園長ブログ

赤ちゃん学会 5

2013/06/12

日本赤ちゃん学会第13回学術集会、1日目のラウンドテーブルの後には招待講演が待っていました。講師は、Katherine D. Kinzler氏(シカゴ大学心理学部)です。Kinzler氏は、エール大学 文学士取得、ハーバード大学 Ph.D.取得、2011年にはAssocietion for Psychological Science “Rising Star”受賞の新進気鋭の研究者と紹介されていました。演題はThe Development of Language as a Social Category(社会的カテゴリーとしてのことばの発達)。なにやら難しそうですね。日本語で聞いても難しそうなテーマです。「私、早口なのでできるだけゆっくり話します。」といいながらも相当の早口の英語で90分間、休む間もなく講演してくださったので、全く耳がついて行きませんでした。
講演を聞いて感じた個人的な感想を書いてみようと思います。

「ことばは人と人をつなぐこともあれば分断することもある」と講演は始まりました。ことばは、お互いを理解し合うとても有効なツールです。一方で、同じことばを使う集団に所属しているという所属感を感じる役割もことばは果たすと思います。性別、人種、年齢といったカテゴリーのようにことばも社会的なカテゴリーになります。

Kinzler氏は「ことばは指し示す情報を直接伝えるだけでなく、社会的な意味を伝達します。私はこれまで、社会的カテゴリーとしてのことばに関するヒトの思考の発達的起源について研究を行ってきたました。」(日本赤ちゃん学会第13回学術集会 プログラム。抄録集)と自己紹介していらっしゃいます。

「ことばは、子ども達による他者評価、他者に関する推論、そして他者からの社会学習に影響を与えているのです。」とKinzler氏が言うように、ことばは、ただ単に情報を伝えるのみならず、子どもたちが社会を学ぶ上で、大切な役割を果たしているのでしょう。

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