園長ブログ

サプライズ 2

2012/01/29

このブログを読んでいただいた方から、『みんなを守るいのちの授業 大つなみと釜石の子どもたち』(NHK出版)という書籍を頂戴し、釜石市の子どもたちが大津波から避難した様子を詳しく知ることができました。

以前のブログ「防災教育」では、新聞記事をもとに鵜住居小学校、釜石東中学校のことを中心に書かせていただきましたが、頂戴した書籍には釜石小学校の子どもたちからの聞き取り調査の結果がまとめてあります。

鵜住居小学校の子どもたちは学校にいたので、先生の指示もあってみんなで避難しました。ところが、釜石小学校はすでに授業が終わって、子どもたちは家に帰っていたのです。1人で家にいた子、友達と遊んでいた子、家族と家にいた子それぞれです。そんなときに地震が起こりました。まさに自分で判断、行動しなくてはならない状況です。揺れがおさまって、1人で避難所まで避難して助かった子、ともだちと遊んでいて、みんなで避難場所を考えて、避難した子どもたち。

実際に経験したことのない大きな地震にあいながらも、そこで冷静に自ら考え判断して行動したというのは、なかなかできることではないと思います。自分だったらこの子どもたちのように行動できただろうか。そう思うと自信を持って「はい」と答えられないかもしれません。

おじちゃんおばあちゃんと一緒に家にいて地震に遭い、大丈夫だからと家の中を片付けるおじいちゃんおばあちゃんを説得して一緒に高台に避難させた子や、足の不自由な友達をおんぶして避難した子もいた事を知りました。自分が避難するだけでも大変なことなのに、家族を避難させたり、友達を助けたなんて、子どもたちの力には感動せずにはいられませんでした。

こうして、子どもたちが自分の持つ力を発揮できたのも、防災教育や避難訓練を通じて、正しい知識に基づいた判断と素早い行動を身につけていたからこそだと思います。判断の基準となるものを子どもが持っていないことには、判断しようがありません。

その後の避難所生活でも、子どもたちが率先して掃除をはじめたり、安否確認がしやすいようにと、避難所に避難している人の名簿を作ったりと「自分の命を自分で守る」を実践し「助ける人」へと成長した。ことが記されていました。

ブログを読んでいただいた方のご厚意のおかげで、この本に巡り会えたことが大変ありがたく思います。ご厚意をいただいた方に心より感謝し、改めてお礼申し上げます。

*次の書籍を参考にさせていただきました。
 『みんなを守るいのちの授業』  片田敏孝・NHK取材班 著 NHK出版

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