園長ブログ

地蔵盆 2

2011/08/24

地蔵盆のお参りをしました。この時期にしては珍しく雨模様。

川上地蔵堂でお参り

最初は園から200メートルくらい山を登ったところにある川上地蔵尊にお参りします。川上地蔵尊は牛若丸の守り本尊といわれ、牛若丸ががいたと伝えられる東光坊跡の前にあります。園を出発する少し前、激しい雨が降ってきました。このままでは行けないかなと思っていたら、出発直前になって雨が上がり4歳児5歳児がお参りに行きました。

次は園に戻り全園児で童形六体地蔵尊にお参り、いつも地蔵盆を支えてくださる方々や保護者も加わってのお参りです。

最後は園舎の2階でもう一度お参りをした後に数珠繰りをします。みんなで一つの輪になって、お地蔵様の真言を唱えながら大きな数珠を隣に送るようにして回す(繰る)のです。

童形六体地蔵尊にお参り

お参りでは般若心経を3回も唱えたにもかかわらず、子どもたちは一生懸命お唱えしていましたし、数珠繰りも随分時間がかかるのですが、「オン カカカ ビサンマエイ ソワカ」と元気にお地蔵様の真言を唱えながら、数珠を回していました。

前にも書いたようにお地蔵様は、すべての衆生をお救いくださいます。子どもたちにも「お地蔵様はいろんな姿に変身して困っている人を助けてくださるんだよ。」と説明しました。

しかし、助けてくださるってどういうことなのでしょう。お参りがすべて終わって片付けをしている間に考えてしまいました。

みんなで輪になって数珠繰り

生きてゆく上ではいろいろなことが起こってきます。どうしようもなく辛いこと悲しいこと、自分自身の力ではどうしようもないこと。お地蔵様はそんな目に遭わないように、そんなことが来ないようにしてくださるのでしょうか。そうかもしれません。転んだときにけがをしないように、けがをしても大けがにならないように、そっと手をさしのべてくださるのかもしれません。

それでも、つらいことや悲しいこと苦しいことはやってきます。それを乗り越えるのは、やっぱり自分自身です。お地蔵様が代わりに乗り越えてくださるわけではありませんし、他の誰かでもありません。乗り越えるのは自分自身しかないのです。その力、心の力と言っても良いかもしれませんし、気づく力といっても良いかもしれません。お地蔵様はそれを与えてくださるのではないのでしょうか。

その姿勢は、ああしなさい!こうしなさい!あれはだめ!これもだめ!と自分の考えを押しつけたり、急がせたりせず、そっと、じっと、その人が気づき自分から変わるのを見守ってくださっているイメージのような気がします。

お地蔵様は様々なお姿になって救ってくださいます。子どもたちにもそう説明しました。それは、救う人に合わせること、別のことばで言えば、その人の個性を尊重するということなのではないでしょうか。

ついつい、自分の考えが一番正しくて、他の人をそれに従わせたくなる。自分の正しい(と思い込んでいる)考えに従わないヤツはダメだ!と思ってしまう。そんな欲にとらわれ、それがかなわないといって、自ら苦しみを作ってその苦しみの奈落に自分で落ちてしまいがちです。

苦しむのも自分、苦しみから救われるのも自分なのでしょうね・・・

苦しみや怒りの心にもってゆかれてしまわないように、自分の心を律してゆきたいと思います。

 

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