園長ブログ

恐竜博物館 5

2013/11/16

地球上に酸素が増えることによって、それまでとは環境が大きく異なり、酸素を使わない生き物にとっては、生きにくい環境になってしまいました。一方で酸素を効率的に使う生き物も現れてきました。酸素から大きなエネルギーを得られる反面、強い酸化作用も持ちます。活性酸素が細胞を傷つけてしまうとも言われています。

環境が変わることで、生物にも変化があります。大きな変化の一つは、真核生物の誕生だと解説されていました。

真核生物がどうやって発生したかにはいろいろな説があるそうです。古細菌が原始真核細胞のもととなり、そこへいくつかの真正細菌が遺伝子を送り込み、今の真核生物の核内の遺伝子が作られたという考え方、古細菌と水素排出性細菌がいる環境で古細菌が水素排出性細菌を取り込むことで、物質を共有して代謝を行う共生系が成立、その代謝の経路を変化させて行く過程で、核とミトコンドリアが作られたという考え方です。

酸素が増えたことによって酸素を使わない嫌気性の生物(細菌)にとっては生存しにくい環境になってきましたが、一方で酸素をうまく使う好気性の菌が発生してきました。これらの好気性の細菌を取り込んだ嫌気性の細菌は、酸素をうまく使えるようになり、動物細胞の元になった。さらに、シアノバクテリアを取り込んだ細菌は植物細胞の元になった。と説明されていました。

また、取り込まれた好気性の細菌はミトコンドリアとなって現在でも酸素呼吸の役割を担っているそうです。

詳しいことはまだまだわかっていないのかもしれませんが、細胞のでき方を見ても私たちの体を構成する細胞ひとつひとつの中に、生命進化の記憶が存在していることを改めて知りました。

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