園長ブログ

野生動物

2012/01/07

当園は山の中にあるので、よく野生動物が近くに来ることがあります。昨日のブログでも鹿や猪、猿について書きましたが、人間の活動と直接関わりのある比較的大型の動物はこの3種類くらいです。もちろん山の中にはもっとたくさんの動物がいます。もう少し山深いところでは、時々熊が出るという話しも聞きます。

最近各地で鹿の食害が問題になっていますが、鞍馬でも例外ではありません。一昨年までは昼間でも園庭の近くや畑の上の山でよく鹿の姿を見かけました。鹿がそのあたりを歩いていることがあまりにも普通になっているので、動物園に行ったときに柵の中に鹿が入っているのを見て違和感を感じてしまったくらいです。

以前は鹿を見ることは少なかったのですが、数年くらい前から特によく見かけるようになった気がします。山に食べ物がなくなっているから里に下りてきていると言われますが、個体数も増えている感じがします。鹿が頻繁に見られるようになってから、山の様子が変わりました。草という草を食べ尽くすので、緑がほとんどなくなって山の中で目に入る色は茶色になっています。鹿は草がなくなると木の皮をむいて食べるので、木が枯れてしまうこともよくあります。また、鹿は適応力が高いのか、食べるものが少なくなるとそれまで食べることがなかったものまで食べるので、一部のシダ類や樒などを除いては草や低木がなくなってしまいました。

鹿の食害が増えた原因は温暖化、天敵であるオオカミの絶滅、杉や檜の植林と広葉樹林の減少による餌不足、狩猟の減少など様々な要素が複雑に絡み合っているのだと思いますが人間の様々な活動が関係していることが多いのではないでしょうか。

鹿による食害という問題が起こると、ただ単に鹿を駆除すれば良いという意見が出てくることがありますが、それほど短絡的なものではないようにも思います。増えたから減らす、減ったから保護するというような目の前の問題だけに対応する方法だけではなく、長く広い視点を持ち、どう共生してゆくのかを人間の上から目線ではなく、同じように生きている「いのち」という立場で、人間が全てをコントロールできるわけではないということを忘れずに考えてゆけると良いと思います。

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