園長ブログ

怒り

2012/03/30

先日、怒りと謝罪に関する研究について報じられていました。科学技術振興機構 ・名古屋大学・東京大学の研究グループが「怒り」を脳波や心拍数、指先の汗を分析したそうです。その分析から、謝罪することによって、怒りの成分のうち、相手を攻撃しようとする強い衝動は抑制されますが、不快感は抑制されないことが分かった。という研究成果を発表したそうです。

「怒り」が謝罪によって抑制できることは、これまでの研究でも知られていましたが、謝罪が怒りの中の「何を」抑制するのかについては、今までよくわかっておらず、それを解明するための研究です。

怒りに伴う身体的反応を、生理指標としては、「脳波」(中枢神経系反応)、「心拍」「指先の汗」(自律神経系反応)を、主観指標としては心理テスト(心理反応)をという複数の指標を同時の測定することで、調査しました。その結果、怒っている人が謝られると、怒りの衝動をぶつけようという気持ち(攻撃性)は抑えられますが、気分が良くない感じ(不快感)は継続しているということがわかったそうです。

この記事を読んで、「怒り」という感情と、それが謝罪によって、ある程度抑制されるものの不快感は残る。という、感覚的には当然のことが、そのメカニズムが科学的には解明されているわけではないことを知りました。

また、怒りは「攻撃性」と「不快感」などの成分に分けることができること。そして、「心拍」と「汗」という身体的反応が、「攻撃性」と「不快感」のそれぞれに対応しているということに興味を持ちました。

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