園長ブログ

楽しい

2011/12/03

「楽しい」は当園の大切にしていることのひとつでもあり、基本コンセプトでもあります。ただ、「楽しい」と一言で言いますが、それほど簡単なことでもないようにも思います。楽しいって、どういうことでしょう。ただ単に、おもしろおかしい楽しいもあれば、努力の積み重ねによってしか得られない達成感のような楽しさもありますし、だれかと気持ちが通じ合ったときの楽しさうれしさもあります。いろいろな「楽しい」があります。どんな楽しさでも、それぞれに大切ですし、どんな状況からでも楽しさを見つけ出すことができればうれしいと思います。しかし、どうしても「楽しい」というと、おもしろおかしいだけの楽しさがイメージされることが多いようです。

ある会社に勤める30代前半の知り合いの男性と久しぶりに会い話す機会がありました。初めて会ったのは、その方が小学生か中学生くらいの時だと記憶しているので、もう20年近くも前になります。

彼はとても頑張って仕事をしていて、夜遅くまで会社で仕事をしたあと、家にも持ち帰って仕事をし、寝るのは日が変わってから。にもかかわらず、翌朝5時には起きて始発で出社することもあるというほど頑張っているそうです。若いからこそできることだとうらやましく思いました。断っておきますが、決して長時間労働を賞賛しているわけではありませんので、誤解しないでください。

そんな彼に、私は「仕事は楽しいですか。」と尋ねてしまいました。すると彼はしばらく考えて、「今は、ともかくがむしゃらにでもやるだけで、楽しいかどうかはまだわかりません。」と答えてくれました。

私は簡単に「楽しい?」と尋ねたことを後悔しました。私の口にした「楽しい」が薄っぺらだったなと思ったのです。それと同時に、本当の楽しさは重ねた努力の上にこそ感じられるのかもしれないと考えました。楽しさと努力することは、楽しいからこそ努力もできるし、努力が報われて楽しくなることもある。お互いに補い合うものでしょうか。また、一方で、ただ楽しいことがあっても良いとも思います。

「楽しい」といって、そればかり考えていると、どうしても狭い視野や短いスパンで考えて、楽しいか楽しくないかという判断をしがちですが、いつも、いろいろな方向から考え続けていることが必要だと思い直しました。

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