園長ブログ

懐かしい顔

2012/07/17

先日、主任が「○○さんから電話がありました。」というのですが、私には○○さんがわかりません。早くもボケたかなと思って首をかしげていたら、「卒園児の○○さんですよ」と主任。どこかの園の先生か、業者さんか、役所の方、くらいの範囲で考えていたので、思い当たるはずもありません。

今度の水曜日に園に来たいのだが、予定を聞かせて欲しいという内容だったようです。たまたまその日のその時間は空いていたので、園で会うことにしました。それにしても、懐かしい限りです。私が保育園に関わり始めたころに卒園した子なので、卒園から20年以上になります。

約束の時間、やってきた顔は卒園したときのままと言って良いくらいです。大人になると、あまりわからなくなってしまう人が多いのですが、彼は子どもの頃からそのまま大きくなったたという感じです。近況を聞くと、営業職として頑張っているとのこと。後輩の指導など悩むこともあるが、仕事はおもしろいといいます。とても頼もしく思えて、嬉しくなりました。

保育園も園児が20人ほどしかいなかった当時から比べると、園児数も増えて随分変わったことを伝え、園内を案内しました。ここであんなことした。あそこはこんなだった。ここが変わった。建物が小さくなったように感じる。などと彼が話すのを聞いていると、当時のことが昨日のように思い出されます。

私が「泣き虫でいつもめそめそしたいたなー」というと、「先生とは思いっきり走って追いかけっこをしたり、かたぐるまをしてもらったり、いっぱい遊びましたね。」というので、当時は体力があったから、思いっきり一緒に遊んでたことを思い出しました。彼が、園児達が園庭で元気に遊んでいるのを見ながら「考えてみるとあの頃先生は、今のボクと同じくらいの年だったんですね。そんな風に思うと不思議です。」といいます。本当に時間の経つのは早いものです。ボケッとしている暇はないなーと感じました。

ひとしきり、当時の話をして盛り上がったあと、今日はお願いがあって来たのだと言います。何かと思ったら、今度結婚することになったので、是非結婚式に出席して欲しいということでした。

普通は、大学の先生など、何らかの指針を示してくれた人やとてもお世話になった人などに頼むのではないのかと思いましたし、少し遠慮もあったので、「保育園時代という今から一番遠い過去に縁のあった私で良いの。」とたずねると、「ボクにとっては、保育園のときのことが一番思い出に残っているんです。」と答えてくれました。

とても、嬉しかったと同時に、「乳幼児期の経験が大人になった時に大切な意味をもっているのだ。子どもが今を主体的に最も良く生き、将来より良い社会を構築することができるようにしっかり育てているか?」と改めて問い直されている気がして自然と背筋が伸びました。

後日、結婚式の招待状が届きました。喜んで出席させていただくつもりです。

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