園長ブログ

不安

2014/04/07

「京都の福祉」という京都府社会福祉協議会の機関誌があります。「もえくさ」というコラムに障害者施設建設反対運動についての記事がありました。NHKの番組で取り上げられていたようです。

国は、しょうがい者が自立した生活を送ることができるよう、施設で暮らすしょうがい者が地域のグループホームなどに移って生活する「地域生活移行」を進めています。グループホームですから何人かのしょうがい者といわれる方が、支援を受けながら普通に家で暮らすような生活をします。そんなグループホームの建設に対して各地で反対運動が起きているのだといいます。NHKの調査によると、過去5年間にこうした反対運動(施設コンフリクトとよばれるそうです)が58件も起きている。しょうがい者の家族の会の調べでは60件の施設コンフリクトのうち、36件は計画断念や、予定地を変更することになったそうです。

どうして、反対するのかなと思ったら、「女性の後を付け回したりしないか」「ギャーとか、動物的な声が聞こえる」「地価など、資産価値が下がる」といった不安や「周辺の道路が狭い」という反対理由などがあるそうです。しょうがい者と呼ばれる人たちと暮らすことに不安を感じているそうです。

そんな反対運動を乗り越えてオープンしたグループホームを運営するNPO法人の代表によると、反対する人のほとんどが、しょうがい者とほとんど接したことがない人だ。そして、ネット上にある、突然に突き飛ばすとか、叩くとか、噛みつくといった情報だけで不安感をもち、その不安が悪い方にエスカレートしてゆく。その前提にあるのが、わからないことに対する恐怖だといいます。

代表は、不安を取り除くには知ってもらうしかないと、説明会を繰り返すとともに、入居予定者1人1人のプロフィールを紹介する書類を作り、本人と一緒に近所を回ることを繰り返した結果、反対する人は徐々に減ってきたそうです。「反対している人は、数はそんなに多くはない、声が大きい。だから、とにかく説明をして分かっていただいて、反対している人と戦うのでなく、賛成している人を増やそうと。」活動されたそうです。

決めつけること

スクロール