園長ブログ

ディズニー

2012/07/18

近畿地方で梅雨明けが発表されて、急に夏空が広がり暑くなってきました。京都の梅雨は祇園祭の山鉾巡行とともに明けると言われることがあるそうですが、本当にその通りとなりました。今日から梅雨明け、といっても昨日まで降っていた雨が急に上がって晴れるということはないはずですが、先日の豪雨のあとは良く晴れて梅雨明けとなったようです。各地で気温が上がり、熱中症が心配されます。今のところ、鞍馬は比較的涼しく、風があると過ごしやすい感じです。園庭では早速プール遊びが始まっていました。

一ヶ月ほど前のことになります。京都保育研究集会に参加しました。午前中は講演、午後から分科会という構成で、講演も分科会も聞いてみたい内容だったので、参加を申し込みました。

講演の講師は、JSパートナー株式会社代表取締役 福島 文二郎 氏です。福島氏は東京ディズニーランドを運営する株式会社オリエンタルランドで、様々な研修や教育プログラムを企画、実施してこられ、現在は、JSパートナー株式会社を設立し、研修や教育を中心としたコンサルティングや講演を行っていらっしゃいます。著書『9割がバイトでも最高のスタッフに育つ ディズニーの教え方』が人気です。私も前にこの本を読んだことがあり、職員が理念を自分のこととして日々の仕事に取り組む。そんな姿勢を育むためには何が大切なのか。という私の課題に近い内容だと思って興味を持っていました。

講演は、「東日本大震災が起こったとき、ディズニーリゾートで一番怖い思いをしていたのは誰だと思いますか。」という質問から始まりました。答えは「子どもたち」だったそうです。そんな子どもたちの不安をなんとかやわらげ、より安全でいられるようにするためには、何をすれば良いのか。とっさにそう考えた現場のキャスト(ディズニーでは従業員のことをこう呼びます)はショップの棚にあった売り物のぬいぐるみを、「安心して!ミッキーが守ってくれるからね!」とことばを添えて配ったそうです。その後も、ゲストの安全と安心のために様々な工夫を凝らした対応がなされたことは、多くのメディアで取り上げられているのでよくご存じの方も多いでしょう。

最初にぬいぐるみを渡したのは、現場の若いキャストだそうです。なぜ、若いアルバイトのキャストにそんなことができたのか。それはディズニーの全てのキャストが「全てのゲストに ハピネス を提供する」というミッション(理念)のもと、4つの行動指針により行動することを常に考え実践しているからだそうです。キャストの全てが、このミッションと行動指針によって、今最も必要なことは何かを考え行動しているというのです。

売り物のぬいぐるみを配るという行為は、一人のアルバイトキャストが最初に行ったそうですが、それによって安心する子どもの姿を見たショップのマネージャーが他のショップにもそのことを伝えたことで、他でも行われたのだということでした。

行動指針の一番最初にあるのが「安全」だそうです。ゲストの安全が守れ、安心を差し上げられてはじめてハピネスを提供できるからです。ゲストの安全と安心を守るためには、例え売り物のぬいぐるみでも配ってしまうことをも積極的に行うのです。

何を大切にして、そのためにはどう行動するか。キャスト一人一人が自分のこととして考え実践する企業風土がしっかりと根付いているのですね。

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