2012年 1月

ズコッ!!

2012/01/06

ある日3歳児の男の子と給食を食べていた時の会話です。

男の子・・・「先生これ美味しい。」

私・・・「ありがとう。(笑)」

男の子・・・「お芋が。」

私・・・「・・・・・。」

隣にいた職員がズコッとリアクションをとってくれていました。

その後、大笑いしていました。

今年は…

2012/01/05

4日の午後3時頃から雪が降り出して2時間ほどの間に5センチほど積もり、そのまま朝まで降ったりやんだりを繰り返し10センチほどの積雪になりました。5日は新年初めての保育だったのですが、自動車で送迎されている保護者の方は大変です。もちろん冬用タイヤを装着されてはいるのでしょうが、雪道に慣れていらっしゃらない方にとって少し轍ができている雪道を走るのは大変だと思います。

お休みの子も多かったのですが、半数以上の子どもたちが元気な顔を見せてくれ、登園している園児全員が集まってお参りをしました。みんなとても落ち着いて、真剣に参加していました。あまりにも静かだったので、0・1歳児はいないのかと思ったくらいです。また、3歳児の子どもたちの「お参りしよう!」という気持ちがいつになく感じられました。自分より小さな子が一緒なので、「お手本にならないと!」という意識が働いたのかもしれません。久しぶりに会った子どもたちはみんな一回り大きくなったように感じました。年末年始の1週間会わなかっただけなのに不思議な感じです。

お参りの後、みんなで挨拶を交わしたときに、子どもたちに「今年は、お友達のステキなところをいっぱい見つけるようにしてみない?」と提案してみました。なぜなら今年はもっと「みんなが認め合える関係」になってゆくことに力を入れたいと思っているからです。

子ども、保護者、職員お互いの関係の中で、それぞれが認め合うことが大切ですが、なかでも今年は「子どもどうし」「職員どうし」の結びつきを深めることに重点をおいて取り組めたらと思っています。子どもどうしは一緒に過ごしているだけで自然に関係が深まります。その関係に「お互いの良いところを認め合う」要素が増えると良いと思うのです。そのためにも周りにいる大人が「お互いの良いところを認め合う」関係の見本になりたいのです。

ですから職員間では、みんなの向いている方向がもっと収束できるように、お互いに想いを伝え合い、認め合い、考え合える、言い換えれば、気兼ねなく意見が交わし合える関係性を深めてゆきたいと思います。「一番大切にすべきこと」をしっかりと共有することさえできれば、いろいろなことがもっともっと楽しくわくわくできることに変わるのですから、想像するだけでそれこそ楽しく、わくわくしてしまいます。

あいさつの魔法

2012/01/05

先日、久々に鞍馬寺の本殿までお散歩に行った時のこと。

紅葉のシーズンは過ぎましたがまだまだご参拝の方がいらしています。

仲間たちは、すれ違う方たちに、

「おはようございまぁす(^_^)」「こんにちはヽ(^0^)ノ」とご挨拶。

すると魔法がかかったように参拝の方も笑顔で応えてくださいます。

挨拶をするとみんな笑顔になってキモチがいいですね(^v^)

 

働く

2012/01/04

お正月にはいろいろな方と久しぶりに会う機会が多く、1年ぶりにお目にかかる方もいらっしゃいます。そんな方々ととお話をするといろいろなことが聞けます。

大手電気製品メーカーに部品を納入するお仕事をされている方とお話をする機会がありました。その方のおっしゃるには、大手メーカーから提示される条件がどんどん厳しくなってきているそうです。コストダウンは当然のことながら、今まで1ヶ月だった納期が3週間に短縮されているそうです。ですから、現場で品質の高いものを丁寧に作りたいと思っても、納期が短すぎて丁寧に作れず、その結果不良品の出る率も上がってしまうということも起こるそうです。そこを企業努力で何とかしてきたのが、今までの日本の企業なのでしょうけれど、それもそろそろ限界にきているのではないでしょうか。テレビなどではこういう話題が取り上げられることがありますが、体験として実際に聞くと、現実の厳しさが伝わってきます。

厚生労働省が昨年12月14日に発表した2011年のパートタイム労働者の総合実態調査によると、従業員に占めるパート労働者の割合は27.0%となり、06年に実施した前回調査では25.7%と上昇したそうです。その理由としては、前回より比率は下がったものの労働コストの効率化があがっています。

コストダウンばかりが優先されて、人が働くことの意味や働きがいといったこと、働くことを通して自己実現することなどはどう考えられているのだろうと思います。

当園では、職員がそれぞれ自分の良いところを発揮していきいきと働けることを目指しています。職員も仕事を通じて輝いていて欲しいと思います。そうであるためには、一人ひとりの努力が必要です。今年は職員一人ひとりがより輝くことができるようみんなで力を合わせてゆきたいと思っています。

あまざけ

2012/01/03

お寺の本殿の近くでご参拝の方に甘酒がふるまわれていました。毎年1月3日にご奉仕の方々が朝から甘酒を作って、ふるまっていらっしゃるのです。

山を登って来られた方々には喉の潤いになりますし、お参りを済まされて少し身体が冷えたと思われる方には暖まっていただけますし、参拝者にはとても喜ばれています。この甘酒がとてもおいしくて、私も何度もいただきました。

熱い甘酒にショウガを入れて、フーフーいいながら飲むと身体が温まるというイメージが強いのですが、昔は甘酒は夏の飲み物で、夏の季語にもなっているそうです。ブドウ糖と様々な種類のビタミンが含まれている甘酒はいわば栄養ドリンクで、暑気払いや夏バテを防ぐために飲まれることが多かったようです。

朝9時頃から午後3時頃までのあいだに1,500個用意していただいた甘酒の紙コップが全てなくなりました。大勢の方が召し上がってくださったのです。ほとんどの方が「おいしかった」と喜んでくださっていたようです。参拝者の喜びの声を聞き、笑顔に接することができるので、「お参りの皆さんに喜んでいただいて嬉しかった」とご奉仕の方々も喜んでくださっていました。甘酒をふるまうことによって、参拝者に喜んでいただけるし、ご奉仕の方も嬉しい。そんなみんなが嬉しくなれる場(空間)と間(時間)を提供できることが、お寺としての喜びだと聞きました。甘酒を結び目としてみんなが喜ぶことができる。その喜びの時間と空間がより良いものとなるために、ご奉仕の方々が気持ちよく動けるよう、参拝者の方々がゆっくりと甘酒を召し上がっていただけるよう、お寺の皆さんは、心を込めて全力で準備をしていらしゃいました。

いろいろなところに、みんなが嬉しくなれる場所や時間(機会)が増えるといいですね。

いのり

2012/01/02

今年は穏やかな元日を迎えることができました。昨年は大晦日から降り始めた雪がたくさん積もって気温も低かったのですが、今年は雪もなく暖かでした。お寺の本殿前から東の方に比叡山を臨むことができ、比叡山から昇る朝日が美しいので、初日の出を拝もうと7時前からたくさんの方々が待っていらっしゃいました。しかし、あいにく空が雲に被われていて、昇ってくる太陽を拝むことができませんでした。雲に隠れていても太陽は雲の上でちゃんと輝いているのですが、やはり輝きを拝み、光に包まれたいものです。

初日の出に限らず、お正月にはたくさんの方が鞍馬のお寺にお参りされます。大晦日の深夜から登山し、除夜の鐘を撞いて元朝早々に本殿にお参りされる方、毎年決まった日の決まった時間にお参りされている方、家族そろってお参りされる方もいらっしゃいます。ご参拝の目的は、無事に過ごせたことに対するお礼であったり、心願の成就を祈っていらっしゃったり、お札やお守りを授かるためなど様々ですが、いらした皆さんは真剣に祈っていらっしゃいます。

お寺のことをしていると、様々な方の様々な願いに出会うことが多くあります。ご自身や家族の健康や安全に関する願い、お仕事や学業に関する願いが圧倒的に多いのですが、中には「みんなが幸せになりますように」とか「世界が平和になりますように」という願いもあります。みなさんの願いがかない「みんなが幸せになれる」ことを祈ります。

      いのりのともしび

     雪が降っても…

 

新しい年を迎えて

2012/01/01

平成24年の新しい年を迎えました。昨年は3月には東日本大震災と原子力発電所の事故、9月には台風12号による災害など日本国内だけでも大きな災害や事故が多発した年でした。世界各国でも大規模洪水や大地震などの災害がたくさん起こっています。また、欧州の信用不安をはじめ災害以外の様々な危機が世界を被い、今までの物事のあり方や価値観が大きく揺さぶられている気がします。

自然災害が起こるのはどうしようもないのですが、自然に対抗するような形で考えられてきた防護策は、自然の力の前にはあまりにも脆かったことを思い知らされました。原発事故は、今まであまり気にせずに使ってきた電気とそれに依存しきった私たちの生活のあり方に疑問を投げかけています。

私たちが、お金という実体のないものをあたかも最も大切なものかのように追い求めてきた結果、本来何の価値もない記号であるはずのお金が、現実を離れて膨れあがり、まるで最も価値があり一番大切にすべきものかのようにふるまうようになってしまいました。私たちが気付かないうちに今までの価値観やシステムが限界に来てしまっていることを、経済危機は示唆しているように思えます。

昨年、起こった様々な危機を目の当たりにして既存の価値観に疑問を持ち、新たな価値を見いだそうとしている人が多いようです。本当に大切にすべきもの、価値ありとすべきものは何なのでしょうか。今年はそのことについて深く考える年ではないでしょうか。

鞍馬山保育園は、「みんなのいのちが輝く」を理念に掲げています。「みんなのいのちが輝く」とは、大きくは人間や動植物はもちろん無生物にいたるまで、その存在意義と役割がより良く発揮できるという意味です。人間について言えば、お互いが認め合い、人々が排除や否定されることなく、それぞれの良いところを活かして共にいきいきと生きられることです。

そうできるように、まずは大人がお互いに認め合うよう努力しなくてはなりません。ついつい自分の意見だけが正しいと思い込み、人にそれを押し付けようとしがちですが、お互いに心を開いてフラットに意見交換を積み重ねられるようになれると良いと思います。

そして、園児たちが大人になった時にそういう社会を築いてくれることを願い、保育園でとても大切な時期を過ごす子どもたちが、

  • 自分を発揮していきいきと過ごす。
  • 友達とお互いを認め合う。
  • 意見を交わしながら一緒に何かに取り組む。
  • そして、そうすることがとても楽しい。

そんな経験をたくさんしてほしいと思っています。

まずは大人が見本になりたいものです。それは、決して派手なパフォーマンスや特別なものではなく、私たちの毎日の生活そのものなのです。あらゆる場面で自分の言動や想いまでもが「みんなのいのちが輝く」に向かっているのか、常に心のとめておくことです。日々何をどう考え、どう生きてゆくかを常に自分に問い直すのです。「本当に大切なことは何か」を考え、そのことに生きる年にしたいものです。

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