園長ブログ

手紙

2012/01/31

最近は手紙を書くことが少なくなりました。便利で早いのでついついメールで済ませてしまいがちです。特に手書きの手紙は書く機会が少なくなってしまいました。まして毛筆で書くことはほとんどありません。今日、保育園に毛筆で書いた大きな手紙が届きました。

保育園の玄関に郵便受けがあり、いつもたくさんの郵便物が来ます。最近はいろいろな業者さんが手紙を届けてくださるので、1日に何回も郵便受けに手紙が入っていることがあります。子どもたちが散歩に出かけて帰ってくると、園庭の門から中に入る前に必ず郵便受けを見て、手紙が届いていると私のところに持って来てくれます。

雪がちらちら降るなか、昼食を食べ終わった5歳児たちが午後の保育の担当保育士と一緒に散歩に出かけてゆきました。子どもは風の子とはよくいったものです。寒さなんかものともせず、元気に遊んでいます。おやつの時間近くになって、5歳児たちが帰ってきたのでしょう、外が賑やかです。声が近づいて来たかと思ったら、何人かが部屋に駆け込んできました。「来た!来た!手紙が!」「鬼から手紙が来た!」といいながら、手には黒い紙の筒を握りしめています。
どうしたのと聞いてみると、散歩から帰ってきていつものように郵便受けを見ると、黒い巻物が入っていた。これは絶対鬼からの手紙だと騒いでいたのです。冷静なWちゃんは、「まだ、中も見てないのに、鬼からの手紙かどうかわからへんやん!」しかし、興奮気味の男の子たちは「絶対鬼からの手紙やて!だって去年もこんなんやったもん!」といっています。

そうなんです。去年も節分前のこの時期に、鬼から手紙が来て、近々保育園に行くと書いてあったのです。早く中を見てみたい5歳児たちですが、3歳児4歳児の子どもたちも一緒に見られるように、おやつを食べ終わってからみんなで開いてみることにしたようです。

おやつが終わっていよいよ手紙を開く時間です。私も子どもがどんな反応をするのか興味があったので見に行きました。子どもたちの後ろでおとなしく見ていようと思ったら「保育園に来た手紙は園長先生に読んでもらわないと」と担任に言われ、私が手紙を読むことになりました。

おもむろに黒い巻物を開くと、毛筆でなにやら書いてあります。子どもたちに見せると「わー!やっぱり鬼からの手紙や!」「なんて書いてあんの、はよ読んで!」と催促されます。手紙には、「わしは鞍馬山の奥に住む鬼だ。」とあります。やはりおにからのてがみでした。内容は、お父さんやお母さんの言うことを聞かない子、好き嫌いをする子、夜更かしをする子、友達に意地悪をする子はいないか、探しに行くというものでした。

それを聞くだけで怖くなって泣き出してしまう子、全く怖がらない子、いろいろですが、節分当日が、怖くもあり楽しみでもあります。鬼は本当にやって来るのでしょうか・・・

節分にちなんだ子どもたちの作品

鬼からの手紙の内容に耳を傾ける子どもたち

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