園長ブログ

発達から見た「話し合うこと」〜発達とは〜

2013/02/19

5歳児がみんなで話し合って一つのことを決めている姿がありました。こういった姿を子どもの発達からみるとどういうことなのでしょう。そもそも子どもの発達とはどういうことで、発達には何が大切なのでしょうか。

保育所保育指針第2章には「子どもの発達」ということが書かれています。

「子どもは、様々な環境との相互作用により発達していく。すなわち、子どもの発達は、子どもがそれまでの体験を基にして、環境に働きかけ、環境との相互作用を通して、豊かな心情、意欲及び態度を身に付け、新たな能力を獲得していく過程である。」(保育所保育指針 第2章 子どもの発達)

とあり、子どもが自ら環境に働きかけることが大切なことがわかります。幼稚園教育要領にも「環境を通して行う教育」ということが書かれています。

「幼児期は自分の生活を離れて知識や技能を一方向的に教えられて身に付けていく時期ではなく(中略)自分から興味をもって環境にかかわることによって様々な活動を展開し,充実感や満足感を味わうという体験が重視されなければならない。」(幼稚園教育要領解説)

大人が何かを教え込むのではなく、子どもが「自ら興味を持って環境にかかわること」が大切なのですね。

そして、保育所保育指針には、「特に大切なこと」として人との関わりをあげています。

「愛情豊かで思慮深い大人による保護や世話などを通して、大人と子どもの相互の関わりが十分に行われることが重要である。この関係を起点として、次第に他の子どもとの間でも相互に働きかけ、関わりを深め、人への信頼感と自己の主体性を形成していくのである。」

大切なのは子ども同士の関わりです。その基礎には大人との関わりがありますが、子ども同士の関係のなかで生まれてくる信頼感と主体性、人を信頼し、自分を信頼し自信を持ってゆくことが主体性を形作ってゆくということなのでしょう。

子どもが育つうえでもっとも大切にすべきことは「社会を構成する一員となる」ということなのだと思います。相手を認め、自分を主張し、意見を交わし合って問題を解決してゆく。皆で話し合って決めるということは、こういうことにつながると思います。

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