園長ブログ

集中 3

2014/07/12

自分の動作一つひとつをことばにしてみる。それはまるで実況中継のようでもあり、自分のしていることを自分自身に報告していることでもあります。

動きを意識することに加えて、同時にその時々に感じられる感覚、視覚、聴覚、触覚、嗅覚、味覚でそれぞれどう感じているかを意識します。そうすると自分の行動と、それにより刺激されている感覚器官と、そこから入ってくる刺激を客観的に認識できます。

そして、動作一つ一つを意識するので、丁寧な動きになります。物を置くにしても、置くことを意識するので、きちっと置いてから手を離すようになりますし、乱暴に無造作に置くことも少なくなります。それは物を大切に扱うことですし、がさつで落ち着かない感じを作り出してしまうことも防ぐことができます。

ですから、時々子どもたちに昼食を食べ終わった後の食器を片付けるときに、「できるだけ音がしないように置いてみない。」と提案することがあります。そうすることで、多少時間はかかるかもしれませんが、子どもは自分の感覚を総動員して、音を立てないように食器を置こうとします。手先を中心とした体の動かし方を意識するでしょうし、食器を持つ指先の感覚や重さを感じている腕の感覚、そして、どこに置くと良いのかを判断するための視覚。音がするかしないかを聞き分ける聴覚などを主に使っていると思います。

カチャっと音がしないように置くのはなかなか難しいのですが、子どもたちと挑戦すると、楽しんで取り組んでくれることが多いのです。

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