園のこだわり

伝統

2012年3月7日

鞍馬社会福祉協議会の行事で、京都市内を巡ってきたことを書きました。二条城の二の丸御殿を見学して、そのすばらしさに改めて気付くとともに、技術や技法をはじめとした様々な文化が発展し、後世に伝えられるためにも、それを形にすること、作ることが大切なのだと思いました。二条城の造営には大変な費用と労力がかかっているでしょう。それが文化を生み出し、後世に伝える役割を果たしたのです。

今、いろいろな自治体で文化的なものに対する予算が削減されているところが増えています。もちろん無駄な費用は切り詰めなくてはなりませんが、文化を伝承するために必要なことには予算をかけるべきだと思います。行政が行うべきでしょうけれど、その力が足りないときは力のあるところがその役を担うべきです。今、目の前の予算削減だけのために、長い年月と労力をかけて築いてきたものやことが途絶えてしまうのはとても残念です。

ずいぶん前になりますが、錺金具の技術を伝承されている方からこんな話しを聞いたことがあります。「戦後、生活の様式自体が変わり、昔のものを使わなくなり、経済第一主義だけにかたよってしまい物の価値を正確に判断でなくなってしまった。本来人間はいかにあるべきか、全てそれからスタートすべきだ。」
短い時間的スパンで考えたコストだけで、ものごとを計るべきではないということだと思います。また、こうも仰っていました。
「いくら良い技術を持っていてもそれを発揮する場がなければ継承してゆくことができない。そのためには本当に価値あるものを理解し、それを選んでくださる方がいなければならない。」
今こそ本当に価値ありとすべきものは何か、よくよく考えてみる必要があるのではないでしょうか。

伊勢神宮で20年ごとに行われている式年遷宮も職人の技術や様々な文化を後世に伝えるのに重要な役割を果たしているのだと思います。発注する人がいて、はじめて職人さんは製作できるのです。

京都御苑の中に平成17年に京都迎賓館が開館しました。そこには京都の伝統的技能が活かされています。伝統をそのまま受け継ぐだけではなく、伝統に根ざしつつ、新しい感性や最新の技術で作られた現代和風建築です。
この迎賓館の建設は税金の無駄遣いだなどと批判されたこともありましたが、そこにはすばらしい技術がちりばめられています。一度、少しだけ見学させていただいたことがありました。決して派手ではありませんが、細部にまでこだわった美しさが圧倒的な質感をもって迫ってくるようで、心を動かされました。

本当に大切にしなくてはならないもの、子育てや教育の分野でももう一度見つめ直す必要があります。

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