園長ブログ

赤ちゃん学 ~感覚~

2012/09/11

赤ちゃんはお母さんのお腹の中で動くことによって、自分を知り他を知り学習をしているということを前に書きました。家内が妊娠中に、よく「赤ちゃんがお腹を蹴っている」と言っていました。その時は、本当かな?どうして蹴っているとわかるのかな?と思っていたのですが、胎児はキッキングといって妊娠11~12週ごろから足を蹴るように動かすのだと知りました。家内の言っていたことは間違っていたわけではなかったようです。このキッキングは生まれてから歩くための練習をしているのです。にわかには信じ難いのですが、歩く時と同じ足の動きをしているそうです。こうして赤ちゃんは自ら動き、触覚を使って学び、生まれてからに備えているのですね。生まれてからも、動くことと、触ることを大切にしてあげると良いのかもしれません。

私たちは視覚にしょうがいがなければ、多くの情報を目から得ています。60パーンセントくらいを視覚情報に頼って生きているそうです。ところが胎児は触覚で生きているそうで、視覚は最後に完成するのだそうです。大人が視覚人間だとすれば、赤ちゃんは触覚人間。異なる世界に生きているといえます。ですから赤ちゃんの「触る」を大人の感覚で捉えない方が良いのかもしれません。

生まれたばかりの赤ちゃんも光に反応して、脳の視覚野が働くそうなので、お腹の中ですでに視覚は完成しているということです。

他の感覚はどうなのでしょう。

聴覚は、いろいろな音を赤ちゃんに聞かせると、音の刺激に驚いて動きます。赤ちゃんが生まれてからでもお腹の中で聞いていた音を聞くと泣きやむということはよく言われています。

味覚も胎児はわかるそうです。胎児はお母さんのお腹の中で羊水を飲んいます。これも生まれ出てから母乳を飲む練習をしているのかもしれません。羊水に苦い味をつけるとあまり飲まなくなり、しかめっ面をするともあるようです。逆に甘い味をつけると、よく飲むそうです。

嗅覚についてはどうなのでしょう。臭いは空気中の化学物質に反応することで感じるので、羊水という液体の中でも臭いを感じているのでしょうか。嗅覚は7ヶ月の頃にはできていて、生まれてすぐに母乳のにおいを嗅ぎ分けることができるそうです。

感覚ではありませんが、胎児の心拍数、体の動き、目の動きをそれぞれ計測してみると、35週ではバラバラだった3つが38週ごろには同調してくる。起きている時、寝ている時がはっきりしてくるということです。意識と無意識という状態がでてきているということです。

こうやって赤ちゃんはお母さんのお腹の中にいる時には既に、生まれ出てから必要な能力を獲得するためにいろいろなことに挑戦しているのですね。

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