園長ブログ

放生会

2013/09/23

9月19日は旧暦の8月15日でした。この日にはお寺の行事として放生会が行われ、5歳児たちが参加しました。放生会は殺生を戒め、捕獲された魚や鳥を池や野山に放し、放生の功徳を積むという意味があります。天台大師智顗が猟師が雑魚を捨てている様子を憐れみ、魚を買い取って放生池に放したことに始まったといわれています。

園児たちには、いろいろな生き物がいて、気がつきにくいけれどもみんな繋がっているから、いろいろな生き物がいることで私たちも生きる事ができること。そして、私たちはいろいろないのちをいただいて生きさせてもらっているから、いろいろないのちにありがとうという思いを込めて、魚を放すのだ。と説明しました。

法要が行われている間、子どもたちは静かに参列したあと放生池にいる魚たちに餌をあげに行きました。本来なら魚を放すところですが、池の中にはたくさんの魚がいて、これ以上数が増えるとかえって魚にとって良くないだろうという思いから、代わりに今いる魚たちに餌をあげることで、放生に代えています。

子どもたちは池の近くまで行って魚たちに餌をあげていました。このときは麩を餌がわりに使いましたが、麩をそのまま池に投げ入れる子もいました。そうすると大きな鯉は大きな口を開けて、麩を丸ごと口に入れることができるのですが、小さな鯉や金魚は、何匹かが一つの麩に集まってみんなで食べていました。その様子をじっと見ていた女の子が、しゃがみ込んだと思ったら、麩を小さく割って水面にパラパラとまいていました。きっとこの子は、小さな魚が餌を食べられないのを見て、かわいそうだと思い、小さな魚も食べられるように麩を小さくしてあげていたのだと思います。その優しさが伝わってきて、心が温かくなりました。

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