園長ブログ

関わる

2013/10/07

人類は社会を構成するという戦略をとることで繁栄してきたといわれています。社会を構成するために、人は赤ちゃんのうちから様々なことを学びます。9月に満1歳になったお子さんが入園してきました。初めての環境にきょろきょろもして、いろいろなことに興味を持っているのがわかります。一番よく見ているのは発達の近いお友達の姿です。もちろん、自分より少し発達が進んだ子やずっと年上の子も見ます。そして、いろいろな大人の姿も見ます。こうして、いろいろな人が周りにいる環境が大切なのです。そしていろいろな人と関わることによって、世の中にはいろいろな人がいる事を知るのだと思います。また、自分の発達に必要な人と関わろうとするのです。ですから、いろいろな人と関わることができる環境、特にいろいろな子どもたちが関わりあえる事のできる環境が必要なのです。そういうと、赤ちゃんはお互い関わることはないという声が聞こえてきそうです。もちろん関わるということばの定義にもよりますが、ただ、見ているだけでもある種の関わりを持っていることになると思います。見る相手がいなければ、真似をすることもできません。

前にも書きましたが、赤ちゃんが興味を示すのは人間の顔に似た形です。顔が好きなのか、逆三角形の配置が好きなのかという議論はあるようですが。 ・_・ のような形を好んで見ることがわかっています。また、赤ちゃんは視力が発達していないので、全てのものがぼやけて見えているのですが、人間の顔に加えて、その人がどこを向いているのか、その視線を見分けることができるそうです。人の顔や視線に興味を持つということは人との関わりを築いてゆこうとしているということです。それは本能的なものなのです。

また、こんな実験をテレビで見たように思います。目の機能は問題ないにもかかわらず脳の視覚野を損傷したことで、見る事ができなくなった人に、いろいろな画像を見せると、人の表情だけは見分けることができるのだそうです。他のものは見えないのに人の顔だけは見えるのです。人の顔や表情は視覚や意外の所でも認識しているということなのでしょう。

人の顔や表情は私たちにとってそれほど大切な情報なのです。それは、人と人の関わりが大切だということを意味しているのだと思います。人と人の関わりが大切なのは社会を構成する必要があるからです。

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