鞍馬山保育園の理念

保育園に関わるあらゆる人が、楽しくていきいきとしていられる。鞍馬山保育園がそんな場所であることを願っています。
名前を呼ばれても気付かないくらい興味のある遊びに没頭している。友達とぶつかり合いながらもいっしょに力を合わせることがうれしい。とにかく楽しくて しょうがない。ときにはけんかもするけど、相手の気持ちを思ったり、自分の気持ちを切り替えたりして仲直り。逆上がりができずにくやしくて、なんとかして できるようになりたい。手の豆がつぶれるまで練習して、やっとできるようになったときうかべた満足そうな笑顔。そんなふうにいきいきとしている子どもた ち。
お迎えにきた時の他のお母さんとのおしゃべりが楽しみ。先生と子どもの話をするのがうれしい。保護者も子どもも先生も、みんなであつまってボウリングしたら楽しそうだからみんなでやろうよ!保護者の皆さんにとって楽しくいきいきできる場所。
山でおもしろそうな場所を見つけたけど、子どもと行ったらどんな遊びが始まるかな。木の枝にロープを結んでターザンごっこしたらおもしろそう。こんなに雪 が積もったから、坂道でそり遊びしたら楽しいだろうな。子どものステキな姿を保護者に伝えて一緒に喜びたいな。保育者もわくわくいきいき。
子どもをまん中に、みんながいきいき、きらきら輝いている。それって楽しそうじゃありませんか?
子どもを育てることは未来に想いを馳せること。子どもは未来への架け橋。
子どもたちが保育園を卒園して、小学校に入学、次は中学へ…どんどん成長して大人になったとき、どんな人になってほしいですか?
当園では、みんながそれぞれの良い所をお互いに認め合って尊敬し合える。それぞれの良い所を活かして協力し合える。誰かの喜びのために力を合わせられる。 そんな人になってほしいと願っています。それは、みんながそれぞれの役割を果たすことで、いきいきと輝いて生きてゆくことができる社会を実現してほしいと 思うからです。
だからこそ、乳幼児期の今こそが大切なのです。この時期に自ら考え主体的に行動する。自らの想いをしっかりと伝えつつ、相手の想いもしっかりと受け止め る。そして、いろいろな人と協力して何かを成し遂げる。そうすることがうれしい、楽しい。そんな経験をたくさんしてほしいと考えています。乳幼児期のそん な経験がおとなになったときに、みんなが輝ける社会を作ってゆくための原動力になると思うのです。
子どもがいきいきしているときってどんなときでしょう?
自分がおもしろいと思った遊びに熱中しているとき。
やりたいと思っていることに挑戦しているとき、そしてできるようになったとき。だれかと心が通いあったとき。
子どもは遊びの天才といわれるように、どんなことでもうまく遊びにしてゆきます。それは遊びを通して発達し、学んでいるからです。子どもが最も発達し学べるのは、その子が遊びに没頭しているときです。それは子どもが自分の発達に必要な遊びを選んでいるということです。
もちろん発達は子ども一人ひとり違います。誕生日が一緒でも発達は違います。まして、月齢差があればなおさらです。だから、大人が何かの都合で定めた4月 時点の年齢でクラスを分けて、それに必要以上に重きを置くのは子どもの発達にはあまり意味がないと思います。(大人には管理しやすいかもしれませんが…) 本当に必要なのは、それぞれに発達の違う子が、「誰とどこで何をして遊ぶか」を自分で決めることのできる環境を用意しておくことです。これが当園が異年齢 保育を行なっている理由です。子どもは自分の発達にとって何が必要なのかを選びとることができる力を持っているのです。ですから、まず、子どもが自ら育つ 力を信じることです。そして見守るのです。ついつい大人は「あれをしなさい。これはだめ。」と手出し口出しをしすぎてしまいがちですが、そこはぐっとこら えて、見守ることが必要なのです。保育者の一番大切な仕事は、一人ひとりの子の発達をしっかりと遂げさせてあげることなのですから。
科学文明が発達し、人間が自然をコントロールして、便利に快適に暮らせるようになってきました。都会では、特に自然環境を意識しなくても快適に暮らしてゆ けます。でも、そんな便利で快適な生活が環境に負荷をかけ、地球温暖化を促進してきました。自然を大切に!自然を守ろう!って言いますが、ずいぶん偉そう な言い方だと思いませんか?守ってもらっているのは私たちの方なのに、地球という星の上のとっても微妙なバランスの上に成り立っている自然環境に守られて いるからこそ、私たちはこうして生きてゆけるはずなのに…「守ろう!」ではなくて「守ってもらってありがとう」だと思いませんか?
自然はいろいろなことを教えてくれます。じっと目を凝らし、耳をすましてみれば、すばらしい知恵を使って生きているとしか言いようのないいのちに気付きま す。小さな虫でも他の動植物とうまく関わりながら懸命に生きているのです。そんな見えないつながりに気付きたいのです。人間もその見えないつながりの中に いるのだと、子どもたちにも気付いてほしいのです。そして「すべてのいのちが輝く」ために何が必要なのかを感じてほしいと思います。そうです。「すべての いのち」は人間のいのちには限らないのです。様々な動植物、そして水や石までをも含んだ「いのち」です。
乳幼児のときに自分以外の様々ないのちに出会い、そのいのちを自らの五感で感じる経験が、人生を豊かにしてくれると思います。