鬼 アーカイブ - 鞍馬山保育園

節分追儺式 1

2012/02/04

節分が過ぎ、立春を迎えて、昨日までよりは少しだけ、ほんの少しだけ暖かくなったように思います。日差しがたくさん降り注いだ分だけそう感じたのでしょうか。

節分は読んで字のごとく季節の分かれ目ですから、立春、立夏、立秋、立冬の前日なのですが、立春前の節分が、旧暦の大晦日前後だったことから、立春前日の節分が年の変わり目と結びついて、ことに重要視されるようになったのかもしれません。

節分といえば、鬼です。昨日のブログにも書いたように、保育園にも鬼が来ました。
鬼とは何でしょう。古来より季節の変わり目には邪気が生じると考えられ、この邪気が鬼です。その邪気を払う行事が「追儺」(ついな)といい、平安時代から宮中で大晦日に行われていた行事で「鬼やらい」「儺(な)やらい」ともよばれていました。

それは、方相氏(ほうそうし)〈大儺君ともいう〉と呼ばれる鬼を払う役が、金色の目が四つある面をつけ、黒い衣に朱色の裳を着用し、右手に矛左手に盾をもつ姿で、後ろに侲子(しんし)〈小儺君ともいう〉を従え、かけ声をかけて大内裏をまわり鬼を逐います。そして公卿等は方相氏に付き従い桃の弓で葦の矢を射て悪鬼を追ったというものです。

お寺では、この様子にできるだけ忠実に節分追儺式が奉修されており、保育園の5歳児たちがこの法会に出仕させていただいています。ここでは、子どもたちは侲子の役で方相氏に従って、目に見えない鬼を逐うという重要な役割を果たします。

鞍馬寺の節分追儺式には鬼は姿を現しません。方相氏は目に見えない鬼を追いはらう役割なのです。ところが、方相氏の恐ろしい姿を見て鬼だと勘違いされる方が多いのです。平安時代から時代が下るにつれて、この方相氏の異様な面や姿が鬼と間違えられ、次第に方相氏が公卿に射られるということが起こったようですから、それも仕方のないことかもしれません。

目に見えない鬼はどこにいるのでしょうか。

何よりも怖いのは、山から出てくる鬼ではなく、私たち一人ひとりの心の中に潜む鬼ではないでしょうか。

方相氏の後に続く侲子役の園児たち

まめまき

2012/02/03

寒さが厳しくなってきました。昨日は最高気温が氷点下3度でした。鞍馬から17キロメートルほど北の花脊から通っている職員が、朝の気温は氷点下12度だったと言っていました。とても寒いのですが、相変わらず雪は少なめです。

今日は節分、みんなでまめまきをします。しかし、先日紹介したように鬼から手紙が来ていたので、今日はもしかしたら保育園に鬼が来るかもしれません。子どもたちは朝からそわそわ、職員のブログにあるように、「鬼が来たらどうする。」「怖がらんと豆を投げつけなあかんで。」などと相談していました。

全園児が集まって、手遊びをしたり、歌を歌ったり、節分の話を聞いたりしたりしますが、みんなどことなくそわそわしています。見に来られた保護者や職員が出入りするのに扉を開けるたびに振り向いて出入り口を気にしていました。

話しを聞いた後は、5歳児の子どもたちが自分で作った鬼のお面をつけ、鬼役になって登場、他の子どもたちをおどかします。鬼のお面をつけた顔を0歳児のHくんの前に近づけて「ウォー!」といいますが、Hくんはキョトントしているだけでした。5歳児は懸命に脅かしますが、脅かされている方はあまり怖そうではありません。

しばらく5歳児鬼を相手にまめまきをしたあと、床に散らばったまめをみんなで拾い集めていると、どこからともなく太鼓の音が、そして「ウォー!」という叫び声、今度の声は5歳児のかわいらしいものとは違って、低く迫力のある大きな声です。子どもたちの顔がこわばったかと思うと、バーンと勢いよく障子が開いて、恐ろしい形相の二体の鬼が部屋に入ってきました。顔色を変えて逃げ惑う子、後ずさりしながらも鬼にまめをぶつける子、何が起こったか訳がわからずポカンと口を開けている子、勇敢にも鬼に向かっていって豆を投げつける子もいます。
豆を投げられても鬼はものともせず、金棒を振り回し、「ウォー!ウォー!」と叫びながら暴れまわります。鬼が来る前には強がりを言っていた子も、鬼に追い詰められ、顔を近づけて「ウォー」といわれると、怖くてたまりません。鬼に手をつかまれ子もいました。一人の保育士が鬼に連れて行かれそうになったときには、2人くらいの5歳児が助けようと鬼に向かっていっていました。
床に落ちた豆を拾っては投げ続けるうちに鬼も力がなくなってきたのか、退散して園庭から、畑の方へ逃げていってしまいました。

鬼が去ったと後は、泣きじゃくる友達の頭をなでて慰めるやさしい子の姿があちこちでみられ、とてもたのもしく、心が温かくなりました。

子どもにはとても怖い体験かもしれませんが、どうしようもなく怖いこと、自分ではどうにもならないことを体験することも必要かもしれません。

     鬼のお面をつけて・・・

     鬼がおおあばれ

手紙

2012/01/31

最近は手紙を書くことが少なくなりました。便利で早いのでついついメールで済ませてしまいがちです。特に手書きの手紙は書く機会が少なくなってしまいました。まして毛筆で書くことはほとんどありません。今日、保育園に毛筆で書いた大きな手紙が届きました。

保育園の玄関に郵便受けがあり、いつもたくさんの郵便物が来ます。最近はいろいろな業者さんが手紙を届けてくださるので、1日に何回も郵便受けに手紙が入っていることがあります。子どもたちが散歩に出かけて帰ってくると、園庭の門から中に入る前に必ず郵便受けを見て、手紙が届いていると私のところに持って来てくれます。

雪がちらちら降るなか、昼食を食べ終わった5歳児たちが午後の保育の担当保育士と一緒に散歩に出かけてゆきました。子どもは風の子とはよくいったものです。寒さなんかものともせず、元気に遊んでいます。おやつの時間近くになって、5歳児たちが帰ってきたのでしょう、外が賑やかです。声が近づいて来たかと思ったら、何人かが部屋に駆け込んできました。「来た!来た!手紙が!」「鬼から手紙が来た!」といいながら、手には黒い紙の筒を握りしめています。
どうしたのと聞いてみると、散歩から帰ってきていつものように郵便受けを見ると、黒い巻物が入っていた。これは絶対鬼からの手紙だと騒いでいたのです。冷静なWちゃんは、「まだ、中も見てないのに、鬼からの手紙かどうかわからへんやん!」しかし、興奮気味の男の子たちは「絶対鬼からの手紙やて!だって去年もこんなんやったもん!」といっています。

そうなんです。去年も節分前のこの時期に、鬼から手紙が来て、近々保育園に行くと書いてあったのです。早く中を見てみたい5歳児たちですが、3歳児4歳児の子どもたちも一緒に見られるように、おやつを食べ終わってからみんなで開いてみることにしたようです。

おやつが終わっていよいよ手紙を開く時間です。私も子どもがどんな反応をするのか興味があったので見に行きました。子どもたちの後ろでおとなしく見ていようと思ったら「保育園に来た手紙は園長先生に読んでもらわないと」と担任に言われ、私が手紙を読むことになりました。

おもむろに黒い巻物を開くと、毛筆でなにやら書いてあります。子どもたちに見せると「わー!やっぱり鬼からの手紙や!」「なんて書いてあんの、はよ読んで!」と催促されます。手紙には、「わしは鞍馬山の奥に住む鬼だ。」とあります。やはりおにからのてがみでした。内容は、お父さんやお母さんの言うことを聞かない子、好き嫌いをする子、夜更かしをする子、友達に意地悪をする子はいないか、探しに行くというものでした。

それを聞くだけで怖くなって泣き出してしまう子、全く怖がらない子、いろいろですが、節分当日が、怖くもあり楽しみでもあります。鬼は本当にやって来るのでしょうか・・・

節分にちなんだ子どもたちの作品

鬼からの手紙の内容に耳を傾ける子どもたち

スクロール