどうなってゆくのか楽しみです。おいしいたくあん漬けができる事を祈って、「おいしくなってね」とお願いしておきました。
                                                        

  重しに石をのせます

たくあん漬け 4

2014/01/20

発酵は微生物が働くことで進みます。腐敗も同様に微生物が働くことで進みます。どちらも様々な微生物がいろいろなものを分解して精一杯生きている自然の働きですが、人間にとって有用か否かで発酵とも腐敗とも言えるのです。どこが違うかといえば、どんな種類の微生物が、どう働いているかだと思います。人間が自然の力をかりて人間に有用な発酵を促し、その成果である発酵食品をいただく。そこに人が関わることが多いということも発酵の特徴かもしれません。

ですから、人が果たす役割も大切です。微生物のように直接材料を分解することはできませんが、微生物が働きやすいような環境を整えることはできます。材料を冷たい水で洗わなくてはならないこともあるでしょう。米や豆を煮て柔らかくすることもそうですし、かき混ぜることで、好気性の菌に酸素を届けてあげることも必要かもしれません。

人間にしかできないことをしっかりやる。微生物にしかできないことは微生物を信じて任せる。まさに共同作業です。人間にできることの中には、楽しく作業をするということがあるそうです。日本酒を造る杜氏さんたちはお酒を造るときにいろいろな歌を歌いながら行います。それには作業の辛さを緩和したり、作業に当たる人の息を合わせたりする役割がありますが、これは裏を返せば、楽しく作業をするということです。この楽しい雰囲気を作ることが人間の役割のひとつなのかもしれません。

たくあん漬けの話から発酵のことになってしまいましたが、発酵に必要なことは、他にも当てはまることがあるような気がします。様々な微生物がそれぞれの役割を果たし、精一杯働くことで、おいしい発酵食品ができるということです。みんなそれぞれ自分の役割を持っています。それぞれが楽しくその役割を果たす事ができれば、自然とハーモニーが生まれ、みんなが良くなってゆけるのです。

たくあん漬け 3

2014/01/19

たくあん漬けを作るためには、まずどこに樽を置いておくのかを決めなくてはなりません。しばらく置いておかなくてはならないので、邪魔にならない、冷暗所、水分がこぼれても大丈夫な土間など、いろいろな条件が整う場所を見つけようとすると難しいものです。

あまり使っていない出入り口の土間が手頃だったので、そこに樽を置くことにしました。ところが、ほとんど使わない場所なので、ほこりがたまっていたりして、美しくなかったのです。もしかしたら、これはお漬け物によくないかもしれないという気がしたので、まずはその場所を掃除することから始めました。狭いので、それほど時間をかけなくても美しくなりました。なんといってもたくあん漬けは食べものです。ほこりがたまったようなところでは作りたくはありません。

たくあん漬は発酵によって作られます。様々な微生物がやってくるから発酵するのです。「微生物たちは、それぞれに自分の役割を知っていて、バランスを取り合ってうまく働くからこそ美味しい発酵食品が生まれる。」というはなしを聞いたことを思いだしました。ですから、薄汚れた場所よりはスッキリ美しい場所の方が、微生物たちも楽しく働いてくれるような気がしたのです。

スッキリ美しい場所で食べ物を扱うというと、除菌ということを考えてしまいがちですが、除菌をしなくてはならない時や場所と、そうではない時や場所があることを忘れないようにした方が良いように思います。全ての菌を取り除いてしまっては、発酵は起こりません。

昔ながらの、酒蔵や醤油蔵などには様々な菌が住み着いていて、その菌が発酵の様々なステージでそれぞれの役割を果たすからこそ、おいしいお酒や醤油、味噌などができるのだそうです。そうやってうまく発酵が進む所を「発酵場」と呼んだりしますが、バランスがとれていてうまく発酵が進む「場」では、様々な生き物の共同作業が行われています。そこではそれぞれの生き物がそれぞれに活躍できる。そのことによって協調が生まれる。別のことばで言えば「和」があるのです。「和」の生まれる「場」でじっくりと「間」(時間)をかけて発酵させることができると、おいしい発酵食品ができあがるようです。

たくあん漬け 2

2014/01/18

5歳児達が収穫した大根でたくあん漬けを作るために、しばらくのあいだ大根が干してありました。お寺の方が作っていらっしゃるのを見て、たくあんに挑戦してみたくなったので、道具一式を借りて大根も13㎏ほど分けていただきました。

お寺の方から教えていただいた作り方をベースに、自分で調べたことも合わせて試してみました。分けていただいた米ぬかに、塩を混ぜますが、味噌作りで瓶の中蓋の代わりに使った塩の一部をここで使いました。そこに、これまたお寺の方にいただいた渋柿の皮を干したものと、くちなしの実を混ぜ合わせ、それに昆布も加えてみました。昆布の旨みが出ると良いと思ったのですが、もしかしたら傷みやすくなってしまうかもしれません。鷹の爪は手元になかったので省略です。入れた柿の皮の量も少し多すぎたような気もしますが、どうなるのかはできあがってみてのお楽しみです。

ぬかに塩などを混ぜ合わせたら、いよいよ樽に入れてゆきます。樽はお正月にお寺にそなえられていた樽酒の樽を貸していただきました。分けていただいた大根の量が多く1つの樽で入りきらないと思ったので、念のために2つの樽を貸していただきました。仮に大根を並べてみると、やはり入りそうにないので、半分ずつ2樽に漬け込むことにしました。少し条件を変えてみようと思い、1つは漬物用のポリ袋を樽に敷いてその中で漬ける。もう一つは、ポリ袋を使わずに直接木の樽につけ込む。の2種類で試してみることにしたのです。

酒樽は木の目の使い方が、漬物用の樽とは違うので、漬け物を漬けるのにはあまり向いていないということを聞いたことがありますが、わざわざ、漬物用の樽を購入するゆとりもなかったので、酒樽で漬けてみることにしました。ポリ袋を使うのであれば木の樽でも、プラスチックでも大差なさそうですし、酒樽でポリ袋を使わずに漬けるとどうなるのか試してみたいとも思ったのです。

たくあん漬け

2014/01/17

子どもたちと滋賀県の畑に行って収穫してきたたくさんの大根。お寺のご本尊にお供えした後は、お寺で料理されて様々な人に振る舞われました。もちろん園の昼食の材料にも使わせていただきましたし、5歳児達が収穫してきた大根として、他の子どもたちも持ち帰りました。私もいただきましたが、とてもみずみずしくて生でいただくのが一番美味しかったと思います。そんな大根ですが、あまりにもたくさんあるので、お寺ではたくあん漬けを作ることになったようです。

そのためには、しばらく大根を干す必要があるそうで、稲刈りをした後のいねを「はさがけ」するようにして葉をつけたまま竿に干されていました。気温が氷点下になると、大根が凍ってしまうので、夜はむしろやビニールシートで覆われてじっくり乾くようにしてあったようです。大根への細かな気遣いが感じられます。年末に子どもたちとお餅つきに行ったときにも、竿にかかっていました。ちょうど良い機会だと思って、大根を収穫した5歳児の子どもたちに「みんなが採った大根だよ」と言って見せたら、やたらと感心していました。その後も大根の乾きが悪かったようで、先日ようやく漬け物樽に入れられていました。私はお寺の方がたくあん漬けを作っていらっしゃるところにちょうど居合わせたので、しばらく見学していました。

まず、米糠に塩を加えたところに、甘みを出すために干した柿の皮を、味のアクセントと漬けているあいだの虫除けに鷹の爪を、色が良くなるようにクチナシの実等を入れて混ぜ合わせておきます。ちなみに柿の皮は渋柿のが良いそうです。それを樽の底に少し入れ、その上に大根をきれいに並べて入れ、また塩などを混ぜたぬかを入れ、その上に大根を並べることを繰り返してゆくのだそうです。お寺の皆さんは慣れていらっしゃるようで、手際よくつけ込んでいらっしゃいました。

その様子を見学していたら、自分でもやってみたくなったので、無理を言って大根を少し分けてもらい、ぬかや柿の皮クチナシなどもいただき、漬け物道具を一式貸していただきました。

大根

2014/01/16

   うんとこしょ!どっこいしょ!

毎年12月には5歳児の子どもたちと、おいも掘りなどでお世話になっている滋賀県の畑に行きます。お寺へのお供えとして植えてくださっている大根を収穫するためです。昨年の12月にもみんなで畑に行ってたくさんの大根を収穫しました。

その畑は土が軟らかいので、大根の葉の付け根を持って上に引くとちょっとした手応えとともに土からスポンと抜けてきます。最初子どもたちはコツがつかめず、なかなか抜けないといいながら悪戦苦闘していますが、

あっという間に大根の山ができました

ちょっとしたコツをつかむと、おもしろいように抜けるので、どんどん収穫してゆきます。今年は大根が小振りだったこともあり、去年より簡単に抜けました。慣れて来たら、片手でどんどん抜いてゆく子、一本抜いて、そのまま次の一本を抜いてしまう子もいました。

みるみるうちに、畑には収穫した大根の山ができます。抜いた大根は、近くの水のあるところまで運んで、一緒に来てくださったお寺の職員さんに洗っていただきます。昨年までは大根を抜くことがおもしろくて、収穫した大根を運ぼうとする子はいなかったのですが、今年のこどもたちは、一輪車に大根をのせて運ぶ楽しさをみつけたようです。一輪車に大根を満載して運んでいました。大根を満載した一輪車を1人で押して運ぶのは子どもには難しいことです。どうするのかなと思っていたら、いつのまにか友だちに声をかけて3人くらいで力を合わせ、時にはひっくり返しながらも、一生懸命運んでいました。

しかし、みんなが一輪車に行ってしまったわけではなく、大根抜きがしたい子もいて、

力を合わせて!オーライ!オーライ!

ちょうどバランスがとれていたように思います。そうして、お寺の職員さんが洗ってトラックに積んでくださった大根で1トントラックの荷台はいっぱいになりました。

そうして子どもたちが収穫した大根の一部は園の昼食の材料となり、子どもたちがそれぞれ家に持ち帰ったりしますが、一番の用途は、お寺のご本尊にお供えすることです。

見学

2014/01/15

秋になると園を見学に訪れる方が増えます。10月には多くの幼稚園で次年度入園募集がはじまるので、幼稚園に入園するか保育園にするか、考えていらっしゃる保護者の方が見学に来られることが多くなるのです。もちろん保育園に入園希望される方がそれ以外の時でも見学にみえたり、園庭開放の時を利用して親子で来園される方もたくさんいらっしゃいます。

先日、そんな方が、園を訪れてくださいました。見学者の対応は私が行う事もありますが、たいてい主任の先生が行ってくれます。園の理念や保育方針、保育の方法などを説明したり、事務的な説明をしたり、一通り口頭での説明が終わったら、実際に園内をご覧いただいています。

その日の3・4・5歳児は、土曜日ということもあったのかもしれませんが、登園している子どもの数が少なく、いつもにも増して子どもたちが自分でやりたい遊びを選んで、思い思いに取り組む活動となっていました。室内での遊びでしたが、どうしてもなわとびをしたいという子どもたちのために、部屋の一角がなわとびゾーンになっていたり、別の一角では1時間くらい集中してお絵かきをしている子どもたちがいたり、こま回しに夢中になっている何人かがいたようです。

そんな様子をご覧になった見学者が、「今まで持っていた保育園や幼稚園のイメージと違う。」とおっしゃって、何かをやらされている感じがなくて、子どもたちが楽しそうにいきいきと遊んでいる姿に感心していらしたそうです。

その後、昼食の時間が近づいたので、先生が「絵本を読もうかー」と声をかけたら、子どもたちが、それぞれ遊んでいたおもちゃを片付出し、先生が「集まりなさい」といったわけでもないのに、先生のまわりに自然に集まってきて絵本を見ようとしていた姿にも驚かれていたようです。

当園でも、先生が指示することもありますし、どもが一斉になにかをすることはありますが、この時はいつも以上に子どもたちが自らの興味に従って主体的に自発的に遊び込めていたようです。そうして、子どもたちの心が満たされると、次の活動への移行もスムーズに行う事ができるのです。情緒が安定するためには子どもたちの様々な欲求を適切に満たすことが必要となってくるのです。

だからといって、先生は放任して子どもたちのやりたい放題やらせていたわけではなく、遊びが発展したり、興味が続くような配慮や声がけをしているのです。このときもなわとびをしていた子どもたちが少し飽きてきたようだったので、子どもたちが挑戦したくなるようななわとび遊びを提案したら、そこから遊びが広がったといっていました。

おいしくできました

2014/01/14

約10ヶ月間寝かせて熟成させていた味噌をとりだしてみることにしました。もう少し寝かせてみようかとも思ったのですが、次の仕込みを寒中にしておきたいという思いもあって、取り出すことにしたのです。

   蓋を取ってみたところ

瓶の蓋を開けて、中蓋の役割そしていたポリ袋に入った塩をそっと引き上げてみます。しっかり密閉できていたからなのか、持ち上げるのには思ったより力が必要でした。中蓋を取り除くと、茶色くなった大豆が現れると同時に、味噌の香りが立ち上ります。色や香りからするとどうやら味噌になっているようです。表面にカビらききものはみあたらず、水分が上がっていたのでしょうか、少し光っていました。

よく見ると、2カ所ほど黒っぽい斑点のような部分があります。カビという感じではないのですが、よくわからないので取り除いてみました。斑点のようになっていたのはほんの表面だけで、

かきまぜると良い香りが立ち上ります

すぐに取り除くことができました。中はもっと薄い色です。表面が5ミリメートルくらいの厚さで全体的に、濃い色になっていて、斑点に見えたところは更に色が濃かったのでした。斑点の部分だけを取り除き、更に奥まで掘ってみると、きれいな明るい茶色の味噌になっていました。少量を手にとって口に含むと、味噌の香りがふんわりと口いっぱいに広がります。少し塩辛い目ですが、ちゃんとに味噌になっています。かなりおいしくできているのではないかと思いました。底の方はどうなっているのだろうと思って掘ってみましたが、瓶の底まで同じ色、同じ味でした。保管のための容器に移そうと取り出すと、味噌の良い香りが部屋中に広がります。

お味噌汁にしてみました おいしい!

早速、食べてみたくなって、味噌汁を作ることにしました。できあがった味噌汁の味はというと、最初口に含んだときはとてもシンプルですが、優しい甘みというのか旨みが徐々に口に広がります。なんといっても香りが良いのです。味も香りもとても優しいというのが適切かもしれません。とっても美味しい味噌ができました。初めての味噌作りは大成功です。

大豆と塩と麹のチームプレイが美味しい味噌にしてくれたことはもちろんですが、冬の寒さにはじまり、寒暖の差が大きな春、梅雨の湿度、夏の暑さ、秋のさわやかさ、そしてまた冬と四季を通じて熟成させることで、温度や湿度をはじめとした様々な環境を、大豆、塩、麹の味噌チームが経験します。温度や湿度だけではなく麹菌以外の様々な微生物も関係しているかもしれません。多様な環境を経験することで、味に深みやコクが生まれるのだと思います。様々な経験が深みを増すということは、人も同じなのかもしれません。

まさに、手前味噌な話ですみません。

信じて見守る(味噌)

2014/01/13

秋頃から気になっていることがありました。それは、去年の3月に作った味噌がどうなっているかということです。味噌を仕込んだことは、このブログでも紹介しましたが、それからずっと寝かせていたのです。寝かせているあいだに味噌は熟成されてゆきます。期間は半年、10カ月、1年などいろいろな説がありますが、じっくり1年くらい寝かせようと思っていたので、気になりながらもそのままにしていました。途中で何度も味噌の様子を見てみたいと思いましたが、じっと我慢して寝かせていたのです。

熟成むらをなくすために、途中で天地返しといって、味噌をかき混ぜる方法もあるようですが、素材の力を信じてそのまま寝かせる方法をとりました。うまく熟成が進んでいたら途中で手を出して邪魔をしても、がんばって働いている大豆と麹と塩に申し訳ないような気がしたからです。10カ月から1年寝かせて、失敗していたらそれはそのときのことです。というと聞こえは良いのですが、実は少し面倒だったこともあります。

実際にはなにもしなかったのですが、いつも気にかけてはいましたし、ときどき瓶のふたを開けては、「がんばって働いてくれてありがとう。美味しくなってね。」と声をかけていました。

熟成している間に空気に触れるとカビが生えやすいので、密閉するために、ラップや布、和紙を使って、表面を覆うと良いといわれています。私は大きめのポリ袋に塩を入れて味噌の上に置き、ふたの代わりにしていました。その方法だと味噌の表面に少しくらいでこぼこがあっても塩がそのでこぼこに合わせてポリ袋を密着させてくれるので、空気が入りにくいのです。また、2〜3キログラムほどの塩を使えば、それが重しの代わりにもなります。ポリ袋が天然の素材ではないことが少し気になっていましたが、その方法が最適だと思ったのでやってみました。その塩の中蓋がふたの役割をしているので、瓶のふたは置いているだけで、瓶の蓋を開けてもポリ袋に入った塩しか見えません。中がどうなっているのかとっても気になりましたが、そこはじっと我慢。大豆と塩と麹の力を信じて見守る。(見えませんが…)でも気を放してしまうのでははなく、いつも気にかけ、声をかけていました。

そうやって、10ヶ月間寝かせた味噌をいよいよ取り出してみることにしました。

やってみる!

2014/01/12

とても傾いて倒れそうになっていた、玉杉大黒天の杉の木についてお伝えしてきました。今にも倒れそうなので、何とかしなくてはならないのですが、ご神木に鋸を入れることはどこか申し訳ない気がする。かといって傾きをもとに戻す手段はない。専門家の意見は伐採。自然に倒れるまで待つのか。いつ倒れるかわからないのにそんな危険なことはできない。何とか伐採せずに済まないものか。お寺の皆さんもずいぶんと頭を悩まされたようです。私もずっと気が重いままでした。何もできないので、前を通るたびに杉の木に触れて、できれば元通り元気になってください。それが無理なら、どうか一番良い方法を選んでください。と祈るくらいしかできませんでした。

しかし、結局は伐採することに決まり、実際に作業が始まったら途中からは木がまだ元気なので、全て切ってしまわなくても良いことがわかりました。結果的には木の上の方を切ったことによって先の方が軽くなり、傾いていた木が少し元に戻ったのでした。

みんながとても心配し、気をもんだ今回のことでしたが、いざ作業をしてみると、予想もしなかったような良い結果になりなした。どうしよう、どうしようと考えてばかりいても、何も始まりません。案ずるより産むが易し。とにかくは、まずやってみること!何かアクションを起こして初めて状況が変わり、いろいろなことが見えてきます。とにかくやってみる!それも最大限の力でやってみる。それで良くなかったら、その時に次にどうしようか考えれば良いのです。

玉杉大黒天が身をもってそんなことを教えてくださったように感じました。自分自身が克服しなくてはならない弱さを指摘し、励ましてくださったのだと思います。ありがとうございます。

スクロール