園長ブログ

じりつ 1

2013/04/16

「じりつ」ということが言われます。じりつには「自立」「自律」があります。「自」はもともと正面から見た鼻の形で、自分自身を指すときに鼻を指さしたり、鼻を触ることは昔も同じだったようで、そこから、「みずから、おのれ」の意味になったそうです。「立」は手足を広げて立つ姿を現す「大」と立つ位置を表す「一」とが組み合わさっています。「律」は筆の意味で一律に交付するという意味をしめし、「のり、おきて、さだめ」の意味となったそうです。(常用字解より)

自立 他の助けや支援なしに自分の力でものごとをやってゆくこと
自律 自分の行為を主体的に規制すること。外部からの支配や制御から脱して、自身の立てた規範に従って行動すること。

と辞書にはあります。

自立って何でしょう?
河合隼雄氏は日本人は西洋から入ってきた自立という概念を、なんでも人に頼らず自分でおこなうこと、そのためにはしがらみを切り捨ててゆくことだと誤解してしまった。依存を否定することが自立になると誤解した。そしてそれをやっているうちに、繋がっているべき家族がバラバラになってしまい、自立するつもりが、孤立してしまった。
誰にも依存せずに、ひとり1人がバラバラになることが自立ではない。誰にどのように依存しているかをよくわかっていて、依存したことに感謝できる人が、自立しているということだとおっしゃっていました。(河合隼雄講話集)

ヒトは1人で生きてゆくようにはできていないようです。自立する部分と依存する部分があると言うことは、お互いを尊重しつつ助け合うということだと思います。

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