園長ブログ

カエンタケ

2013/09/26

自然は美しく優しく私たちの心を和ませてくれます。しかし、時として先日の台風のように、災害をもたらすこともあります。災害とまではいかなくても、自然の生き物の中には人間に危害を加えるものもいます。ハチやマムシ、ムカデなどに刺されたり噛まれると痛いだけでなく、時には命に関わることもあります。もちろんもっと大きな動物といえば、イノシシやクマなどにも注意が必要です。植物にだってトゲを持ったものやウルシのようにかぶれるものもあります。毒を持つものといえばきのこが思い浮かぶかもしれません。テングダケなどは時々見かけます。毒きのこは食べられるきのこと間違って食べて食中毒を起こすという例が多いので、野生のきのこを食べなければ大丈夫だと思いがちです。しかし、食べなくても触るだけで皮膚がただれるという強毒のきのこがあるのです。それは「カエンタケ」というきのこす。色は鮮やかな赤やオレンジで、地面や枯れた木から指が突き出たような形で群生します。その名の通り炎が燃えさかっているような姿にも見えます。そんな猛毒のきのこが近くの山で見つかっているので気をつけなくてはなりません。この辺りでカエンタケが見つかったということは今まで聞いたことがなかったのですが、昨年くらいから増えているようです。
調べてみると、ナラ枯れで枯れてしまった樹木に発生することが多いようで、ナラ枯れが発生したところで多く見つかっているそうです。この辺りもナラ枯れの被害にあって枯れてしまったカシなどの木があり、その近くに生えているようです。京都府下や滋賀県などでも急増しているようで、行政や専門家が注意を呼びかけています。
ナラ枯れ防除のために、被害に遭った木を伐採し、薬剤で燻蒸するという方法が多く行われていますが、この薬剤の使用と、カエンタケ急増の間には因果関係はないのか、ちょっと気になっています。

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