園長ブログ

信じて見守る

2012/07/26

作物を育てるにあたってあまり手を加えず、できるだけ自然に任せて育てる方法をとることにしました。

無精な私でも取り組むことができそうだから・・・ではありません。

様々な作物が、できるだけ自然な環境において、他の作物や作物以外の植物、動物などとの自然な関わりの中で育って欲しいと考えたからです。ですから、土も耕しませんし、水もやりません。雑草と呼ばれる草が生えても引き抜かず、背が高くなるようなら少し切るくらいです。だから、畑に行っても何もすることがありません。

実際いろいろ手をかけなければならないとなると、ちょっと難しいように思います。「結局、無精なだけじゃないか。」という声が聞こえてきそうですね。でも、しっかり育って欲しいと思って毎日畑に行っても何もすることがないのは少し寂しいものです。つい、何か手を出したくなり、それを我慢するのが大変です。

そんな感じですから、時には作物がピンチに立たされることがあります。6月も終わりの頃、植えた直後からあまり元気のなかった2株の茄子が、1株は全ての葉がしおれて腐ったようになってしまい、もう一株も葉が一枚ずつ黄色くなって落ちてゆきます。この茄子くん達はこの土地には合わなかったのかな、残念だけれどもしようがないなとあきらめていました。

そのうえ、7月7日のお泊まり保育の日に畑に行ったら、それまで順調に育って60センチくらいの背の高さになっていたトウモロコシの半分以上が倒れているのです。強い雨のせいだったのでしょうか、原因はよくわかりませんが、斜めに倒れています。これは起こしてあげた方が良いと思って起こしてみますがすぐに倒れます。根の周りに土を盛ろうかと思いましたが、うまくゆきません。支柱を立てて支えようとも思ったのですが簡単にはできませんでしたし、そうした方が良いのかどうかもわからなかったので、「頑張れよ!とうもろこしくん!」と声をかけるだけで、そのままにしました。

お泊まり保育が終わった後の7月9日と10日、出張で東京に行っているあいだもトウモロコシは大丈夫なのかな、茄子は可哀想なことをしたな、と気になってしょうがありません。出張から帰った翌日、トウモロコシを支柱で支えてやろうと畑に行ってみたら、倒れていたトウモロコシはみんなちゃんと起き上がっていました。その時の嬉しかったこと。思わず、「頑張ったな!とうもろこしくん!良かった、良かった」とトウモロコシに声をかけていました。

茄子はどうなっただろうかと思って見に行ったら、1株はしおれた葉の下から小さな新しい葉がいくつも出ていましたし、もう1株は落ちた葉に変わって元気な葉が大きくなっています。もうダメかと思った茄子も、自分の力で復活していたのです。こちらは嬉しいというより驚いてしまいました。

自然の力のすごさを感じてしまうと同時に、「この子たちはきっと大丈夫」とまるごと信じて見守ることの大切さを、茄子やトウモロコシから教えてもらったように思いました。

  しおれてしまった茄子の葉

   茄子くん見事に復活

 倒れてしまったトウモロコシ

  自分の力で起き上がりました

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