園のこだわり

ことば 〜コミニュケーション2〜

2012年9月29日

ことばの発達にはことばをことばとして聞くこと、ことばとしての音声を発する能力に加えてコミュニケーションをとろうとすることが必要ということを前回は書くつもりでした。ところが、コミュニケーションには「伝える」という意味と「共有する」「共感する」という意味があることを知って、共有、共感があってはじめて伝わるのだということが中心になってしまいました。

コミュニケーションが成立するには、相手との間で何かの概念や気分、価値観が共有される、共感することが必要なのですが、コミュニケーションには、表情、身振り、手振りなど言語を使わないものから、音声言語、書字言語や楽譜など記号を使ったものまで様々な方法があります。この順にコミュニケーションをとり合う人の距離が近くから遠くになってゆきますし、同時に共有的要素が強いコミュニケーションから伝達的要素が強いものになってゆきます。そして、当然のことながら、距離が遠く伝達性の高いものの方が記号性が高くなってゆきます。

表情、身振り手振りなどは、距離が近く共有生が高いのですが、文法があるわけではなく、伝達性は高くありません。一方、楽譜や数学の記号などは一つ一つの記号が何を表すかという概念を共有していれば、意味は通じ、伝達できます。言語を使ったコミュニケーションはこの間にあるのですが、対面して話をすることから、文書で伝えるなど様々です。

どうも、私はコミュニケーションということを「伝える」ということだけだと勘違いしていたようです。もちろん発信はしないと共有も共感もできませんが、相手の心と自分の心の間に通い合える道が開通しないことには、伝わらないのです。特に、理念や価値観などは共感、共有なしには伝わらないと思います。

コミュニケーションそのものについての話になってしまいましたが、赤ちゃんも積極的にコミュニケーションをとろうとしています。もちろんおなかが空いた、眠いなどの生理的欲求をお母さんや養育者に伝える必要があります。赤ちゃんが自発的に声を出したり体を動かしたりしてお母さんに働きかけます。このときにお母さんが赤ちゃんの感情や行動に応じてそれを解釈することで、二項情緒的関係が成立します。赤ちゃんが、お母さんに働きかけ、お母さんが赤ちゃんの働きかけに応答し解釈することで、赤ちゃんとお母さんが同じ体験を分かち合っているという気持ち、情緒的共鳴が生まれます。
そして、もう少し大きくなると他者の注意や意図を理解してコミュニケーションをとるようになります。他者の注意を理解し、心が意図を持っていることを理解して、自ら意図を持ってコミュニケーションをとるようになります。
お母さんとの関係のなかで物をとらえる三項関係へと広がってゆくのです。この二項関係から、三項関係への広がりがことばの発達と関係がるようです。