園長ブログ

子どもの主体性

2011/09/01

子どもは、あかちゃんのうちから立派な一人の人格であり、決して大人の所有物や大人に従属するのではなく、一人の人間として主体的に生きています。

子どもが大きくなるのには、首がすわり、寝返りをし、お座りをして・・・というように、一定の順序があります。そして、子どもは自分の発達に必要なことをします。ある時期、ティッシュペーパーをどんどん引っ張り出したりすことがありますが、それは引っ張り出すという動きを身につけるためにしています。また、食卓に座るときに、お父さんの席はここ、お母さんはあそこ、お兄ちゃんは僕のとなりと決まっていることが、何かの都合で変わってしまったりすると、どうしようもなくいやになる時期があります。それは、決まった人が決まったところにいる。いつも、同じ物が同じ所にある。いわば秩序を身につけたい時期なのです。その時期だけというわけではありませんが、それがその子にとって一番適切な時期なのです。

子どもは自分に必要な発達を遂げる時期が来るとそのことがやりたくなるのです。もちろんそれは、子ども一人ひとりで違います。誕生日が同じだとしても、子どもによって違います。

そんな子どもの発達にとって大切なのはどんなことでしょうか。それは子どもが自分の発達にあった遊びを自分で自由に選べる環境を用意しておくことです。これは、何をして遊ぶかを子どもが自分で選んで決めるということです。何をして遊ぶかに深く関わりますが、どこで遊ぶかということも子どもが選びます。

また、子どもはいつも一人で遊んでいるわけではありません。友達と遊ぶことの方が多いでしょう。では、子どもは誰と遊ぶでしょう。自分のしたい遊びと同じ遊びをしたい友達と遊ぶのが一番充実して楽しいのではないでしょうか。難しいルールのゲームをそのルールが理解できない子がやろうとしても、おもしろくないでしょう。3歳児でも木登りが得意な子は、5歳児と木登りをして遊んだ方がおもしろいこともあります。ですから、こどもが誰と遊ぶのかを選ぶことができるように、異年齢の集団を用意しておく方が良いと考えています。

そもそも5歳児とか4歳児とかいいますが、大人の都合で便宜的に4月1日という境界線をもうけて、子どもを分けているだけではないでしょうか。ですから、それにあまりにもこだわり過ぎる必要もないのかと思います。子どもが、誰と遊ぶか、どこで遊ぶか、何をして遊ぶかを自分で選んで決められることが大切だと考えています。

なぜなら、私たち保育者のすべきこと、最も大切にしなくてはならないことのひとつ、それは一人ひとり違う子どもたちが、それぞれの発達を十分に遂げることができるようにすることのはずです。そのためには何が必要かを考えると、子どもたちが自分で発達を遂げられるように最適な環境を用意しておくこと、その環境は子どもが誰とどこで何をして遊ぶのかを主体的に選ぶことができるという環境だと考えています。

スクロール