園長ブログ

あかちゃん 2

2011/08/30

あかちゃんは、胎児の頃から自分で生きてゆくための戦略を立て、身体を動かし、五感を使って周囲の環境と関わり合いながら学習している。胎児からなんて、ちょっと驚きではありませんか?

赤ちゃんが動くということは、まず触覚を使って自分が自分であることを認識し、自分と他を認識することなのだそうです。あかちゃんがお母さんのおなかの中で動くことで自分自身に触り、お母さんのおなかに触って自分と自分以外を感じているということです。触覚は自分が自分であることを認識する最も有効な手段なのだそうです。

胎児の世界は「動けばわかる自分の身体と他者」「動いて作る自分の脳」と小西行郎氏(日本赤ちゃん学会理事長)はおっしゃっていました。

園では毎朝3・4・5歳児と一緒にお参りをしており、その前に子どもたちと少し身体を動かします。そのなかで、やさしく自分自身に触ってみるということをすることがあります。例えば、両手でやさしく自分の顔をなでます。なでる手は顔の感触を、なでられている顔は手を感じます。そこで、自分の顔はここにあると再確認します。当たり前のようですが「自分の顔がここにある」と意識しながら顔を触ることって普段はあまりないと思います。また、顔に触ったときの手の感触に意識を集中する。また逆に顔で触っている手を感じるように意識するようにしています。「自分はここにいる」ということを自分の身体を触ることで再認識してほしい。という理由と、どんな感じがするかに意識を集中してほしいという理由からです。

研修で小西先生のお話を伺って「胎児のころからそんなことをしているんだ」と思いました。

胎児が行っているということは、それが胎児にとって必要だからです。生まれ出てからも少し大きくなっても、子どもがやりたいと思うことを、十分に行うことができるような環境を子どもの周りに整えておいてあげること、それが私たち大人のしなくてはならないことなのだと思います。特に五感をしっかりと使うことができる環境を整えておくことが必要だと思います。

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