園長ブログ

メロン 5

2013/11/06

メロンを育ててみて、メロンのことを気にかける、今の様子をよく見て何をすることが必要なのか、しない方が良いのかをしっかりと判断して行う事が大切だと教えられたように思います。もちろん、目的はメロンを実らせることなので、人為的といえば人為的かもしれません。しかし、種を蒔きっぱなしで放置放任しておいては、育つことも実らせることもできなくなります。

自然農もそうですが、「自然に」というのは、何もしないで放っておくことではありません。そうすると、育つものも育たなくなります。他の草や虫などまわりの環境が最大限に活かせるように、また作物自身の力がもっとも発揮できるように考えなくてはならないのです。そのためには、その植物のことをよく知る。目の前の植物の今の状態を把握することが最も大切になってくるのです。

子どもだって、適切な時期に適切な環境を用意し、支えが必要なときにはしっかり支えることで育つのです。子どもは自発的に環境に働きかけることで、主体的に育ってゆきます。しかし、大人は何もしない方が良いなどと「子ども主体」を誤解して、子どもが興味を持てるような環境を整えておかないことは、子どもの発達の機会を奪うことになり、全く無責任な話です。逆に大人の思うようにさせようとしていろいろなことを教え込んでも、子ども自身がしたい発達、その子にとって今必要なことと違っていれば、それもその時に必要な子どもの発達の機会を奪うことになります。

今その子に何が必要なのか知るためには、その子をしっかりと見て、その子は今どう思っているのだろうとその子の気持ちに心を運ぶ必要がありますし、それ以前に発達ということを理解している必要があります。その上でその子が自ら関わりたいと思うような環境を用意します。それをするためには、幅広い知識と柔軟な発想、何よりも子どもにとって最も良い育ちとは何か、ひとり一人異なる子どもが平等に発達の機会を得るためにはどうすれば良いのかを常に基本として考え続けなければなりません。

もちろんメロンと子どもを比べるわけではありませんが、メロンの育ちをふりかえっていたらそんなことを連想してしまいました。ごめんなさい。

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