園のこだわり

見えないものの大きな力

2014年1月28日

NHKスペシャル「和食 千年の味のミステリー」という番組見て、麹菌が和食の味に深く関わっていることを改めて思い直しました。1000年も前から私たち日本人は麹菌の力を借りて酒を醸し、様々な食品を作ってきたばかりではなく、麹菌を育ててきたことを知りました。麹菌のおいしいお酒を造る力や、安定して生きる事のできる力を整えてきたのです。麹菌に優しく寄り添い、祈りをこめて育ててきたようなイメージを私は持ってしまいます。

番組を見て驚いたことが他にもあります。和食の出汁の基本は昆布と鰹節ですが、実は昆布も鰹節も様々な微生物が作用することでおいしくなっているのです。昆布は蔵で2年以上寝かせてはじめて使うことができるようになります。そして熟成するほどにおいしくなるようで、昆布問屋には平成元年から25年間も寝かせてある蔵囲いという昆布もあるそうです。

蔵囲い昆布とそうでない昆布でとった出汁を分析して比べると、コハク酸をはじめ、6種類の物質が熟成した昆布にだけ含まれていたようです。これらの物質が複雑に絡み合うことで、昆布のこくが生まれているのだと言います。長い間、蔵の中で寝かすことによって、そこに微生物が集まってきて、独特の味を醸し出すのでしょう。

カビを初めとした微生物がいなければ、そしてそれらをうまく活かすことがなければ、昆布だしのこくは生まれないのです。昆布蔵の中にはたくさんのカビや微生物が住んでいるそうです。それらの微生物がそれぞれの役割をうまく果たしながら、長い時間をかけて関わることで出汁に使える昆布ができるのですね。人間にできるのは、微生物が精一杯働ける、役割を果たせる環境を整えてあげることでしょうか。

昆布だけではなく鰹節も出汁には欠かせない材料です。昆布だしに鰹節を加わると人間の舌は7倍もの旨みを感じるそうです。この鰹節もできあがるまでには何度もカビをつけて、1年以上熟成させるといいます。ユネスコの無形文化遺産に登録された和食ですが、その味のほとんどがカビを初めとした微生物の働きによってできているのです。目に見えない、小さな小さな生き物たちによって支えられているのですね。

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