園長ブログ

楽しんで

2012/07/10

話し合いを経て、お泊まり保育のプランができあがりました。そのプランを具体的な形に作り上げてゆくなかで、職員がそれぞれにいろいろなことをやってみたいとアイデアをふくらませました。

例えば洗濯です。食事のように必ず行わなくてはならないものではありませんが、子どもたちが普段家の人にしてもらっている洗濯を自分でやってみて欲しい。という担当者の思いから洗濯をすることにしたようです。それも洗濯板を使って洗濯するというのです。問題はどうやって洗濯板を調達するかです。担当の保育士が子どもと一緒に洗濯板を作るところからやりたいというアイデアを、用務員を兼任している保育士に相談したら、用務員も「そこまで言うならなんとかしよう。」といろいろ考えていたようです。そして、木材の面取りをしたり溝を付けたりする機械を使って、子どもたちと一緒に作っていました。1つの目的のためにそれぞれの得意技を活かして貢献する。チームプレイです。

私は「そこまでするの?」と思いましたが、実際に作業をしている子どもたちはとても楽しそうにしていました。保育士達には、お泊まり保育のために作った洗濯板を使って家でも洗濯してくれたら嬉しいなという思いもあったようです。

子どもが危なくないように作業できて、簡単に一定間隔の溝をつけるにはどうすれば良いか、用務員はずいぶん考えたようでした。出した答えは、大きさの違う数枚のゲージを作り、それを組み合わせて使って一定の幅で溝をつけようというものです。例えば1、2、3、4、5、10センチと幅の異なる板、6枚をゲージとして用意しておいて、1センチの次は2センチと順に交換して5センチまで行えば5つの溝をつけることができます。6センチは、5センチと1センチの2つを並べる。という要領です。

それを何度か繰り返しやっているうちに、「7やったら5と2」という子も出てきたようで、遊びの中で自然に数に親しんでいる姿がありました。あとで、用務員に「そこも狙っていたの?」と聞いてみると、「気がつく子がいれば、それはそれで良いかなとは思っていた。」と言っていました。

また、おやつは「何か手作りのものをみんなで食べたい!」とい言い出した保育士がいて、それならかき氷にしようということになり、氷にかけるシロップを保育士達が作っていました。季節の果物を甘く煮詰めてジャムのようにするとおいしいのではないか。今の季節ならさくらんぼを使おう。と、アメリカンチェリーと佐藤錦で作ってみるとアメリカンチェリーの方は色は良いのだけれど、味は今ひとつ、佐藤錦は味は抜群だが、色が今ひとつだったようで、それなら混ぜてみれば、ということでまぜると、色も味の深みも良いものができました。それだけでは、選ぶ楽しさがないので、もう1種類ヨーグルトをベースにした、乳酸飲料のようなシロップを若い男性保育士が発案して作っていました。試作品を食べたのですが、両方ともとてもおいしくて、「これ売れるで!」と思ったくらいです。

「大人が楽しんでるだけやん!」と言われそうですが、大人が楽しまないと子どもが楽しめるはずがありません。楽しいと思えるからこそ誰かと協力もできるのです。「保育が楽しい」という気持ちが意欲に繋がり、保育の質の向上に繋がるのだと思います。

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