園のこだわり

受けとめる

2012年10月7日

栗を拾って、イガを外すことができるものは外し、できないのはイガがついたままバケツに入れるなどして栗拾いが一段落すると、子どもたちは自然に次の遊びを始めました。

3・4・5歳児の男の子を中心に始まったのが、石垣登りです。栗の木がある斜面とその下の道とのあいだは高さ3メートル近い石垣なので、子どもたちが登ってみたくなるのは自然なことです。その石垣は1.8メートルくらいのところで折り返しがあり、幅50センチくらいの犬走りがあります。ちょうど階段が一段あるような感じです。子どもたちは、その犬走りのところまで登ろうと頑張ります。登れなくて、保育士に手伝ってという子もいますが、自分で登れる範囲で登らないと、かえって危ないので子どもにはそう伝えます。

いろいろと工夫しながらようやく登りきって犬走りに立ってみたものの、下を見るとかなりの高さなので、怖くなってしまう子もいました。「先生下りられない」と助けを求めますが、「自分で登ったんだから自分で下りてね。」と保育士もすぐに手を出すことはしません。石垣の上にずらっと並んで、小さな恐怖心と戦いながら子どもたちは試行錯誤していました。

実際石垣を登るのは比較的簡単でも、下りるときは少し怖さが伴います。特に下りはじめは、どこに足をかけると良いのか見えにくいので余計に不安なのだと思います。中にはコツをつかんで下りられる子もいますが、怖さが先に立ってしまう子もいます。

どうしても下りられない子が何人かいたので、保育士も助け船を出すことにしたようです。ただし、すぐにだっこして下ろすようなことはしません。「先生がしっかり受け止めてあげるから、先生に向かってジャンプしてみて!」という助け船です。そっちの方が怖いかも・・・と思ったりしましたが、そんなことをいうと子どもたちが余計に怖いと思ってしまうので、黙って見ていると、すぐに思い切ってジャンプする子、何度もためらいながら、ようやくジャンプできる子、何度も挑戦しようとするけどなかなかジャンプできない子、様々です。

一度ジャンプできた子は、それが面白くなって、何度も登ってはジャンプして保育士に受け止めてもらっていました。何度もためらって、ついに思い切ってジャンプできた子の笑顔は、達成感でいっぱいでした。

そんな中、どうしてもジャンプできない男の子がいしました。ジャンプどころか、犬走りの上で向きを変えて石垣に背を向けて立つこともままならないのです。ようやく向きを変えられても、怖くてジャンプなんてできません。みんなに「がんばれ!」と応援されたのがかえってプレッシャーになったのか、ついに泣き出してしまいました。「泣いてないで、がんばれ!」と声をかけたくなる場面です。しかし、保育士はそれ以上励ましても辛くなるだけだと思ったのか、石垣の上で泣くその子に、「がんばったんだね」と声をかけてから、だっこして下ろしてあげました。ジャンプすることはできなかったけれど、怖さに耐えて頑張った子どもの気持ちもしっかりと受け止めながら、だっこして下ろしてあげていました。

子どもの気持ちをしっかりと受け止めていることが、とてもステキだなと思った瞬間でした。

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