園長ブログ

2011/09/17

歯の治療というと、痛い、歯を削る音が嫌い、怖いなどといったマイナスイメージを持つ人が多いと思いますが、私はいつも診てもらっている歯医者さんに行くのが結構好きです。診療イスに座るとなぜか落ち着くのです。でも、なかなか時間がとれなくて長いあいだ行っていませんでした。

先日、久しぶりに、本当に久しぶりに歯医者さんに行ってきました。何年も前に治療した上の前歯に被せてあったものが外れたまま2年ほど放置していて、それがどうも調子が悪いので診てもらうことにしたのです。

診療イスに座ると、先生が、「ん?」と言う感じだったので、あまり長いこと放っておいたので歯が変になったのかな、と少し不安になりながら診てもらうと、前歯が随分前に出てきているとのこと。つまり、上の前歯が少しずつ左右に広がりながら前に出てきて出っ歯になってきていたのです。このまま放っておくと噛み合わせが悪くなるということで、早速前歯4本が小さく削られました。この小さくなった歯に人工的に作った歯を被せるという治療方法をとることになりました。

肩こりや腰痛がひどいという悩みをお持ちの方もあると思いますが、これらの原因として歯の噛み合わせが悪いことがあるそうです。噛み合わせが悪いと顔の形が変わってくるだけでなく、身体全体のゆがみに繋がっていろいろな症状を起こすことがあると聞きました。噛み合わせの狂いは様々な原因で起こります。例えば、食べるときに左右どちらかの歯ばかりで噛んでいる。あごの骨のバランスが狂ってしまった。私のように歯が抜けたのに放置しておいた。不適切な治療。その他にもいろいろあります。

歯が抜けたのを放置しておくと、その両隣の歯が抜けた歯の方へ傾いてくる、抜けた歯とかみ合っていた上または下の歯が伸びてくるのだそうです。歯がそんなに動くものとは思っていなかったので、ちょっと驚きました。

どのくらいの精度で噛み合わせを調整するのか興味があったので、「ミリ単位で調整するのですか。」と先生に尋ねたら、「噛み合わせが1ミリも狂ったら大変なことです。ミクロン単位で調整しないと!」と先生はおっしゃっていていました。本当に微妙なものなのですし、人の口の中でミクロン単位の調整ができるというのもすごいことです。

よく考えてみると当然のことですが、人間の身体は全体のバランスがとれているからこそ働いているのですね。脳や内臓は本当に微妙なバランスを保つことで機能していると聞いたことがありますが、身体全体がそうなのです。まるで宇宙です。そう思うと私たちがこうして生きているのが当たり前のように思いがちですが、絶妙のバランスの上に健康を保っている、逆に少しでもバランスが崩れると病気になるのです。健康でいられるのは当たり前ではなく、有ることが難い、ありがたいことなのだと改めて思いました。

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