園長ブログ

伝承する

2013/10/26

鞍馬の火まつりには、鞍馬の人々の熱い思いがこもっています。細かなことを言い出すと、私などにはとうていわからない古くから伝承されてきた決まり事やしきたりがたくさんあるのだと思います。そうやって伝承されてきた事を次の世代に引き継いでゆくことが大切です。ところが、鞍馬に住んでいる子どもがとても少なくなっているのです。あまり少なくなりすぎると、火まつりをはじめ、古くから伝わっていることを伝承してゆくことも難しくなって来るのではないかと心配です。

もちろん形や方法を教えてもらい、何度か繰り返す事で、いろいろなことができるようになるでしょう。それも伝承してゆく上ではとても大切な事です。しかし、毎日その土地で生活して、おじいさんおばあさんやお父さんお母さん、そして近所の人がが行っていることを小さな頃からいつも見聞きし、肌で感じる環境にいることで、表に現れた形の底に流れる心を含めて感じることにつながる気がします。このことが伝承するうえで大切なこという気がします。

目に見える形や姿もそうですが、そこに至るプロセスや、姿形の根底にある心を大切にすることを忘れないようにしたい思うのです。私はうっかりしていると、目に見える形ばかりに気がとられがちなので、目に見えない心やそこに至るプロセスを丸ごと感じることを心がけようと思います。

姿や形となって現れていることの底には何かしらの意味があるのです。ともするとその意味が見えなくなってしまうことがあります。毎日同じように行っている事などは特にそうです。毎日掃除をしていると、本来の目的であるまわりを美しく清める事を忘れて、同じ所を拭く事が目的になりがちです。そうすると、床は拭くけれども、棚の上にほこりがたまっていても気付かないといったことが起こりがちです。なぜそのことをしているのか、なんのためにしているのか、常に自分に問いかけていたいと思います。

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